イタリア旅行記ブログ イタリア旅行は楽し

イタリア旅行大好きの管理人が、実際にイタリアに足を運んだ経験・情報に基づいて、イタリア旅行情報を発信してます。
旅行記や個人でのイタリア旅行のコツ、サッカー観戦情報もございます。

Top Page > イタリア旅行記2015(シチリア旅行記)

3/21アグリジェント8 エクセレントな鉄道駅

<今回のイタリア旅行記メニュー>
●アグリジェント市街地


 州立考古学博物館からのバスは、バスターミナルの前に、鉄道駅前で停車した。本日は、パレルモまで鉄道を使って帰る予定なので、切符売り場などを確認しておくために、我々は鉄道駅で降りた。

アグリジェント
 こちらがアグリジェント中央駅の外観。なかなか立派。

 駅の構内に入ると、お昼だから閉まっているのか、切符売り場が見当たらない。駅構内にバールがあり、そこにTrenitalia(イタリア国鉄。FSとも言う)のステッカーが貼ってあった。中に入ると、真面目そうなお店の方がいたので、聞いてみると、ここで鉄道切符を購入できるとのことであった。

 しかし、そこで油断してはならないのが、南イタリア。我々は、午後2時くらいの電車でパレルモに向かう予定なのだが、その2時くらいに、このバールがまだ開いているとは限らない。南イタリアは、お昼休みをたっぷり取る習慣があるのだ。それで、「お昼休み(シエスタ)は取りますか?」と聞くと、真面目そうなスタッフさんは、生真面目に「NO」と答えた。ヨシ!これで出発前に切符を買えるね!

 そんなに不安なら、今切符を買っときなよ、とお思いになるかもしれないが、アグリジェントからパレルモに行くには、鉄道とバスの二通りがあるのだ。シチリア島の鉄道は、遅れまくることで有名なので、もし、常識の範囲外の遅延が発生していたら、バスを利用するために、ギリギリまで切符は買わないんだよ。本当に、これまでのイタリア経験が、我々を用心深くしてくれたんだぜ。

 さて。アグリジェントでは、市街地の方に宿泊したのだが、全然市街地を歩いていない。まあ、アグリジェントと言えば神殿の谷だし、市街地は、さほど見どころがあるわけではない。それでも、せっかく市街地に宿泊したんだから、ほんの少ししか時間はないけど、ちょっとだけ歩いてみることにした。

 姉が以前、「新しい町に行ったら、その町のドゥオーモに挨拶するのが筋ってもんだよ」と言っていたことに、軽く感動したことがある私は、「ねえ、ドゥオーモに行こうよ」と、姉に提案してみた。

 すると姉からは、「遠いから却下」という無下もない返答が来た。えっ?それが筋ってもんじゃないの?姉いわく「それは、訪問する価値のあるドゥオーモを持っている町の場合だけだよ」。…姉のこのポリシーは、大したものではなかったことがこの時判明した。私の軽い感動は、無駄な感動であった(軽い感動だったんなら別にいいじゃん)。

 その代り、パレルモで好きになった、セルポッタ作の彫刻があるという、サント・スピリト教会に行ってみた。裏道のような細い坂道を、えっちらおっちら上って行ってみた。が、閉まっていた。ま、よくあることである。こんなことくらいで傷ついたりしないさ。

アグリジェント
 サント・スピリト教会に向かう途中の路地で出会った猫ちゃん。「教会は閉まってるんだから、ボクと遊んで~」という目でこちらを見ているのだが、残念ながら、あんまり時間がないんだよー。ごめんね、猫ちゃん!

