イタリア旅行記2012

3/4フィレンツェ旅行記2 まるこは見返り美人

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本日は日曜日のフィレンツェ。

日曜日のフィレンツェ中心街は、どこに行っても観光客でごった返している。特にドゥオーモ前の人口密度はスサマジイ。

では、日曜日のフィレンツェの上手な過ごし方とは。ぶっちゃけ、日曜は、イタリアサッカー・セリエAの試合が行われるので、スタジアムにサッカーを見に行っちゃうのが吉、なのである。

というわけで、我々母娘は3人ともスポーツ観戦大好きなので、今日はサッカー観戦の日。ただ、試合は3時からなので、それまで、それほど観光客の多くない見どころを回ることにした。

母が一日中遊び回って疲れるといけないので、まずは母を置いて、姉と二人で町へ繰り出した。とりあえず、人ごみに近づかないためには、ドゥオーモ前と、ウッフィツィ美術館近くのシニョリーア広場を避けるべきであろう。というわけで、我々が白羽の矢を立てたのは、サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院

ラファエロのお師匠さんである、ペルジーノの絵が残る修道院で、昨年行ってみたのだが、閉まっていて入れなかったのだ。結構旧市街の外れの方にあるので、ココが混んでいるということは、日曜とは言えども、まず無いだろう。で、トコトコ行ってみたのだが、まーた、閉まってた。

どれどれ、張り紙がありますよ。

サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院の張り紙

火曜日と木曜日の、午後2時半から5時半までしか入れない、てなわけですかー。カンタンに言えば、やる気ナイってことですね?まあ、無料だしな…。いいさ、いいさ。火曜か木曜に来りゃいいんだろ?出直すさ。

というわけで、この修道院からは、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会が近いので、そちらに入ることにした。何といってもサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会は、フィレンツェでは貴重な、無料で入れる教会っ!おととしも入ったけどね、何回でも入りますよ!何回でもっ(無料だから)!

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会は、捨て子養育院美術館と同じ広場に面している。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会 外観

外観はこんな感じで、なかなかステキである。

この教会は、地元の人たちが礼拝のために使っている教会で、フィレンツェの中では、観光色が薄い教会である。地元の人たちに大人気なのが、小さな礼拝堂に描かれた、「受胎告知」の絵である。この「受胎告知」に描かれたマリアが、天使が描いたものと言い伝えられていて、信仰を集めているのだ。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会 小礼拝堂

天使が描いたマリアは、入ってすぐ左の、この礼拝堂の中の奥に描かれている。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会 天使の描いたマリア像

右側の、上を見ている女性がマリア。写真ではなかなか伝えきれないのが残念だが、素朴で優しげで、なかなかいい表情をしている。

「受胎告知」は、西洋美術でよく描かれるモチーフだが、画家によって、マリアの描き方はさまざまである。処女懐妊を告げられて驚く、優美なマリアを描く人もいれば、厳粛な表情で天使のお告げを受け取る、マリアの強い決意を描く人もいる。

この絵でのマリアは、数ある「受胎告知」のマリアの中でも、聖母の優美さと強さ、どちらも併せ持った、絶妙な表情で描かれている。天使が描いたと言い伝えられるようになったのも、何だか頷ける作品である。

この教会には、カスターニョが描いた、ちょっと目つきがヤバイ神様の絵がある、と、ちょっと前に読んだ本・フィレンツェ・ルネサンス55の至宝 (とんぼの本)に書いてあったので、探してみると、教会の左側の方に見つかった。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会のカスターニョの絵

こちらが、カスターニョ作「三位一体」。上の老人が父なる神、鳩が精霊、そして神の子イエスの三位一体を表す図なのだが、そもそも構図が不思議である(神が何がしたいのかわからないし…)。肝心の神の目つきは、この写真では何と影になっていて、見えないっ!

