イタリア旅行記2012

2/28マテーラ旅行記1 下を向いて歩こう!

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さて。マテーラ初日っ!

母をしばらくホテルで休ませて、私と姉は、マテーラ3泊分の食料を、市場に調達しに行くことにした。週に一度しかないアルベロベッロの市場と違い、マテーラでは、毎日市場が開いている。もちろん新市街の方だが。

市場まで歩く途中に、サッシ地区で、たくさんの猫ちゃんに遭遇っ!

マテーラの猫ちゃん

マテーラで一番最初に出会った猫ちゃん。この子は、ホテルの近くの家で放し飼いされていて、毎日のように顔を合わせた。年寄り猫なのか、よく口をぽかんと開けていた。

イドリス教会と黒猫

こちらは、洞窟教会である、イドリス教会をバックに、ゆうゆうと歩いている黒猫くん。

アルベロベッロもそうだったけど、マテーラも本当に猫が多い。廃墟状態になっている洞窟住居も多いので、猫にとっては、格好の住み家となっているのだろう。サッシ地区に住む人たちが、定期的にごはんもあげているようで、よく民家前で、ごはんをもらうためにスタンバっている猫ちゃんも目にした。

新市街の方に行くと…。………ええーっ!?何でこんなに人が多いの~!?

マテーラの新市街が、想像していたより都会であることは、アルベロベッロから送迎してくれた、おやじの車の中から見てわかっていたが、驚くほど、通りに人があふれている。よくよく見ると、ティーンエイジャーの割合が異様に高いので、もしかしたら、下校時間とかに重なったか、修学旅行生とバッティングしてしまってるか、なのかもしれない。

アルベロベッロは本当に人少なすぎだったので、人が多いのも何だか新鮮だなあ。ちなみに、このティーンたちの中に、「忍者」と書かれたリュックを背負った子がいた。写真を撮りたかったが、自重した。

さて、市場では、たんもり野菜を買い、たんもり肉も買った。姉いわく、「プーリアは野菜が主役だったけど、マテーラと言えば、パンっ!マテーラパンが有名なんだよ」とのことだったので、市場の後は、パン屋さんに行った。お店の人に「マテーラ特産のパンをください」と言うと、奥から、「デカイかたまり」としか言いようのないパンを持ってきた。あまりにもデカく見えたので、小さめのパンを購入した。

ホテルに戻り、このマテーラパンと、調達してきた野菜で姉が作ってくれたスープを食べた。マテーラパン、異様においしいっ!見た目はゴツゴツなので、触ると硬いのだが、中はやわらかくて食べやすく、いくらでも食べてしまう。私も姉も母も、マテーラパンに対する評価は、「合格っ!」。それにしても、おいしー♪プーリアの野菜といい、マテーラのパンといい、今回の旅行は食べ物に恵まれている。

昼ご飯を食べてゆっくりした後、サッシ地区をゆっくり歩いてみることにした。ホテルのおにいちゃんに言われた通り、今日は、サッシ地区のメインストリートを、カヴェオーソ地区からバリサーノ地区に向かって(我々が宿泊しているのはカヴェオーソ地区)、とりあえず歩いてみて、地図を頭に入れてしまおう、という計画である。ま、地図を頭に入れるのは姉の係なんですけど!

姉には、他にもカメラ撮影という、重要な仕事がある。姉が地図係とカメラ係で、母は今回はゲスト様のような存在なので係はなし。とすると、私は、何係?…実は、マテーラでは、地図とカメラ以外に、重要な係が必要となる。それは、「道に何の断りもなく落ちているウンコを踏まないように、皆に注意報および警報を出す係」!

本当に私の旅行記には、ウンコの話が多くて、申し訳なく思っているのだが、それは私のせいではない。イタリアの道には、本当にワンちゃんの落し物が多いのである。そして、今まで訪問した町の中で、ここマテーラは、ぶっちぎりにソレが多いのである!理由は不明だが、ひとつ考えられることがある。

マテーラのサッシ地区は、世界遺産に登録される前に、衛生上の理由から政府命令で住民の立ち退きがあり、しばらく、ほぼ無人の廃墟に近い町になっていた。

世界遺産に登録されてからは、逆に、この風変わりな町を保存し、観光にも力を入れていこう、てなわけで、立ち退いた住民が戻ってきたり、観光業を営む人が移り住んだり、はたまたこの特異な景観に惹かれて芸術家が住みついたり、と、人の住む町として再生し始めているが、まだ人が住まずに放置されている建物も多い。そのためか、他の町と比べて、防犯のためか大型犬を飼っている家が多いのである。

大型犬が多い、ということは、散歩している犬も大型犬が多く、必然的に、デカイものを落としていくわけでありますよ!(イタリアでは、散歩の途中に犬のウンコを飼い主が持ち帰る習慣はない)。