 路地から大通りのアテネ通りに戻ってくると、ちょうど、プルガトリオ教会が開いていたので、サッと中に入ってみた。

アグリジェント
 こんな感じで、なかなか美しい内観だったのだが、この教会、むしろ外観の方が美しいんだよ。でも、写真撮り忘れたんだよ。ホラ、急いでたから!ていうか、私は、よく旅行で写真を撮り忘れる。私の忘れっぽい性格と、写真への情熱の無さが合わさって頻発する現象である。

アグリジェント
 こちらは、アグリジェント市街地のメインストリート、アテネア通りである。通り名が、ギリシャ神話の女神由来であるのが、さすが古代ギリシャ由来の都市って感じで面白い。同じく、古いギリシャ植民都市であるシラクーサも、古代ギリシャ由来と思われる通り名や、広場名が多かった。

 このアテネア通りのバールでお昼ごはんを食べたのだが、残念ながら美味しくなかった。食べるものに贅沢を言ってはいけないが、イタリアで美味しくないものに遭遇するのは珍しいので、しょぼーんとしてしまう。やっぱり、多少歩いてでも、昨日入って美味しかった、アルド・モーロ広場の、「Bar Milano」に行けばよかったなあ。

 お昼を食べたら、そろそろパレルモに向けて出発である。宿泊したB&Bは、チェックアウトの時間が午前中だったので、スーツケースを預かってもらっていた。スーツケースを取りにB&Bまで行き、オーナーと猫ちゃんに挨拶して、お別れした。

 たった1泊のアグリジェント。何気に、鈍足の我々では、1泊では足りなかった。神殿の谷も、ヘレニズム期地区が歩けなかったし、市街地の方を見学する時間もなかった。しかし、最初は、パレルモからの日帰りにする案もあったのだ。日帰りにしなくて本当によかった。

 これからパレルモに帰り、明日は帰国の日なので、これでシチリア観光はだいたい終了である。それにしても、今回のシチリア旅行は忙しかったなあー。それでも平均からしてみれば、ゆったり日程なのだろう。しかし鈍足の我々にとって、平均というものが何の意味を成すのか。平均とは何か(哲学する気はないので平均の話終わり)。

 スーツケースをごろごろ転がして、アグリジェント鉄道駅に向けてゆっくり歩いた。電光掲示板を見てみると、電車の遅延は生じていない。ヨシ。電車で帰ろう。

 先程、切符を売っていることを確認しておいた、駅構内のバールで切符を購入した。FS線の切符売り場で購入した時に受け取る、細長い切符とは違う、ちょっと小さ目の切符を渡された。まあ、これでも乗れるんだろう。

 アグリジェント鉄道駅の構造は面白くて、ホームが1階だか地下だかわからないのだが、とにかく正面入り口やバールのあるフロアから、一つ下に行ったフロアがホーム階になっている。イタリアで、こういう構造になっている鉄道駅は珍しい。

 きちんとエレベーターがあり、それを使ってホーム階に降りることが出来る。スバラシイ。イタリアでエレベーターがあって、かつ使える鉄道駅は珍しい。

 そんな珍しいアグリジェント中央駅のホームは、非常に綺麗であった。

アグリジェント

アグリジェント

アグリジェント
 南国風の樹木が植えられていて、電車との色合いもバッチリで、アマルフィの大聖堂の「天国の回廊」みたいな、南国風のパラダイス的な雰囲気を醸し出している。利用客もほとんどいなくて、静かで妙に雰囲気が良い。大らかなゆったりした時間が流れている。

アグリジェント
 何と、駅構内に教会があった。他にも、コインロッカーやホテルまでついていた。ちょっとビックリの至れり尽くせりの駅なのだが、なぜだか利用客が少ない。シチリア島内は、バス移動をする人が多いようだ。ちなみに、コインロッカーは一応あることはあるのだが、「使えなかった」というクチコミを結構目にするので、あまり当てにはしない方がよいかもしれない(我々は使わなかったので)。

アグリジェント
 トイレは有料だったが(50セントだったかな)、50セント以上の硬貨が使えなかったので、駅の係員さんが待機している場所に行って、両替してもらった。で、有料なだけあって、綺麗であった。綺麗なトイレだったので記念撮影もしたよ。

