イタリア旅行記2014

3/14フィレンツェ旅行記6 静寂の中の龍退治

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ヴェッキオ宮観光の後は、行きつけのパニーノ屋さん「イ・フラテッリーニ」で、パニーノを買って軽くランチを済ませた。イ・フラテッリーニは、安いお値段で、その場でパニーノを作ってくれて、しかも美味しい!という、貧乏人旅行者の私には、実にありがたい存在で、「安くて美味しい」お店ということで当然ながらいつも混んでいる。

だが、今回行って見ると、いつもより行列が短い気がする…。店をのぞいてみると、オゥッ…2.5ユーロだったパニーノが、3ユーロに値上がっているよッ!小麦の価格高騰のせいであろうか…。

まー今までが安すぎただけで、3ユーロでも十分お釣りが来るほど美味しいのである。この日は、「イノシシサラミ」を注文したが、美味しかったー!このお店は、日本語メニューも壁にズラッと貼ってあり、メニューごとに番号が振ってあるので、お店のお兄さんに英語で番号を伝えるだけで、簡単にオーダーできる。ちなみにホテルまで持ち帰って食べたい場合は、旅行お決まりフレーズ「ポルターレ ヴィア」と言えば、お持ち帰り用にしっかり包んでくれる。

パニーノを食べた後は、母は少し休憩。姉と私は、まだ行ったことがないバルディーニ美術館に行ってみることにした。

バルディーニ美術館は、グラツィエ橋を渡ったところにあり、ポッライオーロの「聖ミカエルの龍退治」の絵が有名である。この絵の写真を、何かで見た時に「フィレンツェにある」と書いてあり、「えっ?見たことないよ?」と思っていたら、このバルディーニ美術館が所蔵しているのであった。

グラツィエ橋を渡ったあたりは、ほとんど観光客の姿はなかった。だが、アルノ川沿いだし、なかなか気持ちがよい界隈である。
美術館の中に入ると、ほぼ我々二人の貸し切り状態。おー。フィレンツェで、こんな孤独感(二人いるんだから孤独じゃありません)を味わえるなんて!

バルディーニ美術館 フィレンツェ

バルディーニ美術館 フィレンツェ

バルディーニ美術館は、建物そのものもお屋敷って感じで、いわゆる「邸宅美術館」であった。貴族の館に、そのまま美術品が飾られているって感じである。

1階部分の展示物で、目を惹いたのは、このイノシシ君。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

どこかで確実に見たことがあるイノシシ君…て、アナタ、新市場のロッジアにある、観光客に鼻を触られまくられている、あのイノシシ君じゃないのー!オリジナルはここにあったのね!

…でも、地球の歩き方には、新市場のロッジアのイノシシ君は、ウッフィツィ美術館にあるローマ時代の彫刻のコピーだと書かれている。しかし、このイノシシ君の説明書きを見ると、17世紀頃の作品となっている。どういうこっちゃ。

つまり、17世紀ごろに、古代ローマ時代のイノシシ像を模して作られた作品が、このバルディーニ美術館のイノシシ君で、さらに、それをコピーして作られたものが、今、新市場のロッジアに飾られているってこと…ね?(自信ナシ)この私の仮定が正しければ、我々観光客は、コピーのさらにコピーの鼻を撫ぜまくっているってことね!別にいいじゃん?コピーのコピーの何が悪いのさ(誰も責めてません)。

しかし、この「オリジナル」君、なかなかカッコよかった。新市場にいるコピーのコピー(しつこい)君は、いつも観光客に囲まれていてよく見えないので、ここバルディーニ美術館でじっくり見てみると、思った以上のルックスであった。でも、「コピー」より、「コピーのコピー」の方が、観光客に群がられているってどういうこっちゃ(この話題しつこいよ)。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こちらはジャンボローニャ作の「悪魔(たぶん)」。悪魔と言っても、そんなに恐くもなく、何かカワイソウな感じ。落ち込んでいるように見えるよ。「オレも好きで悪魔やってんじゃないんだぜ、仕事だからしょうがないんだぜ…」みたいな。それにしても、わざわざ悪魔の彫像を作るのって、どういう意図の元なんだろう。マニエリスム期(16世紀頃)の作品だから、純粋な芸術目的と言うわけではないだろう。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こちらはお尻も顔も噛まれているカワイソウなウサギ君。カワイソウなウサギ君としか言いようがない。この美術館は、お金持ちのコレクション美術館らしいのだけど………何でこんなものコレクションしたんだろうねえ?お金持ちの感覚はワカランね!

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こういうのとか

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こういうのも、よくワカラン…。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こちらは「Madonna della Mela」…「リンゴを持った聖母」で、ちょっとわかりづらいかもしれないが、右手に小さな黄金のリンゴを持った聖母と、幼子イエスである。リンゴと言えば、キリスト教では、言わずと知れた「アダムとイヴ」が、神の言いつけを破って食べた、禁断の果実である。おそらく、人間の原罪と、それを贖うイエスの宿命を表わしているのだと思われる。だから、イエスが、こんな気合に満ちた顔しているのかもしれない。

しかし、この作品…作者を見てみると、ドナテッロかルーカ・デッラ・ロッビアと書いてある。ドナテッロかロッビア?作風が違う両者の名前が挙がってるなんて面白い。どっちかって言われると…うーん…少なくともドナテッロ作品には見えないなあ…。敢えて言えば、ロッビアが工房仲間と仕上げたという感じがする…けど、ルーカ・デッラ・ロッビアの聖母マリアは、憂い系より可愛らしい系が多いので、うーん…ちょっと違う気もするなあ…。鑑定って難しいね!

