3/19フェラーラから帰国 ボローニャ空港の再びの裏切り

本日は帰国日。

我々にとっては帰国日なのだが、フェラーラでは、マラソン大会が開かれる日らしい。レッチェ滞在中もマラソン大会が開かれていたが、イタリアではマラソンブームなのだろうか。しかし、石畳の道を走るのは足の裏に負担が来そうだが、イタリア人はそんなヤワではないのだろうか。

フェラーラには空港がないので、ボローニャ空港を利用する。フェラーラからボローニャ空港まで、1時間の直行バスが出ている。

しかしこのバス、本数が少なく、飛行機の時間より1時間前の到着となる。ボローニャ空港からはローマ空港まで飛び、ローマでまた成田行きに乗り換えるので、ボローニャから搭乗するのは国内線である。そう考えれば、1時間前の到着でもよいとも言える。

だが、姉と私は心配性なのだな。バスは渋滞に巻き込まれると、時間通りには到着しないし、万が一何かあった場合、1時間しか搭乗までの時間がなくては、保険にならない。

そこで、楽ちんな直行バスは諦めて、ボローニャ駅まで鉄道で行き、ボローニャ駅から空港までバスで行くという方法を取って、やはり飛行機離陸の2時間前には空港に到着しておくことにした。実は、この方法でも、乗り換えが面倒なだけで、所要時間はあまり変わらない。

我々が購入してあるフェラーラカード「MyFE」の欠点は、市内バスがフリーパスにならないことである。その代わり、タクシーが割引料金になる。「MyFE」をしぶとく使い倒したい我々は、スーツケースもあるし、ホテルからフェラーラ駅までタクシーを使うことにした。

タクシーの運転手さんには「このままボローニャ空港まで行きますか(With期待の眼差し)?」と言われたが、「いえ、フェラーラ駅までです」。エステンセ城近くくらいから乗って、フェラーラ駅までは€11~12だった。「MyFE」の割引率は10%引きで、€10.5となった。

フェラーラ駅

フェラーラ駅に停まっていたこの電車は、エミリア・ロマーニャ州専用の電車であった。最近のトレニタリアは地方分権(?)が進み、各州ごとに州の名前が入ったかわいらしい電車が走っている。

フェラーラからボローニャ

フェラーラからボローニャまではわずか30分弱。エミリア・ロマーニャ州特有の平原が延々と続くが、ずっと見えていた背の高い木が気になった。気になる木。何の木だろう。トスカーナ州のシンボルが糸杉なら、エミリア・ロマーニャ州のシンボルはこの木なのだろうか。

エミリア・ロマーニャ州

途中からは、いかにもエミリア・ロマーニャ州らしい、もやがかった風景となった。エミリア・ロマーニャ州の湿気の多さは、日本顔負けなのではないか。私はひそかにイタリアで最もしっかりした都市・ボローニャのことを「イタリアの日本」と呼んでいるが、こういう湿気まで似ているのが可笑しい。

ボローニャ駅

4年ぶりのボローニャ駅は、すっかり小ぎれいになっていた。最近のトレニタリアの頑張りっぷりを見ていると、私も頑張るぞと思えてくるぞ。姉「あのね、トレニタリアが綺麗なのも、リニューアルしたばかりの今だけだってば」。

それにしても、ボローニャ駅のスサマジイ人混み…。実は、コレ、想定済みである。今、ボローニャでは見本市が開かれているのである。空港バスのバスチケットはどこで買えばいいんだろ。

ボローニャ駅構内のタバッキに、信じられないほど長い行列ができている。まさか、コレ…?行列の最後の女性に、イタリア語で「ここは空港バスのチケットを買う列ですか?」と聞いてみると、英語で「アイキャントスピークイターリアン」と言われた。見本市の国際力。

そこにちょうど警察が通りかかったので、「空港バスのチケットを買うにはここに並ぶ必要がありますか?」と聞いてみると、「バス内で買えるよ!心配ない!バス乗り場はあそこだよ」と、バス停まで教えてくれた。助かった~!どうやらこの長い行列は、見本市まで行くバスの切符を求めている行列らしい。

ボローニャ 空港バス

こちらが、空港バスの乗り場。

この写真は、バスの中から平和に撮影したのだが、実はこの空港バス乗り場には、ジプシーがたかっていた。乗り場にチケットの券売機があるため、その操作方法を外国人(おそらくほとんど見本市の客)に教えて、小銭を稼ごうとしているのだ。

ジプシーは、私たちにも声をかけてきたが、バス内で購入できることを聞いていたため、ジプシーをスルーして、バス内で運転手さんから切符を買った。このボローニャの空港バスは、バス内で切符を購入しても、タバッキや券売機での値段と変わらないのである(€6)。

しかし、前回のボローニャ滞在では、ジプシーの姿は見なかったので、見本市の時だけ、フィレンツェあたりから出張してくるのかなあ。このジプシーたち、警察が見回りに来ると、ササササーッと蜘蛛の子を散らすようにいなくなっていた。

ボローニャ

見て下さい、このボローニャ駅での行列。もう、バスチケットを求めてるんだか、タクシーに並んでるんだかワケがワカラナイ。しかし、見本市は定期的に開かれるんだから、もう少し対処法はないものか。私のボローニャへの多大な(しっかりキャラとしての)期待が、薄れていってしまうぜ…。