てなわけで、他の町に比べて、デカイものが落ちていて、ひっじょーにアブナイわけですよ!そこで、私が件の係りに任命され、最初は、ソレを見つけると、「ウンコ!」と大きな声で叫んで、姉と母に注意を促していたが、マテーラは観光地なので、日本人観光客のツアー団体に会うこともある。そこで、「ウンコ」は他のコードネームに変えた方がよかろう、ということになった。

で、コードネームは、「フク」になった。なぜ「フク」かと言うと、宿泊しているサッシのホテルはなかなか居心地がよいのだが、カギについているエッフェル塔のキーホルダーと(なぜにマテーラでパリっ?)、お風呂場に置いてある「福」と書いてある歯ブラシ立て(なぜにマテーラで漢字っ?)だけが、ちょっとマテーラ気分になれないなあ、と難点であったのである。そこで、この「フク」を、コードネームとして用いることにした。

そして、私は、5歩進んだら下を見て歩き、「フク」を見つけたら、「前方にフクっ!」「右手にフクっ!」「フクっ!近いっ!」と、叫ぶ係となったのである。あんまりせっぱつまってるときは、コードネームで呼ぶことを忘れてしまうこともあった(反省点)。それにしても、こんな係が必要な町は、初めてであった。

さて。フクの話はここまでにして。

Via Bruno Buozziというサッシ地区のメインストリートをまずは歩いて行こう。

右手の方にどどんと見えるは、洞窟教会として有名なサンタ・マリア・デ・イドリス教会。

イドリス教会

本当にマテーラならではの、変わった教会である。少し高いところにあるため、割とマテーラのいろんなところから見え、目印にもなる。思った以上に迫力のある、存在感のある教会だ。

左手の方にサッシの住宅街を見ながら進む。左手の方は、サッシ街で、右手の方は、何と表現すればよいのか、殺伐とした、ガケっ!マテーラのサッシ街の東側は、グラヴィーナ渓谷という谷になっていて、その谷を挟んでムルジャの高台が広がっているのだが、そこの風景がスサマジイ。

カヴェオーソ地区

これが、グラヴィーナ渓谷。右側が、サッシ街であるカヴェオーソ地区。断崖に貼りついたような、すさまじい地区である。渓谷を挟んで左側が、ムルジャの高台。

ムルジャの高台

ムルジャの谷の洞窟教会

ムルジャの高台は、こんなふうにゴツゴツとしていて、圧倒的な風景である。人工的に作ったようなほら穴は、おそらく、ムルジャの高台に点在しているという洞窟教会だと思われる。

いやー、あちら側の洞窟教会にも行ってみたいなあ…。さすがに歩いてはいけないだろうなあ。教会訪問には、登山服のような恰好をして、ツアーに申し込まなければならないそうだ。登山靴なんか持ってきてないし、今回は無理かなあ。でも行きたいよ~!母も姉も私も、右側の風景に圧倒されて、右ばっかり見ていた。もちろん私は、5歩歩いたら下を見る、というフク係の任務は忘れてないよ!

ムルジャ渓谷の景観に圧倒されるが、左側のサッシ街の風景も、こちらも圧倒的。建物が無秩序に重なり合い、なんじゃこれー!状態。

チヴィタ地区

ドゥオーモをてっぺんにいただいているチヴィタ地区。建物が次から次へと積み重ねられている。本当に不思議な形をした町である。明らかに、日々自分が生きている世界とは異質な世界で、まさしく旅行気分である。我々がイタリア旅行に行くときは、自炊などをするため、そこに暮らしているような感覚の旅になるのだが、マテーラはどう見ても異質な町で、「暮らしている」という感覚は、ついぞ最後まで抱くことはできなかった。旅で、いつもと違う世界にいる、という感覚が拭えなかった。

がけっぷちの教会

こちらはがけっぷちの教会。私がイタリアで「迷宮」が好きというのは、よくこのブログで書いているが、「がけっぷち」も、だいぶ好きである。

Via Bruno Buozziは、サッシ・バリサーノ地区に近づくと、Via Madonna delle Virtuという通り名に変わる。言葉をなくして、口をぽかんとあけて、このメインストリートを進んでいく我々母娘。

そこに、猫ちゃん登場っ!

マテーラの猫ちゃん2

とても人懐こい猫ちゃんで、我々が近づくと、嬉しそうにこのポーズ。

マテーラの猫ちゃん地面にすりすり

猫大好きな我々母娘は、この猫ちゃんと記念撮影をしたが、あとからその写真を見直すと、上の方から、その写真撮影をのぞきこんでいる、性別不明のマテーラ人が映っていた。この猫ちゃんの飼い主さんだろうか?そんな心霊写真みたいなことされたら、コワイよ…。

Via Madonna delle Virtuを、サッシ・バリサーノ地区の最後まで歩ききって、本日のざっくり歩きは終了。いやー、思った以上に、マテーラは広いっ!ちょぽっと歩けば制覇できる町かと思っていたが、想像以上に大きい町だった。あの洞窟くりぬき住居や、家の上に家積み重なり住居などでできた町が、ある程度の大きさでどどーんと鎮座しているため、迫力満点である。