 うろ覚えなのだが、アクリル張りの、個室ではなくトイレ全体の出入り口から出る際、黒いボタンを押さなければ出られなかった気がする。これが、ちょっとだけわかりづらかったので、トイレに閉じ込められないように注意されたし。何たって人の少ない駅なので、アクリル張りなので、あちら側は見えているのだが、ホームに人がいないので、助けを求められないのだ。

 そんなわけで、時間通りに出発した電車に乗り、アグリジェントを後にした。あー、これでシチリア旅行も終わりだなー。初めてのシチリアで最初はビクビクしていたけど、平和裏に終わりそうじゃないの。

 …と、気が緩んでいる時に、ハプニングはその心の隙間に忍び込んでくるのである…という、ちょっと意味深な一文で、次回に続くとしよう…。

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3/21アグリジェント7 壊す力と守る力

<今回のイタリア旅行記メニュー>
●州立考古学博物館(後半)


アグリジェント
 さて。ごろろんぽ(テラモーネ)の本物にも対面したことだし、アグリジェントの州立考古学博物館の後半戦だよ。後半戦の始まりが、こんな変なオヤジでごめんよ。こんな変なオヤジを、わざわざ苦労して作った古代ギリシャ人も、まさか2000年以上もこいつが保管されて、大事に博物館に収蔵されるとは思ってもいなかったに違いない。

 しかし、このオヤジ…頭に、何か活けられるようになっているよねえ…花瓶かな?このオヤジの頭に、お花とか活けたら、本当にどうしようもない、ふざけたビジュアルになってしまうと思うのだが…。

アグリジェント
 古代ギリシャ人が遺したもののメインといえば、あんなオヤジではなく、こういう、いかにもギリシャって感じの彫像だろう。ギリシャ彫刻の美しさは、何と言ってもその調和のとれたバランス感覚、プロポーションにある。一部が欠けていたとしても、妙に安定感があるのだ。

 この、頭部や腕が欠けてしまっている彫像だが、この彫像がどんなポーズをとっていたかは、すぐ想像ができた。というのも、ギリシャのロドス島にあるという、髪を洗う姿のアフロディーテ像の写真を見たことがあるからである。

 おそらく、この彫像もロドス島のアフロディーテと同じように、片膝をつき、両手でウェーブの髪の毛を、ツインテールのようにくしゃっと掴んで小首をかしげた、チャーミングなポーズをとっていたのだと思われる。

 ギリシャ神話の、愛と美の女神アフロディーテのポーズといえば、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」で、ヴィーナスが(ヴィーナスはアフロディーテと同一視される女神)とっている恥じらいのポーズが有名だ。あのポーズは、ボッティチェリのオリジナルではなく、古代ギリシャの彫像でも、よくアフロディーテがとっているポーズである(って、シラクーサの旅行記でも書いたな)。

 で、このロドス島の、髪を洗っているようなポーズも、アフロディーテのポーズとして、よく作られていたポーズらしい。

アグリジェント
 このアグリジェントの州立博物館にも、もう一つ、髪を洗うポーズのアフロディーテの、小さな像が展示してあった。女神に、お決まりのポーズがあるなんて、ちょっと面白い気がするが、現代日本の漫画やアニメのキャラクターにも、決めポーズというものがあるから、わからなくもない。

 それにしても、ロドス島のアフロディーテ…見てみたいなあ…。

アグリジェント
 イタリア南部や、エトルリア由来の都市など、古代ギリシャ文化の遺跡が多く残る町の博物館で、よく目にするのが、この一見性別不詳の、あっかんべえしている顔である。この愛嬌のある顔は、実はメドゥーサである。