ボローニャ空港

4年ぶりのボローニャ空港も、かなり美しくなっていたが…

ボローニャ空港

またもや、大・大・大混雑!!!ローマ行きのアリタリア航空のチェックインカウンターに並んだが、長蛇の列は、なぜだかピクリとも前に進まない。開いているカウンターが少なすぎるのだ。

せめて、もしわかりそうだったら、発券だけでも先にやっておこうと、姉に列に並んでおいてもらって、自動発券機を触ってみると、無事に搭乗券を発券できた。でも、荷物預けなきゃいけないから、このまま並んでなきゃいけないのよね…。

私のその様子を見ていた、私の前に並んでいたイタリア人女性が、「私も発券してきたいから、荷物を見ていてもらえるかしら?」と声をかけてきた。もちろん承諾したが、何だか、すっごく戸惑っているぞ…。

彼女が操作している発券機は「スタッフを呼んでください」状態の画面になってしまった。だが、スタッフなんてどっこにもいない。どうなってるの、ボローニャ空港!諦めた彼女は、もう一台の発券機を操作したのだが、そちらも同じ状態になってしまった。これで、もう誰も自動発券機を使っての発券ができない件!

ボローニャ空港には2時間半以上前に到着したが、1時間半は、行列がピクリともしないうちに過ぎてしまった。ボローニャ空港で、ちょっとお土産を買い足したかったのに~!!!

ていうか、ボローニャ空港、実は4年前もこうだったのだ(→3/18エピローグ ボローニャもイタリアだった…)。見本市のせいかもしれないが、ボローニャ空港は、私の中でダメ空港という烙印が押された。

搭乗時間まで30分となった。我々は2時間半前にはここに並んでいるので、ローマ行きの飛行機に乗る人たちの中では、行列の前の方にいるはずだ。どうせ搭乗手続きが始まらないんだったら、フェラーラからの直通バスを使って、1時間前に到着すれば良かったよ!

30分を切ると、ようやく空港職員が焦り始め、カウンターの数が増えた。スタッフが「既に搭乗券を発券している人はいますか~?」と行列に呼び掛けたので、搭乗券を見せると、搭乗券を持っているのは我々と、あと数名だけだった。だって自動券売機が壊れてるもんね。これは、カウンターでみんな発券もするので、確実に出発は遅れるな。

搭乗券を持っているメンツは、別のカウンターに並ばされたが、そこに一組、異様な時間がかかる人たちがいて、結局順番が回ってきたのは、普通の行列の人たちと変わらなかった。私はこういう時に、最近イタリアで怒りを感じなくなってきた。諦めの境地である。姉はまだイタリアに期待があるらしく、憤怒していた。

結局、スーツケースを預けられたのは、搭乗5分前だったが、明らかに我々の後ろにもローマ行きの人たちの長蛇があったので、もともとの出発時間にテイクオフできるわけがない。そこで、搭乗時間にはなっていたが、搭乗口までの途中に会ったVenchiというチョコレート専門店で、買い物してしまった。結局、買い物ができてヨカッタよ!

飛行機は15分遅れての出発となったが、ローマでの乗り換え時間は2時間以上取ってあるから、問題ない。やっぱりこういうことがあるから、乗り換え時間は長い方がよいとつくづく思った。

ローマの空港

ローマのフィウミチーノ空港で「ふうー」と一服。

ローマから成田までは、アリタリア航空である。往路と同じように、復路も機内食の味が回復していた。

アリタリア航空機内食

この和食は、かなり美味しくて感動したよ!イタリアから積み込む和食だからどうかな、と思ったが、期待以上だったよ!

アリタリア航空機内食

朝食のヨーグルトには、姉も私も大好きな、Vipiteno社のヨーグルトっ!アルト・アディジェ州のヨーグルトらしいが、これが一番口に合うのよ~!画像が粗くて、ロゴがよく見えなくて申し訳ないっ!

アリタリア航空

アリタリア航空の機内ゲームに、空港のチェックインカウンターで、いかに間違えずに荷物にタグをつけるかというゲームがあったので、ボローニャ空港へのスタッフへの厭味を込めて、「こんなの簡単だろ!」とやってみた。ら、レベルが上がると難しくて、途中でやめた。

すまん、ボローニャ空港。結構大変なんだね。しかし、私をかばっておくと、私はゲームを買ってもらえない家で育ったので、同世代の人たちと比べると、ゲームの腕前の偏差値は30くらいなのである。

アリタリア航空のイタリア人機長は、最後に「マタノゴリヨウオマチシテイマス」と日本語で挨拶をして、機内の日本人ほぼ全員をほっこりさせていた。どうしてネイティブでない人の日本語って、こんなにほっこりするのだろうか。

成田空港に着くと、外国人の入国審査が長蛇の列になっていて、日本に外国人観光客が増えていることを実感した。ぼんやりと後ろに並んでいると、係員が「日本人の方は『再入国』の方に並んでくださーい!」と誘導しに来た。そっか、再入国になるのか。

さて、これにてイタリア旅行2017は終了である。ワタクシ的には、次はチンクエテッレという気持ちが強い。しかし、しかしである。2018年4月に終了するはずだった、愛の小道の工事が、まだまだ先延ばしになったようなんだぜ…。まだまだ愛まで遠そうだ。(イタリア旅行記2017完)