イタリア旅行記2012

2/26マルティーナ・フランカ旅行記 バロック、満腹、イケメンイエス

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トゥルッリ3泊目の夜が明け、私は、ガガガガッ、ガガガガッという、トゥルッリのとんがり屋根をかじっているような音で目が覚めた。母も姉も、この音で明け方に何回か目が覚めたらしい。後で、トゥルッリのオーナーのおやじに聞いたのだが、どうやら鳥が鳴く声だったようだ。

さて、連日おでかけが続いたので、本日は体力に自信のない母は、本格的に休息の日に当てることになった。まだそんなには疲れていない、とのことだったが、「疲れてからではなく、疲れる前に休息せよ」という、黄金律のようなルールを母に与えたため、今日は休むことになったのだ。トゥルッリの中でぼーっとしているのに飽きたら、ちょっと外に出て、トゥルッリの街並みをぽちぽちゆっくり、自分のペースで散歩すればよいしね。

では、我々姉妹はどこに行こうかね。今日は日曜日。

「日曜日」。プーリア州での滞在においては、とても重要なキーワードである。というのも、プーリア州の足とも言えるスド・エスト線という鉄道は、日曜日は完全にストップするのである。かんぜんにすとっぷ。

じゃあ、日曜日に動きたい場合はどうすればいいのさッ!?と言うと、日曜日には、鉄道の代わりに、バスの運行がある。

なーんだ、じゃ、安心だ、などと思ってはならない。このバスの本数がクソ少ないのである。汚い言葉で申し訳ないが、本当にクソ少ない。バーリからマルティーナ・フランカまでを結ぶバスが、時刻表上は、わずか5本!しかも、その5本の中には、季節によっては勝手に運休している便もある!この日(2012年2月26日)は、5本中、少なくとも2本は運休していた。

結論から言えば、日曜日は、自動車がないなら、プーリア州では動かないのが吉、なのである。でも、天気も良いし、アルベロベッロは昨日堪能しまくったから、今日は別の町に行きたいなあー。

そこで、候補に挙がったのが、二つ隣の町に当たる、マルティーナ・フランカ。アルベロベッロからは、バスでわずか20分で着くし、バスで20分程度の距離なら、最悪歩いて帰ってこれそうだし(この想定は非常に甘かった。実際には不可能です)、万が一、予定通りバスが来なくても何とかなるだろう、と、我々姉妹2人は、マルティーナ・フランカ行きを決意した。

しかし、ここからが難しいのが南イタリアである。「バスって、どこから出てるんだろうねえ?バス切符って、どこで買えるだろうねえええ?」。

マルティーナ・フランカは、時間があれば行こう、程度のノリだったため、日本で細かいことは調べてこなかったのだ。アルベロベッロのスド・エスト線の駅正面の掲示板に、日曜日のバスの時刻表と、バス停の場所、バス切符が買える場所の地図が掲示されていた。バス停は駅前ではなく、駅から少し歩いたバーリ通りという場所にあるらしい。

よしバス停はわかったし、切符を買うよ!

アルベロベッロで、スド・エスト線代行バス切符が買える場所は全部で5か所。1つの場所は遠かったので、この選択肢はナシ。残る4つはこれだッ!

その1 駅構内の切符売り場窓口→イヤ、あんたたち、日曜は閉まってるし!
その2 バス停の切符売り場→行ってみたけど、閉まってるし!
その3 駅の目の前のバール→行ってみたけど、バス切符は売ってない、と言われるし!

…ねえ、ハードでしょう?本当にイタリアのバスってやつは、ハードなんですよ。残りの望みは1つですよ、たった1つ。駅正面から2つの道がまっすぐ伸びているのだが、その右側の方のマルゲリータ通りを進み、バーリ通りとの交差点をそのまままっすぐ通り過ぎた所にある、タバッキ!