 メドゥーサは、ギリシャ神話ファンにはおなじみの、怪女である。髪の毛が蛇で、恐ろしい形相をしていて、その姿をまともに見たものは、石に変わってしまうと言われている。勇者ペルセウスが、その姿を見て石にならないように戦う作戦として、盾に映った姿を見ながら仕留めたというのも、有名なエピソードである。
 
 驚くことに、前述したように、メドゥーサの像や絵柄には、古代ギリシャの遺物を展示している博物館でよく遭遇する。なぜ、そんな怪物の姿を、古代人はせっせと描いたり彫ったりしたのだろうか。

 実は、メドゥーサは、「恐い」というイメージだけではなく、「守り神」としての役割を担っていたらしい。実際、勇者ペルセウスは、メドゥーサの首を切り落として仕留めるのだが、その後、その首を使って他の怪物と戦ったりする。何せ、相手がそれを見ると、石に変わってしまうのだ。

 つまり、メドゥーサそのものは恐いし、反・世界的な怪物なのだろうけど、「頭だけのメドゥーサ」ってのは、おそらく世界を守るための武器、つまり、世界の味方なのだ。実際、シチリアのシンボルの三本足だって、真ん中にメドゥーサの頭がある。シチリアを外敵から守るためのお守りなのだろう。

 このへんは、日本の「鬼瓦」にも通じるものがある。本来、鬼は人間の敵であるはずなのに、その強大なパワーを、人間を守るために利用しようという考え方だ。

 話が飛躍しすぎるかもしれないけど、人間の文明を発展させてきたエネルギーも、一歩間違えれば、その文明を破壊するだけのパワーを秘めている。火も水も電気も原子力も、全て、武器としても使えるものだ。強大なパワーの二面性というものは、はるか古代から、人間が気づいていたものなのだろう。

 このアグリジェントの博物館は、見どころも多く、なかなか広さもある。アグリジェントに、パレルモから日帰りで来る観光客もいるが、神殿の谷も広いし、博物館も広いので、日帰りでは結構タイトなスケジュールになるのではないかと思う。

 そんなわけで広い博物館、お昼すぎには市街地の方に戻る予定なので、姉と、お互いに見たいものをじっくり見るために、別行動を取ることにした。

 私が気に入って、ずっと見続けていたのはこちら。

アグリジェント
 何かの像の、頭部の一部だけが残っているもの!これだけでは、何が何だかわからないけど、おそらく女性?しかも、めっちゃ美人!
 
 古代の像は、頭部や腕などが失われているものが多いが、逆にこれは頭部だけが残っている。しかし、美しいっ!端正で、私がギリシャ美人と言った時に、頭に浮かべる顔そのものだよ!個人的には、この顔は、女神アルテミスのイメージである。

 私が、この美人にうつつを抜かしている時に、姉がじっくり見ていたものは…

アグリジェント
 通称「アグリジェントの青年像」と呼ばれる像の…

 アグリジェント
 …お尻!

 だって、そうだったんだよ!私が、姉を見つけて、「何見てるの?」と聞いたら、「この人のお尻」って答えたんだよ。姉いわく、この作品はお尻がいいんだそうな。うーん、そうかな。

アグリジェント
 しかしまあ、像のお尻を熱心にウォッチングしている姉を見つけた時の、妹の気持ちを少しは考えてほしいぜ。

アグリジェント
 あと、非常に保存状態の良い、この大きな壺はかっこよかったなあ!大きな部屋の中央に展示されていた壺である。

アグリジェント
 右側の兵士、何となく女性っぽい感じがする。おそらくだが、アマゾネスとの戦いを描いた絵ではないかと思われる。

 アマゾネスとは、アマゾンとも言われるが、ギリシャ神話に登場する、女性だけの部族である。もちろん軍隊も女性だけで、非常に強かったらしい。基本的には、ギリシャ世界の敵として登場する。

