イタリア旅行記2014

3/11コルトーナ旅行記3 静寂なる町の夕暮れ時

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さて。エトルリア・アカデミー博物館の鑑賞後、我々は鉄道切符を入手することにした。

というのも、コルトーナの最寄駅、カムーチャ・コルトーナ駅は無人駅である。そのため、鉄道切符を買うには、自動券売機を使うしかない。

イタリアの鉄道切符を、自動券売機で購入したことがないわけではない。ただし、自動券売機は、クレジットカードしか使えない場合があり、何となくだが、あまり使いたくない。地方の小さな駅だと、たった一台しかない自動券売機が故障していることだって、イタリアでは、あり得る。

じゃあ、そんな無人駅では、どうやって鉄道切符を、自動券売機以外で入手すればよいのか、と言うと、駅近くのバールやタバッキが、鉄道切符を販売していることがある。シカシ、カムーチャ・コルトーナ駅周辺に、バールやタバッキなどはない(2014年3月建設中だったが、完成はいつになるかわからないよ!完成するかどうかも私はアヤシイと踏んでいる)。

それなら、どーすんのよ!と言いたくなる所だが、コルトーナ旧市街の中にある、インフォメーションで鉄道切符を購入できる、という情報があった。そんなわけで、明日行く、カルティリオーネ・デル・ラーゴと、明後日移動するフィレンツェへの鉄道切符を入手することにした。

コルトーナの観光インフォメーションは、エトルリア・アカデミー博物館の奥にあり、ちょっとわかりづらい(地球の歩き方の2014~15版は、ちょっと位置が違う)。インフォメーションの位置がわかりづらい町というのは、基本的に、観光にやる気がない町だと考えて差し支えなかろう。とはいっても、観光はイタリアの主要産業だし、観光業なしで、イタリアという国がやっていけるとは思えない。あとちょっと工夫すればいいと思うのだが、あとちょっとの工夫をしないのがイタリアなのである。

インフォメーションに入ると、ヒマそうなマダムが中にいた。「ここで鉄道切符が買えますか?」と聞いてみると、「鉄道切符は、レプッブリカ広場にあるタバッキで買えますよ」とのお答えだった。そこで、レプッブリカ広場に面している、ちょっと大きめのタバッキに行ってみた。

タバッキで、「鉄道切符を買いたいのですが」と聞いてみると、若い女性スタッフが、「鉄道切符はインフォメーションです」とのお答え。出たっ!イタリア名物のたらい回しっ!ここで負けてはいけませんっ!「インフォメーションで、ここのタバッキで購入するように言われたんです」と、返すと、「ちょっと待ってください…」と答え、PCを見たり、大きなファイルを取り出して見たりして、まずはフィレンツェ行きの鉄道切符を用意してくれた。

用意してくれた切符は、普段イタリアの国鉄FS線で使っている切符ではなく、ぴらぴらの紙切れ。使えるのかねーと、ちょっと心配したが、普通に刻印して使えた。

続けて、カスティリオーネ・デル・ラーゴ行きの切符を出してくれたのだが、どう見ても、それでFS線に乗れる感じがしない…。しかも、日本から調べてきた値段とも違う。「本当にこの切符でいいのですか?」と聞いてみると、「大丈夫ですよ。ただ、乗り換えが必要かもしれません」と言う。乗り換え?カムーチャ駅から、カスティリオーネ・デル・ラーゴまではたったの2駅なのだが…。

すると姉が後ろから、「ねえ、その切符、バス切符なんじゃない?私たちがカスティリオーネ・デル・ラーゴまで、バスで行くと思ってんじゃないの?」と助け舟。…ビンゴだった。「鉄道で行きたいのです」と言うと、「ああ、そっか、そっか」と、鉄道の近距離切符を出してくれた。コルトーナからカスティリオーネ・デル・ラーゴまでの行き方については、カスティリオーネ・デル・ラーゴの旅行記で後述するので、ここでは省略しますっ。

こうして、無事に鉄道切符をゲットできたわけではあるが、しかし……本当は、インフォメーションでも鉄道切符は買えたんじゃないかなあ…。鉄道切符を売るのは、あんまり慣れてないし、面倒なので、タバッキとインフォメーションで押し付け合ってるのではないか…という感じがした。この「たらい回し」は、イタリアでは本当によくあることで、イタリア語の語学学習スキットにも、よくこういう場面が登場するよ!

ま、ともあれ、切符をゲットできたので、ミッション完了~。

今日は、天気も良いし、どこかで夕陽が拝めそうである。アパルトメントでもらったコルトーナの観光地図に、いくつかパノラマスポットがマークしてあった。その中から、アパルトメントから比較的近い、サン・フランチェスコ教会近くまで行ってみることにした。

コルトーナ

サン・フランチェスコ教会近くには、外壁に、古いフレスコ画が消えかかって残っている家があった。古いお家なんだろうなあ。

コルトーナ

正面は未完成なのかなという感じのサン・フランチェスコ教会。サン・フランチェスコ教会と言う名前の教会は、イタリアにいったい幾つあるのだろうか。その中で一番有名なのは、やっぱり、聖フランチェスコのホームである、アッシジのサン・フランチェスコ教会(聖堂)かなあ。一度、イタリアのサン・フランチェスコ教会総選挙とかやってみたい(やらなくて結構です)。

