イタリア旅行記2012

2/25アルベロベッロ旅行記2 線路は続くよオリーブ畑

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アイア・ピッコラ地区の散歩から帰ってきて、昼食を取った後、母娘3人でうだうだしていたら、宿泊しているトゥルッリの外で、猫が鳴いているのが聞こえた。猫と暮らしたことのある人なら誰でも聞き分けることができる、明らかに誰かを呼んでいる声である。

こんな時、「はーい!(呼んだ?)」とむやみに返事をしたくなるのが(呼んでねえよ)、猫好きの人間である。ドアを開けて、「はーい!(しかも日本語)」で返事してみると、猫ちゃんが、隣のトゥルッリから出てきた!

アルベロベッロ近所の猫ちゃん

アルベロベッロ近所の猫ちゃん2

この子は飼い猫だね!飼い猫はやっぱりどことなく品があるね!

人懐こい子だったので、しばらく遊んでもらう我々3人。せっかく来てくれたのだから、ハムでもあげようかとも思ったのだが、ハムは塩気が多くて、猫にはあんまりあげてはいけないものだし、やはり飼い猫に食べ物を与えるのはやめようと、何とか自重した。
小一時間ほど母には休憩をさせることにして、私と姉は、お昼ご飯までまたアルベロベッロの町に繰り出すことにした。ホテル周辺の、モンティ地区を、のんびりとお散歩。

モンティ地区の街並み

プーリア州は天気の良い日が多いそうだが、それにしてもこの日は良い天気。早朝にもこのへんは歩いたのだが、日が完全にのぼって、強い日差しに照らされて、トゥルッリの外壁がキラキラしている。おみやげ屋さんなども開いていて、華やかで浮かれた雰囲気だ。

石畳になっている、メインストリートのような通りを上がっていくと、おみやげ屋さんの前に立っている客引きの女性が、急にパペットのような人形を取り出して、「アカズキンチャーン!」と日本語で話しかけてきた。

…あまりの唐突さにあぜんとしていると、そのパペットをひっくり返して、「オバアサーン!」、またひっくり返して(あるいは人形をとりかえたのか?)「オオカミー!」………。ええと。どう反応すればよいのだね?赤ずきんちゃんとアルベロベッロの関係性はあるのかね?…と思っていると、「ミルダケ、ミルダケー!」。…つまり、見るだけでよいから、店に立ち寄って行けと言っているのだね?

…ちみ、甘いよ。この、「荷物を増やしたくないから旅行でおみやげをほぼ買わない主義」の私が、しかも今回のイタリア旅行で最初の訪問地であるアルベロベッロで、あめ玉一個でも購入すると思うかね?しかも、ちみ、「見るだけ」とか、本当に店に入って、「見るだけ」だったら、ちみの得る利益はないのだよ?そんなことをちみが本当に思っているだなんて、信用すると思うかね?

…てなわけで、この売り込み女性の攻撃は、簡単に回避っ!

そのまま上の方に上っていくと、ハートに矢が刺さっている絵が屋根に書いてある、有名なトゥルッリの前に出た(サンタントニオ教会の近く)。写真撮影していると、近くのトゥルッリの中から「ジャパニーズ?」と言いながら、おばあさんが出てきた。堪能な英語で、自分は日本に行ったことがあるとか、白川郷(世界遺産の合掌造りの集落ですね)とか言い出して、その横に、お孫さんなのか若い女性がちゃっと寄ってきて、アルバムを広げ始めた。

どうやらアルベロベッロと白川郷は姉妹都市らしく、その交流で、このおばあさんは日本に行ったことがあるらしい。日本の雑誌にも掲載されたことがあるらしく、その雑誌の切り抜きも見せられた。

…話があんまり長いので、そろそろ上手に切り上げようかなーと思っていると、自分はおみやげ屋をやっていて、手作りの刺繍作品を売っているから、立ち寄って行けと言い出した。腕をひっぱるくらいの勢いで、かなり強引!よく見ると、「日本で有名な○○のお店」とかいう看板も立っていて、どうも日本人をターゲットにしているらしい。だいぶ強引だったが、こちらも「ノータイム、ノータイム!」と強めに振り切った。商売熱心なのはいいけど、何だかなあ。

今回の旅行でアルベロベッロを訪問することになり、事前にあれこれアルベロベッロの情報を調べた際、辛口な感想も目にすることがあった。その多くが、「おみやげ屋さんばかりでガッカリした」というような内容だった。

夏の旅行シーズンにアルベロベッロに行けば、私が旅行した2月よりも、ずっとたくさんおみやげ屋さんが開いているだろうし、その1つ1つが、日本人をターゲットにした強引な客引きをしていたら、確かに萎えるかもしれないなー。春夏にアルベロベッロに行く人は、静かに観光したい場合は、メインストリートは、人の少ない早朝や夜に歩いた方がよいかもしれない。