 このアマゾネスという部族が、実在したかどうかは不明らしい。実在した女系部族が、誇張した形で神話化されたのでは?という説もある。

 古代ギリシャは、男尊女卑の考えが強い。古代ギリシャは、男性どうしの同性愛がさかんであったことで知られるが、それも、女性は下等な生き物だから、恋愛の対象ではない、という側面を表しているとも言われる。

 そんなわけで、アマゾネスが古代ギリシャにとって、悪者として描かれる背景は揃っている。男尊女卑のギリシャ世界にとって、アマゾネスは、自分たちの価値観を揺るがす、とんでもない悪なのだ。

 しかし、現代人にとって、強靭な女性軍ってのは、何ともセクシーなモチーフである。ことに、ここ数年の日本のサブカルチャーでは、「戦う女性」のモチーフは、男女問わずに好まれている傾向にあると思う。戦いがストーリーの骨格に組み込まれている漫画やライトノベルなどで、女戦士が登場しない物語は、今ほとんど無いのではないか。

 昔は、女性は「南を甲子園に連れてって!」みたいな感じで、見守る、もしくは声援を送るだけの存在として、登場することが多かった。おそらく、時代が変わっているのだ。女性だけでなく、男性も、中性的な男性が人気を博するようになった、と言われて久しい。男も女も中性化が好まれる時代である。アリストテレスの中庸だね(違うから!)。

アグリジェント
 それにしても、この壺絵の出来はスバラシイ。この兵士の躍動感も見事だ。

アグリジェント
 勝負がつきそうな、この場面の緊迫感も素晴らしい。槍で一突きされて、おそらく終焉を迎えるであろう右側の戦士(アマゾネス?)の無念さが、伝わってきそうなリアリティである。

アグリジェント
 そうかと思えば、こんなすっとぼけた可愛らしい壺があるのも、古代ギリシャ壺絵の魅力っ!

アグリジェント
 「私、笛吹く人。あんた、踊る人」。右側の人の踊り、何か、フィギュアスケートっぽい。

アグリジェント
 かなり意味不明だが、とりあえず楽しそうな壺。

アグリジェント
 〆は、私の大好きな、女神デメテルの頭部。デメテルは、大地の農耕の女神で、ギリシャ神話の女神の中では、比較的、アイタタタ系エピソードの少ない女神である。

 コレ、遠くから見た時に、何となくデメテルっぽいな、と思ったのだ。何となく、ミディアムからセミロングの髪の毛を垂らした、柔和な雰囲気がデメテルである。でもデメテルだって、怒るとコワイよ!地上が冬になっちゃうんだよ!

 そんなわけで、見どころいっぱいだった、アグリジェントの州立考古学博物館。やっぱり、アグリジェントは1泊してヨカッタ。パレルモからの日帰りで、神殿の谷と博物館を、両方じっくり見て回ることはできなかっただろう。神殿の谷なんか、1泊しても足りなかったくらいだ。

 博物館からバス停まで戻る途中に、ちょうど、市街地へのバスが目の前を通って行った。「待ってー!」と言いながら追いかけると、バスは停まってくれたので、時間のロスなしに、市街地まで戻ることが出来た。

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3/21アグリジェント6 ごろろんぽはイケメンだった!

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●州立考古学博物館


 さてっ!アグリジェントの州立考古学博物館!

 神殿の谷との共通券を購入しておいたので、ここでの切符購入は無しである。共通券は13.50ユーロで、5日間有効である。

 この州立考古学博物館では、アグリジェントが、古代ギリシャ時代に、アクラガスという植民都市として栄えていた頃の遺品を中心に展示してある。

アグリジェント
 一際目を惹く、金の杯。こちらは、アグリジェント近郊のSant’Angelo Muxaroという所で見つかったもので、紀元前7世紀くらいのものと推測されているものらしい。

 Sant’Angelo Muxaro(サンタンジェロ・ムクサーロ)は、BS日テレの「小さな村の物語 イタリア」で取り上げられたことのある、シチリアの荒野の中に、ぽかっと、まるいババロアみたいなお菓子の上に乗っかったような、不思議な外観をした小さな村だそうだ。画像検索して見てみると、かなり不思議な雰囲気を持った村だった。