コルトーナ

何というか印象的なステンドグラス。来ている洋服からして、着衣している方の手が聖フランチェスコさんの手だと思うが、よくわからない。手のひらの赤いマルは、たぶん聖痕。そう考えると、着衣していないのは、イエス・キリストの手かな?現代アートみたいな作品だが、いつ作られたんだろう。

教会の中には、コルトーナ出身の画家・ピエトロ・ダ・コルトーナの受胎告知の絵がある。

ピエトロ・ダ・コルトーナ…どこかで聞いた名前だなと思ったら、ローマのバルベリーニ宮(ハチのお屋敷。面している坂に、うつむいたオヤジの像がずらっと並んでいる印象的なお屋敷)の、巨大でド派手な天井画を描いた、バロック期の画家さんだ。

ローマでド派手な作品を描いた彼だが、この作品を見てみると、故郷では、なかなか静かな作品を残している(こちらの絵は撮影禁止でした)。バロック期の画家さんは、どちらかというと、静謐な作品より、ダイナミックな作品の方が得意な画家さんが多い。

確かに、ピエトロ・ダ・コルトーナも、その本領と言う意味では、こういう受胎告知の絵より、ローマ・バルベリーニ宮のだまし絵的な天井画のほうが、持前が発揮されているのであろうが、何となく、故郷に残されている絵ってのは、それだけで何だか趣を感じてしまう。

ちなみに、ピエトロ・ダ・コルトーナさんは、コルトーナ生まれで、偶然名前に「コルトーナ」がついているというわけではなく、「ピエトロ・ダ・コルトーナ」というのは通称で、「コルトーナから来たピエトロ君」くらいの意味である。余談だが、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は、「ヴィンチ村から来たレオナルド君」という意味である。

あと、このサン・フランチェスコ教会には、10世紀のビザンチンの象牙細工がある、と、地球の歩き方に書いてあるのだが、暗くてよく見えなかった。象牙って言葉通り、ゾウさんのキバ?よくわからないが、何とかして工夫して見てやろうと言う気も、特別起きなかった。

サン・フランチェスコ教会は、その名の通り、聖フランチェスコを祀っているわけだが、聖フランチェスコは、本当にイタリアで人気がある。絵などで一般に知られている聖フランチェスコは、かなり無表情な感じの壮年男性で、無表情ゆえに確かに禁欲的な顔に見えるのだが、私のような信仰心のないヤツから見ると、無表情すぎてあんまり親しみが沸かない。絵の中でよく中性的に微笑んでいる、使徒ヨハネとかの方がずっとカワイイ。

…と思っていたのだが、イタリアでは、聖フランチェスコの図像ってのは、イエス・キリスト、聖母マリアに次いでよく見るので(聖フランチェスコが、イタリア全体の守護聖人てのもあるのかも)、最近は、何度も顔を合わせるうちに、知り合いのような安心感を持つようになってきてしまった。「恋愛は、とりあえず付き合ってから、何度も会いながら愛を育む派(どんな派だ)」にも、一理はあるのだなーと思う。

で、この教会では、そんなイタリアでの人気者・聖フランチェスコグッズを売っていたのだが、これが、あんまりにもカジュアル過ぎた…。漫画絵で描いたみたいな聖フランチェスコのキーホルダーとか、ポストカードとか。聖フランチェスコのお膝元・アッシジでも、「サッカーに勤しむ聖フランチェスコ人形」とか売っていたし、聖フランチェスコは無表情の割には、カジュアルで庶民的なのかもしれないね。

教会を出ると、目の前には、ビューティフルな夕暮れの空が広がっていた!

コルトーナ

コルトーナ

コルトーナ

中世の街並みが残る丘の上の町ってのは、夕暮れの空がよく似合う。日本でも、古い田園風景が残っている農村は、夕暮れ時の風情がある。古くからの風景と、夕暮れ時ってのは、相性が良いんだなー。

コルトーナ

ほのかなピンク色の空の下に見えているのは、トラジメーノ湖。確か、イタリア中部で一番大きい湖だ。明日は、この湖畔の町・カルティリオーネ・デル・ラーゴまで行く予定である。

コルトーナ

夕暮れのイタリアの田舎町に、ひょっこり現れるのは、猫と相場が決まっている!イタリアの町で見かける猫ちゃんは、放し飼いされている飼い猫なのか、ごはんをもらっている野良猫なのか、恰幅がよくて、人を怖がらない子が多い。

アパルトメントに帰ると、どうも冷蔵庫の電源が切れていた。しかも、夜間は部屋のヒーターが止められているらしく、何となく冷える。個人経営のアパルトメントに泊まると、こういうこともある。私はこういうことは、甘んじて受け入れてしまうカヨワイ日本人なのだが、姉は、明日、オーナーに言う!と意気込んでいた。こういう性格の姉と旅行すると、自己主張が必要なヨーロッパでは本当に助かる。

が、姉は英語もイタリア語もめちゃくちゃなので、度胸はあるがそれを伝達する手段がなく、申し訳程度ではあるが勉強している私の方が、語学力はあるというディレンマなのだ。天は二物を与えないのである。

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