行ってみると、このタバッキ、開いてた(まずは第一関門クリア)!。店主のおばあちゃんに、「マルティーナ・フランカまでのバス切符を往復で下さい」と言うと、「あらあら、今日は電車は動かないのよー。バスで行かなきゃねー」と言いながら、切符を出してくれた。おおおっ!買・え・たー!!!ハイタッチして、喜ぶ我々姉妹(本当にしましたよ)。バス切符が買えたくらいで感動が生まれる、それが南イタリア。

念のためおばあちゃんに、「バスはバーリ通りから出ますか?」と聞くと。「そうよー。ガソリンスタンドの近くよ」と親切に教えてくれた。よしっ!何とかバスにも乗れそうな気がしてきたよ!しかし、鉄道の代行運転のバスが、鉄道駅の正面広場に停まらないなんて。駅からバス停までは、歩いて5分もかからないくらいなのだが、情報なしに自力で探すのは非常に困難である。本当に、南イタリアの旅は難易度が高い。

バーリ通りの、ガソリンスタンドの手前に、ぽつんとバス停があった。そこで、ぽつねん、とバスを待つ我々二人。時刻表通りだと、バスは10時20分に来る。あと10分ほどあったので、二人でぽつねん。他に誰もバスを待っている人はいないのだが、本当に大丈夫かね。可能性としては3つある。

1.バスは時間通りに来る
2.バスは遅れてくる(この場合の「遅れ」は10分以上と定義する)
3.バスは、来ない

…私も姉も、2に一票。ていうか、3だと思うならば、バスを待っている行為そのものが矛盾だし!それでも、1の可能性よりは、3の可能性の方が高いと感じてしまう、それが、南イタリア。

それにしても、ぽつねん。目の前を通り過ぎる車は、こんなところに日本人二人がぽつねんとしているのが珍しいのか、かなりじろじろ見られたり、手を振られたり、クラクションを鳴らされたりした。アルベロベッロは日本人観光客に慣れているだろうに、ちょっとこのリアクションの大きさにはびっくりであった。

ごみ収集の車に乗ってたおっちゃんなんか、わざわざ車を停めて、「何してんの~?」と聞いてくるし。…バス停に座っている人間がしていることは、聞かなくてもわかりそうなものだが。

そして、10時20分は、あっさりと過ぎた。まあね、これは、想定の範囲内ですよ。イタリアで、時間通りに来るバスにお目にかかれるなんて、思ってもいないわけですよ。

定刻を過ぎること10分。左の方から、青いバスがついにやって来た!

スッド・エスト線の日曜代行バス

来たーっ!マルティーナ・フランカ行きのバスっ!ハイタッチして喜ぶ我々姉妹。時刻表に掲載されているバスが来ただけで(しかも10分遅れ)、大きな感動が生まれる、南イタリア。

バスは、オリーブ畑の真ん中をさっそうと走っていく。ぽつぽつとトゥルッリが点在している。いやー、鉄道から見るこの風景もよいけど、バスでオリーブ畑の真ん中を突っ切るのも良いー!バスだと、アルベロベッロやロコロトンドのような町は高台にあり、その下にはずっとイトリアの谷が広がっている、というのが実感できる。

バスの車窓から見たロコロトンド

バスの車窓から撮影したロコロトンドの旧市街。

それにしても、道は一本道で、信号もほとんどなく、バスは、何の障害もなく、すいすいと走っていく。だから、それなりの距離があるのに、アルベロベッロから、隣町のロコロトンドまでは、わずか10分で到着してしまう。日本の都市部で、信号や曲り道などを縫って走るバスが、所要時間10分で進める距離とは段違いである。バスで10分であれば、アルベロベッロからロコロトンドくらいまでは軽く歩けるのではないか、と思っていたが、とんだ思い違いであった。

ロコロトンドを通過すると、バスの前の方で、日本語が聞こえたので見てみると、日本人女の子の二人組が、どうやらアルベロベッロで降車しそこねたらしい。話を聞いてみると、始発のバーリから、アルベロベッロに行く予定だったそうだ。我々は、マルティーナ・フランカは終点だからよいのだが、バス内のアナウンスは一切ないので、途中で下車するのは、それなりに難しいのだ。

彼女たちと一緒に、終点のマルティーナ・フランカで降りた。運転手さんに聞くと、反対方向のバスは、夕方まで便がないそうだ。タクシーでアルベロベッロまで帰るしかなさそうだが、イトリアの谷周辺では、タクシーをつかまえるのは困難だと聞いたこともある。バス停近くにはほとんど開いているお店もないので、とりあえず中心部まで一緒に行くことにした。

で、中心部って、どうやって行けばよいのね?