とにかく町全体に圧倒されてしまう。何だか、あの平和なトゥルッリが遠いよ。遠すぎるよ…。今朝までトゥルッリの中にいたんだよな、我々…。

というわけで、マテーラ初日に、あんまりサッシに圧倒されるのも身が持たないので、このへんで新市街の方に上がって、お茶を一服した。姉が調べておいた、マテーラナンバーワン人気のお菓子屋さんで、タルトを食べた。美味しかったし、安かった。南イタリアはやっぱり物価が安いなあ。

マテーラのお菓子屋さん

新市街の方にある「Caffe Schiuma」というお店です。

サッシ地区に戻りがてら、新市街にあるブルガトリオ教会に立ち寄った。この教会は、骸骨の装飾で有名である。

骸骨教会1

扉を飾っている骸骨くんたち。カブリモノをかぶっている骸骨たちは、皆それぞれ違う帽子や冠をかぶっている。バールに複数で入ったときは、皆違うものを注文する、というイタリア人気質をお持ちの骸骨くんたち。そのカブリモノ骸骨くんたちの上は、骨が並べてある。骸骨なのに、なんだかカワイイ。

骸骨教会2

こちらは、扉上の骸骨たち。妙に短足なのがカワイイ。西洋美術に描かれる骸骨は、本当にコワイものもあれば、こんな風に何だか愉快な感じの骸骨くんもある。骸骨の図像が人間にある種の恐怖を抱かせるのは、生物の本能からいっても理解できるのだが、なぜコミカルな印象を与えることもあるんだろうなあ。不思議なものだ。

この後、サッシ地区に入る前に、サッシ地区を望めるちょっとした展望台があるので、そこで写真を撮った。いつも姉が写真撮影をしていて、あまり写真に入らないので、母が、サッシ街をバックに、姉と私の写真を撮ってあげると言い出した(姉は、写真が下手な私には全然頼まないため)。その母の写真撮影が、気合が入りすぎていた。足をナナメ前後に広げ、臨戦態勢のような恰好で、「じゃ、行くよ!」とシャッターを押そうとする母。もう、逆にこちらの方が、写真撮影をしている母の写真を撮りたいくらいだったよ…。

写真撮影後、ゆっくりとサッシ街の方へ戻った。

夕焼けとイドリス教会

日が落ちて、イドリス教会が夕焼けの中浮かんでいた。

ホテルに帰って夕食を食べた後、ちょっとだけ夜のマテーラに繰り出した。マテーラは夜景が有名である。
すると、すぐに道中で猫ちゃんに遭遇。

夜のマテーラと猫ちゃん

マテーラも本当に猫天国。

夕方に母が臨戦態勢を取った展望台から、夜景を眺めた。

マテーラ夜景

すごく雰囲気のある夜景だったのだが、我々の感想は、「えっ!?ライトアップはこれだけ!?」。ドゥオーモの方はライトアップされているのだが、イドリス教会はライトアップされていないのである(3月になったらライトアップ始まりました)。イドリス教会までライトアップしてくれた方が美しいのだろうが、逆にライトで美化されたサッシ街は、サッシ街の本当の姿とは言えないという気もするし、何とも複雑。

ただ、写真に撮って後から見てみると、やっぱりキレイだなあ。夜景が特に美しいというよりは、やはり町そのものが、本当に特異なのだ。

マテーラ不思議な建物

こちらは、宿泊しているホテルの近くにある不思議な建物。昼間に見ると何ともないのだが、夜見ると、何だか不気味である。夜の薄明かりの中、サッシ街にぼこぼこ開いているあなぼこや、不気味にたたずみ廃墟などを見て、母は、「マテーラってのは面白い町なんだけど、何だか洞窟とか廃墟をずっと見てると、引き込まれていくような気分になる」と言った。

おー!母!私はつねづね自分がネクラであることを自覚してるのだが、母も結構ネクラなのだな!だが、母は私のその指摘に、「お母さんはネクラじゃないよ!ネクラなもんね!」と、決して認めなかった。何でー?ネクラって別にいいじゃん?ネクラなんだから、普段は明るくふるまっているわけだから、周りに暗さをまき散らすわけじゃないんだからさー!

というわけで、マテーラに圧倒されっぱなしのマテーラ初日であった。もう、本当にアルベロベッロが遠すぎるよ。トゥルッリって何?(今朝までその中にいたのに…。)おやじって誰?(午前中まで一緒にいたのに…。)夜、3人でデジカメのアルベロベッロの写真を見ながら、「と、お、い、ねーーー!」ばかり言い合っていた。本当に、トゥルッリとサッシは違いすぎる。明るく陽気なトゥルッリ気分は、洞窟住居の闇夜の中に、すべもなく消え去って行ったのであった。

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