イタリア旅行記ブログ イタリア旅行は楽し

イタリア旅行大好きの管理人が、実際にイタリアに足を運んだ経験・情報に基づいて、イタリア旅行情報を発信してます。
旅行記や個人でのイタリア旅行のコツ、サッカー観戦情報もございます。

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3/17ボローニャ6 雨が降るならボローニャで!

<今回のイタリア旅行記メニュー>
●国立絵画館
●「Oratorio di S.Cecilia」

 ボローニャの国立絵画館は、午後2時きっかりにカチャっとドアが開いた。さすがボローニャ!時間を守れる街っ!

 開館を待っていた、10数名程度の観光客がわらわらと受付に並び、切符を購入する。切符売り場から、階段を上って展示室へと行くのだが、この階段部分からして綺麗な建物で、中の展示物にも、期待が高まる…!

 さて、最初に鑑賞者を待ち構えているのは、ジョットの作品がある部屋である。

ボローニャ
 ジョットの祭壇画「聖母子」。ジョットらしく、登場人物の眼光が皆鋭く、気合十分の表情。

ボローニャ
 特に左端の、聖ペトロの面構えがよい。左手に天国のカギを持って(ちょっとデカすぎるカギだが)、鑑賞者の方へギロリと視線をくれているペトロさん。

 私は結構、このペトロさんとにらめっこするのは面白かったのだが、姉は、「うーん、ちょっとジョットの作品としてはイマイチかなー」と言って、うろうろと同室の他の絵を見始めた。…が、姉は言った。「…うーん、あんまり惹かれる作品がないなあ」。

 そして、姉と私は、ジョットを正面に見た時に、右手の方にある、一枚の絵があまりにも気になった。イエス(もしかしたら洗礼者ヨハネかな?)が、誰かを肩車しながら歩いていて、そのイエスの着ている服が、あんまりにもミニスカートすぎる、実にシュールな絵であった。題してミニスカイエス。

 もうこのミニスカイエスがシュールすぎて、私と姉は笑いをこらえるのが苦しかった。一応、キリスト教絵画なだし、美術館の中で笑い転げるわけにはいかないので、もう、苦しすぎて、苦しすぎて…。私はもっとジョットをしっかり鑑賞したかったんだけど、視界の端にこのミニスカイエスがどうしても入ってきてしまい、笑いが我慢できず、ほとんど息を止めながら、この部屋を出た。母にミニスカイエスを教えたら、母も笑いをこらえるのに苦しくなってしまうだろうと思い、母には教えないでおいた。

 写真撮影可の絵画館だったのだが、姉も私もあのミニスカイエスを前にすると吹き出さずにいられなかったため、どちらもカメラのシャッターを押すことができなかった。記念に撮っておくべきだったなあ。しかし、このミニスカイエスのせいで、ジョットをしっかり堪能できなかったよ!

 ジョットの部屋を逃げるように出た後は、この美術館の目玉であるラファエロ作品にたどりつくまで、気に入る絵を探しながら歩いた。

 私は、イタリアを旅行するようになってから、美術鑑賞のためにと思って、いくつかの西洋美術史の本を読んだ。そのためか、西洋美術に対する知識が、ほんの少しだけどついてきて、そのおかげで、イタリアの美術館では、有名作品がなくても、なかなか楽しめるようになってきた。

 …のだが!

 ラファエロの絵にたどりつくまで、母、姉と共に、私も無言っ!ちょっ…この国立絵画館…の絵………変な絵が多いんですけど!イヤ、わかりますよ、古いってだけで価値のある絵や、絵そのものが美しくなくても、歴史的に価値のある絵というものがあり、美術館というものは、そういうものを展示しつつ保存する役割があるということは!…しっ、しかし…コレは楽しめないなあ…。写真撮影自由放題の絵画館だったのだが、ジョットの絵以降、一度もカメラを取り出そうとしない我々!