でも、確かに、ガン飛ばしてるような、だいぶ鋭い目つきであった。先述のフィレンツェ・ルネサンス55の至宝 (とんぼの本)によると、見る者を圧倒するような、冷徹な印象すら受ける「目力」が、フィレンツェ・ルネサンスの一つの特徴だそうな。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会の、内部の全体像はこんな感じ。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会 内部

朝日が差し込んで荘厳な感じ。本当に祈りのための空間、という感じで、雰囲気がよく、フィレンツェの中でも、私はお気に入りの教会である。この日は日曜の礼拝のためか、朝も早くから、観光客だけでなく、地元の人たちが集まってきていた。

サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会を出た後、通称「ブルネルスキのロトンダ」と呼ばれる、旧サンタ・マリア・デリ・アンジェリ礼拝堂が地図で見ると近かったので、そちらに立ち寄ってみることにした。

昨年、ドゥオーモのクーポラに上って、フィレンツェの街並みを見た時、まるいプリンみたいなかわいい建物が見えて、私は勝手にそれを、「まるこ」と名付けた。

まるこ

こちらが、昨年ドゥオーモのてっぺんから撮影した「まるこ」の写真。

この「まるこ」が、後日調べてみると、ブルネルスキが設計した、旧サンタ・マリア・デリ・アンジェリ礼拝堂であることがわかったのである。それで、今年はちょいと、この「まるこ」を近くで見てみようと思ったのである。

捨て子養育院の前の、かなりさびしい感じの通りを南下していくと、この「まるこ」が現れた。…まるこは、駐車場に囲まれて、すっごく生活感あふれてしまっていた…。まあ、大学の教室として、現在でも使われているらしいしねえ。

それにしても、外壁も落書きばっかりで、こんなさびれた所に、我々以外に誰一人観光客もいないし、地元の人たちも、まるこに見向きもしないで通り過ぎていく…。それにしても、この落書きはヒドイ…。まるこは、完全にナメられているらしい…。

中に入れることもあるらしいので、ドアを押してみたが、開かなかった。しーん。ま、まるこ…。…何だか他にコメントすることもなくなったので、ドゥオーモ方面に向かって歩き出すことにした。

まるこを背にして、ドゥオーモ方面へ南下する途中でちらっと振り返ると、おー!まるこ!こっちのアングルから見るとかわいらしいじゃないの!

旧サンタ・マリア・デリ・アンジェリ礼拝堂

南側から見ると、まるこの比較的落書きの少ない方の外壁が見れるし、何だか木もあっていい感じ。それは木があるからいいのであって、まるこそのものの良さじゃないじゃんかよ!などと突っ込んではならない。周りの風景も巻き込む景観のことを、確か「借景」とか言うのですのよ(何かの受け売り)。

というわけで、まるこ…ええと正式名称は旧サンタ・マリア・デリ・アンジェリ礼拝堂を見に行く方は、ぜひ南側から見てあげてくださいっ!

さて、この後、母がサン・ジョヴァンニ洗礼堂に一緒に入場するために、レジデンスから出てきて、「天国の門」のレプリカ前で待ち合わせする予定だったのだが、我々が早めに用が済んでしまったため(断じてまるこの見どころが少なかったためではありませんよ、ええ)、レジデンスまで母を迎えに行くことにした。

レジデンスまでとことこ歩いている途中で、前方から、かなりちっぽい東洋人が歩いてきた。まあ、とどのつまり、母だった。やあ、母。迎えに来ちまったよ。というわけで、3人でとことこサン・ジョヴァンニ洗礼堂へと向かった。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂は、日曜だと行列ができることも多いのだが、この日は、北側入口の切符売り場が混雑していなかった。

へー、珍しいと思ってよく見てみると、切符売り場が、洗礼堂の入口ではなく、北側の入口から見て、通りを挟んで反対側の建物の、7番窓口に変わっているようだ。そちらで切符を購入して、洗礼堂の入り口で、自分でバーコードを機械にかざして、入場する仕組みになっていた。イマイチこのシステムがわかりづらいようで、洗礼堂の入り口でうろうろしている観光客も多かった。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂は、私と姉は再訪である。2年ぶりっ!元気だったかい?洗礼堂の内部くんっ!?