さて、屋根に不思議な絵柄が描いてあることの多いトゥルッリだが、私が気に入ったのは、このハトさんマーク。

鳩のトゥルッリ

羽を広げて、気持ちの良い青空に今にも飛び出しそうなイメージ。屋根に描かれた絵柄は、表す意味が謎であることもあるそうだが、おそらくこれはキリスト教の精霊をイメージしたハトさんであろう。

さて。姉との散歩の後、ホテルにいったん戻り、今度は母も連れて散歩に繰り出すことになった。次の散歩のテーマは、アルベロベッロの、有名どころをまわってみようぜ、の巻っ!

アルベロベッロは町歩きそのものが観光のような町だが、ガイド本に載るような観光名所も何か所かある。まずは、トゥルッリ地区の高台から見える、存在感あるデカい教会を目指すことにした。その名もサンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノの聖所記念堂。長っ!

地図で見ると、宿泊しているモンティ地区から遠いと思っていたのだが、歩いてみるとあっというまについた。本当にアルベロベッロはちっぽい。そんなちっぽいアルベロベッロにででーんと構えるサンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノの聖所記念堂っ!

サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノの聖所記念堂

ででーん!

中にも入ってみたが、特に感想はなかった。要するに、ででーんとしているだけであった。ででーん。

その後、唯一の2階建てトゥルッリと言われる、トゥルッロ・ソヴラーノを目指した。しかし、ここで疑問。「唯一の2階建てとか言うけど、私たちが宿泊してるトゥルッリにも、2階部分があるよね!?」

宿泊したトゥルッリ内部

こちらが宿泊したトゥルッリの内部の写真。ちょっとわかりにくいが、右端にある木製の階段を使って、

宿泊したトゥルッリの屋根裏

このように上に上がることができるのだ。

だが、これは正式な2階部分というより、屋根裏部屋である。このトゥルッロ・ソヴラーノには、トゥルッリ内部に、独立した階段部分があり、正式に2階と1階にわけられているらしい。それが、唯一無二の存在なのだそうだ。つまり、独立した階段部分…ハシゴっぽくない階段が重要なわけだねっ?

というわけで、トゥルッロ・ソヴラーノ。

トゥルッリ・ソヴラーノ

姉「ちっこい!」
母「低っ!」

…あんたたち、そんなにいじめっ子気質でどうするさ。トゥルッリだって、精一杯がんばっているのだよ。

トゥルッリ・ソヴラーノの扉上

こちらは、扉の上にかたどられたキリスト教モチーフ。2階建てトゥルッリなだけあって、お金持ちの住んでいたトゥルッリだったそうで、ちょいと教会的な役割も果たしていたとか何とかパンフレットに書いてあった…ような気がする(うろ覚え)。

中に入ろうとすると、ちょうど前の観光客が出てきたところだった。シーズンオフは訪問客も少ないので、お客さんのいない時はカギを閉めているようだ。

中に入ると、いい匂い。とりあえず、いいパンの匂い!当時の生活を再現しているそうなのだが、どこかにパンのある部屋がありそうだ。なぜだか、パン探しに躍起になる母娘3人。キッチンのような部屋で発見!パン粉がおいてあった!

さて。パンの香りの正体も突き止めたところで、このトゥルッリ・ソヴラーノの真骨頂である、2階部分を見せてもらおうか。

トゥルッリ・ソヴラーノの階段

これが、唯一無二の、トゥルッリ内部の独立階段っ!階段ばんざいっ!

で、2階に上がって、ちっぽい窓から外を見…降ろすつもりが、低っ!これで2階?母は「だからお母さんが低いって最初に言ったがね」と何故か勝ち誇っていた。

というわけで、下に降りて、入口近くの寝室部分を見忘れていたので、見学してから出た。ええと、感想を言いますと、トゥルッリ・ソヴラーノ、何て事はないけどかわいかったですよ。入場料も1.5ユーロだし。この1.5ユーロについて、姉は、「1ユーロだったら、安いっ!と思うけど、2ユーロだと高い。だから、1.5ユーロというのは妥当」と、50セント単位で値踏みしていた。

さて!本日の訪問予定が全部終わっちゃったよ!アルベロベッロって本当に本当にちっぽいなあ。コルトピサイズの町だよ(コルトピを知らない人はスルーして下さい)。で、まだ明るいんだけど、どうするよ?