 そんな中、古くて痛みまくっているフレスコ画を展示している部屋があった。フレスコ画大好きな私は、この部屋はなかなか面白かった。フレスコ画は傷みやすいと言われるのだが、ボロボロになったフレスコ画ってのは、何だかボロボロならではの雰囲気があり、その雰囲気が私は結構好きなのだ。

ボローニャ
 展示されていたのは、説明書きによると、14世紀にヴィターレ・ダ・ボローニャと呼ばれるボローニャ出身の画家さんが、もともとはサン・フランチェスコ教会に描いた絵が、20世紀にここ国立博物館に移されたものだそうだ。この部分は「最後の晩餐」がテーマだが、こりゃ傷みすぎてて、何が何だかわからないね。

ボローニャ
 でもよく目を凝らして見ると、もともとこの絵が「最後の晩餐」であったことがわかる。「最後の晩餐」のモチーフのなかでは、よく眠りこけているヨハネの顔部分が、奇跡的な感じで残っている。横の二人の弟子さんたちは、「あーあ、この子寝ちゃったよ」とヨハネを指さしている…んじゃなくて!おそらく、ヨハネの隣に描かれていたと思われるイエスを指さし、「何かボスが、裏切り者がいるとか言ってるんだけど!」とか言う会話をしている。

 ちなみに、イエス・キリストの部分は完全に剥げ落ちてしまっているが、左側で横顔が描かれているのは、たぶん裏切り者ユダだと思う。それにしても、西洋絵画に描かれる使徒ヨハネのファンである私にとって(だってホラ、ヨハネっちかわいいじゃいですか)、ヨハネの顔部分だけがしっかり残っているミラクルさが、ちょっと心に残るフレスコ画である。

 このフレスコ画の部屋を抜けて、ずーっと奥に進むと、一番奥の突き当たりに、ようやくようやく、ラファエロ作品が登場した。

ボローニャ
 じゃーん!「聖チェチリアと聖人」。ラファエロらしい、いきいきとしたラインと色彩の作品である。

 タイトルになっている聖チェチリアが、この絵の主人公らしく、中央の女性である。足元にたくさんの楽器があるのは、聖チェチリアは、音楽の守護聖人だからである。手に持っているのも、おそらくパイプオルガンのような楽器。

ボローニャ
 人物の顔部分だけをアップにしてみた。左から聖パオロ、福音記者聖ヨハネ(ヨハネっち)、主人公の聖チェチリア、聖アウグスティヌス、マグダラのマリア。聖チェチリアさん、ちょっとぽっちゃり気味だけど、意志が強そうな表情で、かわいい女の子だ。

 それにしても、このヨハネっちは、ちょっとかわいすぎないか?

ボローニャ
 これ、確実に、女性をモデルにして描いてるよなあ…。聖ヨハネだと言われなければ、誰か聖女なのかなと思ってしまう。この絵は、このヨハネっちの足元に、新約聖書ヨハネ伝を象徴する、鷲と本が描かれているので、ヨハネっちであることがわかるのだが。

 よくイエス・キリストの12弟子を全員描くときは、画家さんも、ムサイおじさん12人も描くのはツライのか、一番年少だったというヨハネを、まるで少女のように描くことがあるのだけど、この絵は、聖チェチリアや、美人の誉れ高いマグダラがいるのだから、こんなにヨハネっちを可愛らしく描くのは、さすが女性好きと言われるラファエロってとこだろうか。しかし、かわいいなあ。右端のマグダラよりずっとかわいいんだが。

 私は結構この絵は気に入ったのだが、この作品、それほどラファエロの作品の中では有名ではない。ガイドブックとかにも写真が載ってないし。ラファエロの名作は多すぎるから、てのもあるけど、一つは、聖人が誰なのかを示す目印が、はっきり描かれすぎているのが(マグダラなら壺、ヨハネっちは鷲)、盛期ルネサンス作品としては無骨だとされて、あまり評価されていないのかなあ。個人的にはとても好きな絵だった(ヨハネっちがかわいいからだろ?)