うーむ。地球の歩き方(のコピー)にも、このバス停のある通りは書いてないし。地元の人に聞きまくるしかないね!てなわけで、お兄さん二人組がいたので聞いてみると、「オレ達も今から中心部に行くから、ついてくるとよいさ!」とのだった。お兄さんズ、ありがとうっ!中心部に向かうには、とにかく、上へ、上へ坂道を上って行けばよいらしい。お兄さんズいわく、サン・マルティーノ教会がおすすめだそうだ。

さて、中心部のSettembre広場に到着すると、人、人、人っ!そのすさまじい人ごみの中心に、変なものがあった。

マルティーナ・フランカのイベント

変なもの。何これ。マルティーナ・フランカの人々は、わりと熱心にコレを見ていた。楽しいかなあ、コレ。何かのイベントをしているらしい。

このSettembre広場でさっきの女の子たちとは別れたが、広場近くのバールではタクシーを呼んでもらうことができなかった。このイベントのせいなのか、日曜日はタクシーは動かないのかはわからなかった。アルベロベッロに戻れるといいけどなあ…。

さて、広場右手の、この門をくぐって、マルティーナ・フランカの旧市街歩きである。

マルティーナ・フランカの門

それにしても、人、人、人。何でこんなに人が多いのだね?日曜日だからかなあ?よいのこっさで、人をよけながら、メインストリートであるヴィットリオ・エマヌエーレを歩く。この通りを抜けると、どどんと教会があった。お兄さんズ推薦の、サン・マルティーノ教会である。だが、日曜のためか礼拝中で、中には入れないようである。そこで、この教会は後回しにして礼拝が終わってから入ることにして、先に、旧市街の一番奥の方にある、カルミネ教会を目指すことにした。

で、サン・マルティーノ教会からカルミネ教会に行くには、旧市街を突っ切らなければならないのだが、…この旧市街が、迷路っ!今まで行ったことのあるイタリアの町で、一番迷宮状だったのはヴェネツィアだが、そのヴェネツィアを軽ーく超えちゃうような、迷路っ!

何てったって、狭い道の両側には、それなりに高さのある建物が続き、しかも、バロック調のベージュ色で統一されているため、一度曲がっただけで、どこがどこだかわけがわからなくなるのだ!こんな入り組んだ道では、地図も全く役立たず。おろー…。

そこに!さっき、バス停から旧市街まで連れて行ってくれたお兄さんズが現れて、手を振ってきた。おお!窮地でお兄さんズ!「カルミネ教会はどうやって行けばよいのですか?」と聞くと、「いいよ、連れて行ってあげるよ!」とのお答え!おうっ…何て親切なんだ(感涙)。

お兄さんズは、慣れた足取りで、迷路の中をすいすいと進んでいく。「ここを、こう行くんだよ。帰れるように覚えておきなよ」と言われたが、無理ー!目印なんて、途中でお兄さんズが「踏まないように注意!」と教えてくれた、道端の真ん中のウンコくらいだった。

お兄さんズについて行って、ようやくカルミネ教会に到着。カルミネ教会は、迷路状の街並みを抜けたところにあった。お兄さんズ、本当にありがとうっ!ちなみに、このお兄さんズは、サン・マルティーノ教会の近くに戻った時、またそこでぶらぶらしていた。イタリア男性の特徴とは、「女性好き」とか、「おしゃべり」とかいろいろあるが、「とにかくヒマそう」というのも、大きな特徴である。

さて、カルミネ教会。バロック調でゴテゴテしていて、外観はサン・マルティーノ教会に似ている。内部が美しいらしいので、中に入ろうとすると、こちらも礼拝中。そっかー、やっぱり日曜日に教会を観光するのは、礼拝と重なるので難しいんだなあ。ただ、普段は開いていない教会に入りたい場合は、礼拝のある日曜にしか入れないということもあるらしい。礼拝中だったので、写真を撮るのは控えて、カルミネ教会を静かに見学。

とりあえず、礼拝が終わりそうにもなかったので、カルミネ教会を細かく鑑賞するのは断念し、サン・マルティーノ教会の方へ戻ることにした。さて、誰が、迷路を元の道順通り、戻ることができるかな?いやー、全く、方向音痴の私はまだしも、姉も道など覚えられなかったよ!というわけで、やみくもに、ふらふらと迷路に迷い込む我々。カンだけを頼りに、歩き出す二人。あっちでもない、こっちでもない、をしながら、ようやくウンコのあった道までは戻れた(ウンコが目印かよ!)。

…が、ウンコの道しか記憶にないわけだから、ウンコの道からどう帰ればいいかは、全くわからないわけでありまして(ウンコと連発してしまって申し訳ない…)!