このサン・ジョヴァンニ洗礼堂の見どころは、何といってもモザイクの天井!フィレンツェの中心街で、こんなに出来の良いモザイクを拝めるのは、おそらくこのサン・ジョヴァンニ洗礼堂だけではないだろうか。さて、このモザイクの天井画には、私の大好きな悪魔くんがいるのである。悪魔くん、久しぶり!

サン・ジョヴァンニ洗礼堂 悪魔大王

これが悪魔くん。

最後の審判にて、地獄に落とされた悪人たちを、せっせと食べるのが仕事である。それにしても、いつ見ても、悪魔くんは疲れ気味である。悪魔の仕事だって楽じゃない。悪魔くんの仕事を増やさないためにも、良い子に生きなきゃいけないですな。

サン・ジョヴァンニ洗礼堂のモザイクは、入り口から見て右側が最後の審判、左側が聖書のストーリーである。もう、一面にモザイクが広がっているので、じっくり鑑賞すると、本当に首が疲れる。左側の聖書のストーリーは、場面が変わるごとに、柱のモザイクで区切られていて、その柱が一本一本違うデザインなのがおもしろい。手抜きのないモザイク職人の仕事である。

最後の審判の図は、聖書のストーリーに比べて大きなモザイク画なので、下から見るには、こちらの方が見やすい。特に、中心にいるイエスは、むしろデカすぎる。もっと言っちゃえば、頭がデカすぎる(本当に)。

さて、最後の審判は、キリスト教美術のモチーフの中でも、特に私が好きな題材である。まず、最後の審判が始まる時、「審判始まるよー!」という合図として、天使がラッパを吹くのである。

サン・ジョヴァンニ礼拝堂 ラッパを吹く天使

これがラッパを吹いている天使。

その天使のラッパを目覚まし時計代わりにして、今まで地球上に生まれてきたすべての人間が、お墓から起こされる。その起こされ方が、ここのモザイク画はおもしろい。

こちらはいい人達バージョン。

サン・ジョヴァンニ礼拝堂 天使に起こされる人々

善人たちは、天使に「朝が来ましたよ、起きてください」と、穏やかに起こされる。

こちらは悪い子バージョン。

サン・ジョヴァンニ礼拝堂 悪魔に叩き起こされる人々

悪人たちは、悪魔たちに、「オラッ!朝だ!さっさと起きろ!」と、文字通り叩き起こされるのである。だいたい、悪人が眠っている棺桶は、善人のに比べて、装飾もなく、だいぶみずぼらしい。

悪人たちは、そのまま悪魔大王の所へ連れて行かれ、悪魔くんに食べられてしまう(上の悪魔くんの画像参照して下さい)。それに対して、善人たちはどうなるかと言うと…

サン・ジョヴァンニ洗礼堂 いい人たち

このように、聖人たちの膝に抱っこされているのである。…うーん、微妙っ?もう少し、こう、善人だったらこんなご褒美があるぜ!的なメッセージが欲しいところである。

ちなみに、最後の審判が来たことを告げるラッパを吹いている天使だが、母と姉が、あろうことか、顔が「志村けん」に似ている、と言い出した…。

サン・ジョヴァンニ礼拝堂 ラッパを吹く天使アップ

…激似ってわけじゃないけど、そう言われると、志村けんにしか見えなくなる…。そんな目で見ると、ラッパで吹いてるメロディも、「ババンバ バン バン バン」としか思えなくなってくる…。いや、いいんですよ、笑いを司るんのは、少なくとも悪魔ではなく、天使の仕事ですよ!

というわけで、礼拝堂を出た後、昼食のパニーノを買って、いったんレジデンスに戻った。この後はサッカー観戦だが、また、ページを改めますっ!
3/4フィレンツェ3 朝から晩までフォルツァ・ヴィオラ!へ続く

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