 ラファエロの絵のお向かいには、ラファエロのお師匠さんのペルジーノの絵があった。

ボローニャ
 下で聖母子を見上げている4人の聖人のうち、右端のおじいちゃんは、何とヨハネっち。12弟子最少と言われ、「若い」というイメージのあるヨハネっちだが、12弟子の中で唯一殉教せず、長生きしたため(100歳近くまでという説もあるらしい)、対照的に「年老いた」というイメージで描かれることもあるのだ。

ボローニャ
 聖母子の顔をアップしてみた。典型的な、伏し目で口の小さい「ペルジーノ顔」。ペルジーノは、ラファエロの先生ってことばかりが有名で、あまり本人そのものは評価されない傾向があるが、私はペルジーノ作品の色合いとか、人物の描き方は結構好きだ。たくさん弟子を抱えていて、弟子に任せることもあったのか、作品の出来不出来の差が大きいようにも感じるが。

 ただ、こうやって明らかにラファエロの絵と並べられると、…やっぱりペルジーノ先生の絵は負けちゃうかなあ…。一つ言えば、ペルジーノ先生の絵は、美術館で見るより、教会とかに描かれているものの方が、雰囲気が出る。フィレンツェのサンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院の絵は、かなりヨカッタから!(先生をかばう私)

 さーて。ラファエロも見たことだし、ミニスカイエスのことを思い出し笑いしないうちに、絵画館を出ようゼ!…と思ったのだが、グイド・レーニの絵が、反対側にあるらしく、「チラ見だけでもして来よう!」と、ラファエロラヴの母をラファエロの前に置いて、姉と私は小走りでグイド・レーニのエリアへと行って来た。

 いや、別にそんなにグイド・レーニのファンってわけじゃないけどさ、ローマのバルベリーニ宮で見た、グイド・レーニの「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」が、ちょっと好きだったんだよ。せっかく入ったんだし、グイド・レーニの作品があるなら、チラ見くらいして元を取りたいのだよ。ラファエロでじゅうぶん取れたんだけどさ、何せ、ラファエロまでが結構ヒサンだったので、もう一声、何かいい絵!って気分だったんだよ!

 グイド・レーニ作品は、何点か展示されていたが、その中で一番気に入ったのが、「磔刑図」。(正式名称はわからないが、キリストの磔刑を描いた場面)

ボローニャ
 急いで撮影したので、ねじれた位置から撮ってしまった。ねじれてごめん!

 キリストの磔刑図によくある構図で、聖母マリア、使徒ヨハネ(ヨハネっち)、マグダラのマリアが、場に居合わせている。慈愛溢れる聖母、美少年、絶世の美女が悲しんでいる場面なので、画家さんにとっては、なかなか描きごたえのあるシーンなのではないかと思う。

 で、このマグダラのマリアが、非常に心に残った。

ボローニャ
 この、悲しみ疲れてしまったような、虚無的な表情。これはスバラシイ。本当に大切な人を失った時って、人間はこういう表情をするんじゃないかな、とさえ思う。ローマで見た美少女の「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」もそうだったけど、悲しそうな美少女を描かせたら、グイド・レーニは、もしかしたら天下一品なのかもしれない。

 今までもいろんなイタリアの町でグイド・レーニの絵を見てきたけど、一度もピンと来たことなかったのだが、今回の旅行では2つ、素晴らしい作品に出会うことができた。また、気になる画家さんが増えてしまったね!