そこに、道沿いの建物から、ベビーカーを押した若い女性が出てきた!おお!窮地におねえさんwithベイビー!「サン・マルティーノ教会に行きたいのですが…」と道をたずねてみると、「私も同じ方向に行くから、一緒にいらっしゃい」とのお答え。マルティーナ・フランカ人は、本当にやさしいっ!おねえさんのおかげで、サン・マルティーノ教会前の広場に出ることができ、迷路脱出ー!

サン・マルティーノ教会は、ようやく礼拝が終わったらしく、人がちょうど出てきているところであった。それにしてもマルティーナ・フランカは、なかなか信心深い町なのか、どこの教会も礼拝者であふれていて、街中のお菓子屋さんは、その礼拝から帰る人たちで大混雑していた。礼拝に行った帰りにお菓子を買って、お昼ご飯のあとに、家族全員で食べるのがイタリア人の日曜の過ごし方、と前テレビで見たが、どうやら本当らしい。街中は、お菓子の包みを手にした人たちであふれていた。

サン・マルティーノ教会近くには、特に混雑しているお菓子屋さんがあったので、アルベロベッロで待っている母のためにおみやげを買うため入ってみた。味見のため、自分たちもその場で買って食べたが、非常に美味しかった!

マルティーナ・フランカのカフェ

「CAFEE TRIPOLI」というお名前のカフェ併設のお菓子屋さん。老舗のお店らしい。

さて、おいしいお菓子を食べたところで、サン・マルティーノ教会を見学するぞ!

サン・マルティーノ教会

これがお兄さんズ推薦の、サン・マルティーノ教会!どどんとしたバロック様式。

サン・マルティーノ教会のバロック装飾

バロックなので、扉の上は、こんな風にゴテゴテした装飾。バロックの特徴は、全体としてみると派手でインパクトが強いが、よくよく注視してみると、変な顔だったりすることである。細けぇこと気にするなよ!どどんと行こうゼ!って感じである。この装飾も、よくよく見ると、上の方の天使の顔はゆがんでてオカシイ。

サン・マルティーノ教会内部

内部は、意外とスッキリしていて、それほどゴテゴテしていない。

サン・マルティーノ教会の天使

が、こんな風に、何だかコミカルな天使くんたちがぶらさがっていたりするのが、バロックっぽい。私が思うに、バロック美術の人物は、「うぬぃ~」って感じの顔をしていると思う(語彙が貧弱でゴメンナサイ)。

サン・マルティーノ教会内部2

光が差し込んで、なにげに荘厳な雰囲気を醸し出している窓。

いや、なかなか、楽しいね、マルティーナ・フランカのバロック!迷路の中にも、もう一つサン・ドメニコ教会という、バロック教会があり、さっき通った時は礼拝で見学できなかったので、戻ってみた。すると、ちょうどこちらも礼拝が終わっていた。

サン・ドメニコ教会

こちらが、サン・ドメニコ教会。迷路の中に突然、何の断りもなく現れる大きなバロック教会。その登場の仕方そのものが、まさに「劇場的」と言われるバロックにふさわしい。

そして、この教会内部は、実に清らかでよかった!迷路の真ん中にある教会なので、迷路のカオスと清純な世界が、この教会の扉一枚によって隔てられているようだった。

サン・ドメニコ教会内部

心洗われる教会内部。

サン・ドメニコ教会天井画

清らかな、水色が映える天井画。いやー、サン・ドメニコ教会、気に入った!マルティーナ・フランカでナンバーワンにおすすめです!