 そこで見つかった、古い古い金の杯などと言えば、そりゃ、いろんな伝説を妄想したくなる。伝説というものは、妄想するものではなく、語り継ぐものだというツッコミは可。しかし、レンタカーの旅などをすれば、そういう穴場スポットにも立ち寄れるんだろなあ。私はカーの前に免許がなく、これからそれを手にする見込みもない。いいんだ。歩くの好きだから(そういう問題ではない)。

アグリジェント
 これは何だかよくわからないけど、紀元前7世紀くらいの何か。武器?食器?飾り?…よくわからないが、注目は、描かれている三本足である。そう、シチリアのシンボル、三本足のトリナクリア!

 シチリア旅行をすると、お土産屋さんなどで、必ず、不気味なおばさんみたいな顔から、三本の生足がにょきっと伸びている、シュールなものを目にする。これが、シチリアのシンボル・トリナクリアなのだ。真ん中の顔は、魔除けとしてのメドゥーサ、三本足はそれぞれ、メッシーナ、シラクーサ、トラーパニの岬を指すそうな。

 この三本足が描かれた陶器は、紀元前7世紀くらい(シチリアが古代ギリシャ植民地となっていた時代)に作られたと推定されているので、真ん中にメドゥーサの顔はないけど、トリナクリアの起源は、実に古い時代に遡ることがわかる。これを描いた古代人が、「何となく気分で三本足描いてみただけなんだけど」というだけのことでなければ!

 三本足の神聖化って、何だか面白い。人間は二本足だけど、それを超えている数、ということになる。三つ目も神聖化されたり、逆に化け物の特性とされたりする。人間の身体の一部が、数として余剰である状態が、神性と、モンスター性の、どちらのイメージも与えるというのは興味深い。
 
アグリジェント
 難しい話は抜きにして、美人の跡をくっついて歩いている変なオヤジ。

アグリジェント
 これは、牛に変身したゼウスに誘拐されるエウロペーかな?牛になったゼウスが、ヨーロッパ中を走り回ったため、ヨーロッパはエウロペーから名付けて「ヨーロッパ」という地名になったという、地名起源神話付き。私は、地名起源神話って、妙に好きだ。ちなみに、なぜゼウスが彼女をさらったかというと、言わずもがな「タイプだったから」。…もーね、いっそゼウスはすがすがしいですね。

アグリジェント
 そして…超ステキなものを発見!

アグリジェント
 翼のついたサンダルを履いているヘルメス!古代ギリシア時代の壺で、白地に描かれている絵は珍しい。紀元前5世紀くらいのものらしい。ヘルメスのファッション、ポーズ、表情など、かなりカッコイイ!今まで見たヘルメスの中で、最高っ!

 …とつい浮かれてしまうのだが、私は、理性の部分では、頭の回転が速すぎて、立ち回りの上手い、いかにも「社長秘書」って感じの男性って、本当はタイプじゃないんだ!ヘルメスは、大神ゼウスの、主に恋沙汰のこまごました雑務を、サクサクこなしていくから、そういうイメージがあるんだよー。

 しかし、本当はタイプではないと言っても、彼の履いている翼のあるサンダルや、身のこなしの俊敏さが、理性でない部分では、やはり魅力的だと思ってしまうのだ。そんなわけで、ヘルメスを見ると、いつも私は心の中で戦っている。びっくりするほど無益な戦いである。

アグリジェント
 魚屋さんとかお寿司屋さんに飾りたくなるようなお皿。古代ギリシャの、壺絵は、本当にイキイキしていて楽しい。

アグリジェント
 こちらは、珍しく、背景が赤色で、絵が黒色となっている、いわゆる「黒絵式」の陶器。逆の「背景が黒で絵が赤」の「赤絵式」の方が、高度な技術を要するので、「黒絵式」の方が、古い時代であることが多い。つまり、古いから、黒絵式の方が残存しているものは少ないし、黒絵式の方が絵が稚拙に感じられることが多い。