バルディーニ美術館 フィレンツェ

上の階のお部屋に、この美術館の目玉作品である、龍退治の絵を発見っ!

バルディーニ美術館 フィレンツェ

ポッライオーロ作「大天使ミカエルの龍退治」。龍を退治するミカエル素敵~!翼を持った青年というのは、どうしてこんなにカッコよいのであろうか。後ろの風景の静けさと、荒っぽい龍の姿が対照的で、ずっと見ていたくなる作品である。この美術館自体がほぼ貸し切りで、姉と二人で、静かでエレガンスな邸宅の部屋で、好きなだけこの絵と向き合うことができた。

もし、この絵が、たとえばウッフィツィ美術館のような、建物の内装自体はそっけない現代的な部屋で、いくつも並んでいる有名作品の中の一つとして飾られていて、大勢の観光客がざわざわしている中で鑑賞したとしたら、この静かな邸宅の中で味わった、深い印象を受けることは難しいだろう。同じ絵を見るにしても、どんな場所で、どんなコンディションで見るかによって、絵の印象はずいぶん変わるだろうなーと思った。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こちら大天使ミカエルのアップ。いやー、ステキっ!イケメンというより、頼りになる感じのカッコよさ!しかもどこか清楚な感じもする(天使だから当たり前?)。実はもっとアップにすると、眉間のシワとかがじっくり見えてしまって、ちょっとコワモテになってしまうので、このくらいの距離で見るのがいいよ!

ポッライオーロと言えば、ミラノのポルディ・ペッツォーリ美術館で見た「貴婦人の肖像」という、最近来日もした横顔美人の画家さんと同じ名前だが、横顔美人を描いたのはピエロ・デル・ポッライオーロという画家さん。このミカエルを描いたのは、アントニオ・デル・ポッライオーロで、二人は兄弟なのだそうだ。

ミカエルをじゅうぶん堪能した後は、他のお部屋を周った。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

こちらはグエルチーノ作の「天を支えるアトラス」。ギリシャ神話のテーマだ。ゼウス達との戦いに敗れた巨神族のアトラスが、西の果てで天空を支える役目を(無理やり)負わされる話である。そのアトラスが、そのままアトラス山脈になっちゃったなんて、ギリシャ神話の地名由来エピソードは面白い。

ちなみに、アトラスは、天空が重く、背負い続けるのが苦痛だったらしいが、このグエルチーノが描いたアトラスは、重みに耐えていると言うより、ずっと一人で天空を支え続ける孤独が苦痛でたまらない、というような、さびしそうな表情をしているのが印象的である。何だか、このままアトラスを置いて去っていくのが忍びないような。

バルディーニ美術館 フィレンツェ

イタリア随一のロココ画家・ティエポロの下書きデッサンも展示されていた。

本当に静かで、我々以外、だーれもいなかったバルディーニ美術館。フィレンツェの人混みに疲れた時は、ここで、龍退治を眺めながら、静かな一時を過ごすのもいいかもしれない。

この後は、母と合流して、ウッフィツィ美術館に入った。姉と私は、通算4回目のウッフィツィ美術館っ!イエイっ!6時50分閉館のウッフィツィ美術館に、5時頃行ってみたが、3月のこの時間だと、いつも美術館の外にずらーっと並んでいる行列は無かった。
ウッフィツィ美術館はもう4度目。しかも、この二日後も入館することになるのだ。ウッフィツィ美術館の詳しい話は、二日後の旅行記でまとめて書くことにしようと思う(めんどくさくなったな、コイツ…)。

ちなみにウッフィツィ美術館は、入館するたびに、その日一番心に残る作品が違うのだが、この日、一番印象に残ったのは、ボッティチェリの「ヴィーナスの春」であった。

ウッフィツィ美術館が誇る、ボッティチェリの二大神話画「ヴィーナスの誕生」と「春」は、私にとってどちらの方が好きかは、入館した日の天気や自分の精神状態に左右されるようで、その日によって違う。この日は、「ヴィーナスの春」の背景の海の色に、「こんなに美しかったっけ…?」と引き込まれてしまった。左側からヴィーナスに息を吹きかけている西風(ゼフィロス)の、音が聞こえてきそうな風景であった。

この後は、ご飯係(違う言い方をすれば料理が上手い)母と姉がレジデンスで夕ご飯の下ごしらえをしている間、パスタを買い損ねていたので、買い物係(料理できないわけじゃないよ!母と姉が上手いだけなんだよ!)の私は、ヴェッキオ橋の向こうのスーパー「CONAD」に行った。

この「CONAD」はいつも混んでいるのだが、たった49セントの乾燥パスタを買うのに、10分も並んでしまった。しかし、パスタは必要なわけだから、辛抱強く10分待ったわけである。後悔はしてない。

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