さて、ここらへんで、ようやく姉は、マルティーナ・フランカの迷路の、だいたいの方角が頭に入ったようだ。ということは、ここから私は姉の後ろをよちよちついて行けばよいわけだね。楽勝♪…ところで、お腹が減ったね。お昼ご飯を食べようかね。

…どこで?

お昼ご飯は、どこか適当なバールでパニーノを食べる予定だったのだが、どこのお店にもパニーノを売っていない。というか、お菓子屋さんしか開いてないし!いくら礼拝後にイタリア人がお菓子を買うのが習慣と言っても、お昼時なんだから、お昼ご飯っぽいものを売ろうぜ!…しかし、どんなお店をのぞいても、スイーツしか売っていないのである。まさか、イタリアでパニーノにありつけない日が来ようとは。

マルティーナ・フランカのお昼ご飯にゼイタクをする予定はなかったのだが、仕方なく、姉が評判の良いお店と、調べていたレストランに行くことにした。少し旧市街の中心部からは離れているのだが、このままパニーノを求めてさまようよりは、場所がわかっているお店を目指して歩いた方が早そうだ。

Settembre広場から、Verdi通りを下って、右折して、Mercadante通りを進むと、右手の方にお目当てのお店「Osteria del Coco Pazzo」を発見っ!

オステリア・デル・ココ・パッツォ

何てかわいらしいお店っ!来てよかったっ!

ドアを開けると、背の高いウェイトレスさんが中に案内してくれた。内装もオシャレな雰囲気である。ウェイトレスさんは、普通の男前なピシッとした格好をしているのだが、注文を取りに来たシェフは、何だかオリエンタルの香りあふれる衣装で登場した。

「le delizie dell'Oste in bella prezenza」という、前菜の盛り合わせがオススメらしいので、こちらを注文することにした。シェフさんは「すごく量が多いよ」とか言っていたが、量が多いとは言っても、されど前菜。もう一品くらいは食べられるだろう、と、「第一の皿(Primo piatto)」からも、シェフがおすすめだという一品を、一皿注文した。(注:「le delizie dell'Oste in bella prezenza」は二人分からしか注文できません。メニューに書いてある12ユーロという値段は一人分の値段なので、二人分注文すると24ユーロです。)

そして、出てきた料理はっ!

前菜。

どんっ!前菜っ!美味しい~!

前菜。

どどんっ!まだ続くぞ、前菜っ!全体的に凝っているし、フランス料理に近い感じの創作料理という感じだ。イタリアでこんなオシャレなランチを食べたの初めて~!(まあ貧乏だからいつもパニーノだからな…)

前菜っ!

どどどどどんっ!

…食べ始めて、小1時間ほどが過ぎた。それにしても、いくら「多い」と最初に断られたからと言っても、あまりにも出てくる量が多すぎる。「第一の皿」は、シェフにおまかせ状態だったため、何を頼んだか覚えてもなく、おそらく、最後に出てきたパイ包みのようなものが、それだったのだろう、と考えた。もう、食べ過ぎて何にも胃に入らないよー!

歩いて旧市街に戻りながらカロリー消費しよー!というわけで、ウェイトレスさんに「お会計お願いします」と言うと、けげんな顔をされた。「…今、シェフがあなたたちのパスタを作っている途中ですが…」。ええーっ!?

シェフさんが出てきて説明してくれた。「今まで食べた分は全部「前菜」です。パスタが今から来ますよ」。………「前菜」って、「前」ですよね?プロローグですよね?まだ本題にも入ってないわけですよね?それが、こんなに巨大な量だとは!12ユーロってのも安すぎだろう!?絵に描いたようなカルチャーショックであった。お腹がいっぱいすぎて、次に出てきたパスタもかなり美味しかったのだが、最後まで食べきれなかった。もったいないオバケが出るよ、くすん。

というわけで、姉と、もうはちきれんばかりになったお腹をかかえて、フラフラと旧市街の中心の方に戻った。素直に来た道を戻らず、レストランのあるMercadante通りの上の方からすぐ迷路状の旧市街が始まるので、迷い込んで行った。迷宮都市では、迷ってなんぼである。

マルティーナ・フランカ旧市街

中心から離れた旧市街の迷路はこんな雰囲気。少し、中心よりもバロック色が薄いかな?でも、ほとんどの家にひとが普通に住んでいて、生活感が強く漂っている。ちょっと薄汚れたようなこの生活感が、ロコロトンドや、チステルニーノの迷路とは違う、マルティーナ・フランカの特徴だった。