我々母娘3人は、昨日ロコロトンドに行くときに乗ったスド・エスト線から見えた、「オリーブ畑にぽつぽつとあるトゥルッリ」という風景がどうにも忘れがたく、「トゥルッリ集落を少し外れてみたら、その風景にあえるかもしれない!」と踏んで、やみくもに集落から離れてみることにした。アルベロベッロのような小さい町だからこそできる、やみくも歩き。

トゥルッリ・ソブラーノの後ろの通りを、やや駅方向に歩くと、学校みたいなものがあったので通過。ぽちぽちと、単独で建っているトゥルッリがいくつかあったので、そのまま進んでみると、ずっと前方の方に、何だか踏切らしきものが!スド・エスト線の線路近くまで行けば、オリーブ畑があるはず、と、踏切を目指してみる。

すると、ビンゴ!オリーブ畑出現!遠方には、トゥルッリも見える!ちなみに、トゥルッリって、お菓子のアポロに似ている。とんがりコーンにも似ている。それから、工事現場とかのあの三角ポールにも似ている。クラッカーにも。サンタの帽子にも似てるな。メガホンも仲間だろう。要するに、三角錐であれば何でもアリだ。

と、その時、踏切の遮断機がゆっくりと降りた。…本数が少なく、「幻の」と呼ばれる(呼ばれてない)スド・エスト線が、まさかこのタイミングで通過するのかっ!?姉さんっ(姉はカメラ係)!カメラの準備はよいですか!?

スド・エスト線来たー!

走るスッド・エスト線

青空、緑のオリーブ畑、赤い電車!絵だね!

しかも、反対側から、また来たー!

走るスッド・エスト線2

まるで、鉄ちゃんのように、走る電車を必死にカメラにおさめる姉。幻のスド・エスト線が2度も通過するなんて、私たちは大ラッキーではなかろうか!電車が通過するだけで、こんなに幸せな気分になったのは初めてだよ!

CIMG2144_convert_20120324014340.jpg

こちらは、オリーブ畑と、トゥルッリと、線路の組み合わせ技。何だか、スタンド・バイ・ミーを歌いたくなるような気分だが、「ダーリン、ダーリン」の部分しか知らないので歌えなかった。

線路のあちら側に、朽ちたトゥルッリが、オリーブ畑の真ん中にぽつねんと建っていたので、どうしても近くに行ってみたく、ちょっと足場が悪かったが行ってみた。もう、この母娘3人、秘密基地を探す悪ガキ気分である。

踏切を渡る時、こんなにトゥルッリ密集地帯から離れたところに来る観光客はほとんどいないので、通りかかった車が、もの珍しそうに我々を眺めていた。というか、何度も手を振られた。相手は、おじさんだったり、おばさんだったりなので、イタリア名物のナンパではない。プーリアの人は本当に人懐こいのだ。

オリーブ畑と廃トゥルッリ

こちらが、線路の脇にぽつんとあった、オリーブ畑の中のトゥルッリ。廃墟のように見えるが、もしかしたら、現役の作業小屋として使われているのかもしれない。何ともよい雰囲気を醸し出していて、このトゥルッリをぼーーーーと眺めていた。。

母がふと言った。「このオリーブ畑、あっち側は柵にカギがしてあるね」。…柵にカギ…。どう考えても不法侵入だな、これ。線路側の、道ともいえない道から入ってしまったので、何というか、中に入れちゃったんだよ!こりゃ、オリーブ泥棒に間違われる前に退散するが吉だね。というわけで、また線路側から、退却ー!

来た道を戻って、中心部へと戻った。途中まつぼっくりがたくさん落ちていたので、小さい頃よく歌っていた、まつぼっくりの歌を歌った。母と話してみると、どうやらこの歌は、ちょっとパクリが入っているが、私の作詞作曲した歌だということが判明した。自分で言うのも何だが、結構才能を感じる歌である。

曲をここで披露できないのが残念だが、歌詞は、「猿がまつぼっくりをひりぃました。その時よ…」という歌詞である(ちなみに歌詞はこれだけ。これで全て)。「ひろいました」でなく「ひりぃました」なのがオシャレだし、「その時よ…」と、非常に先が気になる終わり方をしているのも、余韻を残していて秀逸だと思う。

ホテル近くまで戻ると、念願の、「トゥルッリの屋根の上の猫」に二連発で遭遇した。

トゥルッリの屋根の上の猫

トゥルッリの屋根の上の猫2

2枚目は、午前中に会った、ホテルの隣のトゥルッリで飼っているらしき猫ちゃん。素敵な寝床をお持ちですな!

プーリアは、本当に空がきれいで、この日も、夕焼けも、夜空も最高にキレイであった。特に、夕焼け直後の暗くなった空は、紺色で、今まで見たこともないような色であった。

トゥルッリの上の月と星

紺色の空に浮かぶ月と星。

というわけで、本日は日の出から日の入りまで、たっぷりアルベロベッロを堪能した一日であった。明日は、スド・エスト線の代理のバス(←これについて詳しくは次回)に乗って、遠足に行くだよ!

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