 でも、この黒絵式は、なかなか素敵な絵柄だと思う。真ん中の女性が、弓矢のようなものを持って、鹿を従えているので、おそらく狩猟の女神アルテミスであろう。こんなに上手な黒絵式の絵に、お目にかかれることは、あまり無いのでウレシイ。

 この博物館の大目玉は、何と言っても、神殿の谷にレプリカが転がっている、ゼウス神殿のテラモーネのオリジナルである。人の形をした柱のことだ。姉と私は、なぜかこいつのことを「ごろろんぽ」と呼んでいる。それは、おそらく、レプリカが、遺跡がごろごろしている中に、ごろんと転がっていたからだと思う。

アグリジェント
 ごろろんぽ、いたよーっ!ココ博物館では、転がってないよー!1階と2階が吹き抜けになっている所に、展示してある。つまり、1階分の天井では、ごろろんぽを収納しきれないんだよーっ!

 しかし、ごろろんぽ、マジデカイ。もちろん我々も、ごろろんぽの近くに立って、背比べをしたのだが、身長160センチくらいの姉が、ごろろんぽの前に立っても、ごろろんぽの左足(短い方の足)の、最初の関節くらいのところまでしか、頭が来ない。

アグリジェント
 真下から見たごろろんぽ。迫力満点。

 で、ごろろんぽの何がスゴイって、正確に言えば、ごろろんぽがスゴイわけではない。ごろろんぽが支えていた、ゼウス神殿が、実はとんでもないことになっていたのだ。

 ごろろんぽの横に、ごろろんぽはゼウス神殿を、こういう風に支えていたんだぜということを、来館者に知らしめるための模型がある。

アグリジェント

アグリジェント
 わかりますぅ~?ゼウス神殿の高さ≒ごろろんぽの背丈、ではなく、ごろろんぽは、ゼウス神殿の高さの三分の一くらいしかないのだ!ごろろんぽの、2倍くらいの高さの巨大柱が、ゼウス神殿の地面から屋根までを支えているのである。ひょえー…。何たるスケール!

 古代ギリシャ時代の神殿とか、彫像は、それはそれは大きなものだったらしく、古代7不思議と呼ばれるロドス島の像とか、オリンピアのゼウス巨大像とか、その巨大さが伝説となっているものも多い。

アグリジェント
 ちなみに、この復元模型図からすると、ごろろんぽ、もともとはなかなかイケメンだったのだな…。キン肉マンのテリーマンみたなイケメンである。

アグリジェント
 そんなごろろんぽの、なかなか保存状態のよい頭部が展示されている。こうして見ても、なかなかイケメンであったことがわかる。慈悲深い笑みを浮かべているようにも見える。

 しかし、アレだね。どうしても、こういう巨人像を見ると、進撃の巨人を思ってしまうね。進撃の巨人のせいで、巨人イコール恐いというイメージがついてしまったけど、ごろろんぽはやさしい巨人に見えるよ。気はやさしくて力持ちなんだよ(と、旅人は思いたい)。

アグリジェント
 ごろろんぽを別角度から。ウェーブのかかった髪がなかなか上品。ちなみに、この隣には、これほどは保存状態のよくないごろろんぽの頭部が、あと2つ展示してある。

 というわけで、ごろろんぽ(本物)との対面を果たしたぞ!アグリジェントでやりたいことは、神殿の谷をほっつき歩くこと、ごろろんぽ(本物)を見ること、だったので、これにてアグリジェント歩きも成功裏に終わった!

 あとは、博物館の残りと、新市街歩きをちょっとだけ楽しもうっ!

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Author:辺獄
貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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