ひたすら上って行くと、中心の方へ近づいて行った。

マルティーナ・フランカ旧市街2

中心の方に行くと、こんな風にバロック風味の迷路になって行く。

マルティーナ・フランカ古いお屋敷

こういう、古くてオゴソカなお屋敷もあったりして。執事とか、いじわるなお義母様とか出てきそうな雰囲気だ(意味不明)。

最後に、もう一度、サン・マルティーノ教会へと出てきた。サン・マルティーノの側面には、私が今まで見た中で、一番イケメンのイエスの絵がある。

イケメンイエス

サッカーのイタリア代表・ジラルディーノによく似たイケメン。もしイエスがこんな顔だったら、私もぜひ12弟子になりたいよ。福音書だって書くよ。ユダなんかプーだよ。だが、オレの考えではユダは裏切り者じゃない(私が最近ハマっている漫画がすぐバレそうな一文だな…)。

さて、ここからは、サン・マルティーノ教会の、「バロック変なものコンテスト」でもいたしましょうか。

サン・マルティーノ教会の聖人

エントリーナンバー1。首が、うにっとなっている、悲しそうな聖人。ハトが頭の上にとまっているときは、本当に切なそうだった。

何だかなあ

エントリーナンバー2。目がイッてる天使に囲まれた変な顔の誰か。もう、この溶けてしまいそうな感じが、バロックですよ。

うひょー

エントリーナンバー3。うひょー。やっぱり優勝はコイツか。

あひょー

横から見た図。あひょー。

帰りのバスは16時10分。コレに合わせて、バス停まで戻ると(ちなみに、降りたバス停と同じ場所から、バーリ行きの始発バスが出る。違う方向へ行くバスもあるのでご注意を!)、行きのバスの中で出会った、日本人の女の子たちがいた。結局、アルベロベッロには戻れず、マルティーナ・フランカ観光をしたらしい。

で、バスの切符を買いたいのだが、どこもお店が開いていない、とのことだった(我々はアルベロベッロで往復で買ってあった)。南イタリアはお昼休みが長く、夕方かなり遅くにならないと、開かないタバッキやバールが多いのだ。車内で買うのは難しいかもしれないなあ…。

時間通りにバスはやってきた(まあ始発だから当然)。運転手さんに、女の子たちが切符を持っていない旨を告げると、車内では買えない、と言われた。しかも、このバスは終バスだとか!

気の強い姉が「でも、お店が開いてないんだからしょうがなくないですか?」と英語で運ちゃんにプレッシャーをかけ、私が「この女の子たち、今日中にバーリまで帰らなきゃいけないんですよ!」と、オンナノコ見捨てるなんてイタリア男じゃないっ!と、イタリア語でプレッシャーをさらにかけると、乗せてくれた(おそらく終点バーリの切符売り場で切符を購入することになる)。

こういうハプニングが起きたとき、諦めてはならないことを、私に教えてくれたのは、今までのイタリア旅行のほろ苦い思ひ出の数々である。イタリア人は諦めが早いので、粘り強く、勢いよく交渉するのがコツである。

アルベロベッロで、女の子たちと手を振って別れた。いやー、マルティーナ・フランカ。予想以上におもしろかった!プーリア州の日曜日に遠足という暴挙に出てみたが、何とか無事に帰ってこれた。

宿泊しているトゥルッリに戻ると、母がのんびり待っていた。いろいろ、洗濯とか、料理の下ごしらえとかしてくれていた。休むように、と言ったのに、働き者気質だなあ。私の父も結構働きマンなのだが、私はどうして、こんなにナマケモノなのか。

母は、しかも、実用には向かないトゥルッリで上手く生活できるように、細かい工夫をたくさん凝らしていた。そういう一連の行為を、「こそくり」と呼ぶそうで、母が最も得意とするジャンルは、この「こそくり」だそうだ。というわけで、母のことを、今日から「コソクラー」と呼ぶことにした。

ちなみに、イケメンイエスの写真を見たときの母の感想。「…コレはあまりにもカッコよすぎるね」。

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