岩波新書から、5月に「フィレンツェ」というタイトルが発売になったため、読んでみました。
作者は池上「俊一」先生の方です!
「フィレンツェ」というタイトルで、作者の姓が池上さんだったことで、私はすぐ、NHKのラジオ講座でもおなじみの、イタリアの美術史の先生、池上英洋先生が作者かと早合点して読んでしまいました。
読んでいるうちに、「え?何だか池上先生の文体がいつもと違う…」と思いました。
池上英洋先生は、専門家でありながら、私のような素人でもフムフムと読めるような、わかりやすい文章で書いてくださる本が多いのです。
ですが、この「フィレンツェ」は、文体が硬くて、内容が難しい。
最初はレーベルが、新書の中でも歴史が古くて固い本が多い「岩波新書」だから、編集者の方針なのかな?と思っていました。
何とか読み終わって、あとがきを読んでみると、池上先生の専門がシエナであるかのような記述が…。あ、もしかして…
この池上先生は、中公新書の「シエナ」を書いた池上先生か!
中公新書の「シエナ」を書いたのは池上俊一さんで、池上英洋さんとは別の先生です。そして、この「フィレンツェ」のい作者は池上俊一先生の方でした。
あー、それなら納得です!「シエナ」は、本当に「シエナ」の町みたいな、エレガントで小難しい言い回しが多い本だったんですよね。
「フィレンツェ」の感想は?
上にも書いたとおり、この本は、難しい言葉が多く、写真や地図の掲載が少ないため、よっぽどフィレンツェに精通している人でないと、すんなりとは読めません。
たとえば、フィレンツェで修道女が集まった場所として
とりわけサン・ピエル・マッジョーレ広場から現在のボルゴ・ピンティ通りに沿って
と書かれても、フィレンツェ好きで、5回もフィレンツェに行ったことがある私でも「どこ!?」って感じです。
地図も巻頭に掲載されているのですが、このような広場の通りは示されていません。
旅行者向けというよりは、フィレンツェ史をがっつり学びたい人向けの本だと感じました。
フィレンツェに旅行で行きたい人は、やっぱり池上英洋先生の、光文社新書のフィレンツェ本のほうがおすすめです→ルネサンス 歴史と芸術の物語 (光文社新書)
自分のためのメモ
以下は、この本を読んで「へえー」と思った、自分用メモです