 奥にもまだ展示室はあったのだけど、何せ今日はボローニャ最終日(というか、イタリア旅行2013の最終日…)。他にも足を運びたい場所があったので、母と合流して、絵画館を出ることにした。ちなみにこの絵画館のトイレは地下にあるが、一つしかないため行列になるし、あまり綺麗でもなかったため、期待しない方がよい(絵画館にトイレを期待しているのって私だけだろうか)。

 絵画館を出て、中心街の方へ向けて、Zamboni通りを戻った。途中で、フレスコ画が見れるという「Oratorio di S.Cecilia」という教会があったので、入ってみた。

 「Oratorio」というのは、小さな祈祷所、小さな礼拝堂とかいう意味で、実はこの「Oratorio di S.Cecilia」というのは、前回の旅行記で紹介した、大きなサン・ジャコモ・マッジョーレ教会の中の一部になるらしい。

ボローニャ
 こちらが「Oratorio di S.Cecilia」。手前の赤いかわいらしいポルティコと相まって、美しい外観である。

ボローニャ
 入口はわかりづらいけど、ちゃんと入口近くには「Oratorio di S.Cecilia」と書かれた素敵な布が飾ってあるので、迷わないよ!

 中に入ると、すぐフレスコ画のある部屋があった。ここには無料で入ることができる。女性係員さんがいて、なぜか「あら、もしかしたら昨日も来た人たちかしら?」と聞かれた。一日前に日本人女性の訪問でもあったのだろうか。

 この女性係員さんはとても親切で、売り物の英語のガイドブックを持ってきて、フレスコ画の説明をしてくれた。左右の壁にズラーっとフレスコ画が並び、なかなか保存状態も良い。「Oratorio」の名前にも冠されている、「聖チェチリア」の生涯を描いたものらしい。ペルジーノの絵に似てるなあと思ったので、作者を聞いてみると、違う人だった。

 室内はフレスコ画のためか写真撮影は禁止だった。たった今、国立絵画館でラファエロの「聖チェチリア」を見てきたばっかりなのだが、ラファエロの気の強そうなかわいい聖チェチリアさんに比べると、こちらの聖チェチリアさんは、優しいそうでいかにも聖女って感じ。宗教画としては後者が正しいのだろうけど、たった一枚の絵で、描かれた人物を、ワン・オブ・聖女ではなく、俗っぽく言えばキャラとして仕上げてしまうラファエロの筆力ってのはスゴイなあ、と改めて感じた。

 絵を見終わると、係員さんにニコニコと、「このガイドブック買いませんか?」と言われた。なかなか商売熱心。我々はNOの言える日本人なので、買わなかった。
 
 「Oratorio di S.Cecilia」を出ると、小雨が降っていた。でもボローニャはポルティコの町っ!雨が降っても心配いらないよ!ポルティコの中を歩けばいいもんね!傘いらずのボローニャっ!

 …と、大げさに言ってみたが、ポルティコは途中で途切れている場所もあるので、ボローニャに傘なしで行くことはお勧めしないよ!ちなみに、ボローニャ市民は、ポルティコの途切れている場所を把握しているので、雨の時は、なるべく濡れないルートを通る術を心得ているらしい。地元民強し。

 さて、この後は、中心の方へ戻るよ!

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3/17ボローニャ5 飛び出せ!ポルティコ・ランキング

 本日は、ボローニャ最終日…て言うか、イタリア旅行2013の実質観光ができる最終日っ!最終日だから、本当は悲しいよ!でもまだ旅行が終わったわけじゃあないんだから、テンション上げて行くよっ!

 とは言っても、昨夜は遅くまでサッカー観戦をしていたので、今日はゆっくりめに起きた。まだまだボローニャは堪能し尽くしていなくて、今日残りラスト一日で制覇するのはまず無理だろう。やっぱりボローニャ三泊というのは短すぎたようだ。その三泊の間に、モデナとかフェッラーラに行ってやろうなんてとんでもない儚い夢だったようだ。

 母が、今日は最終日なので、ボローニャが本場のブランド「FURLA」の店舗に行きたいと言う。私はあまり興味が無かったので、姉が母に付き添ってくれるというので、姉のお言葉に甘えて、二人がお店に行っている間、宿泊していたB&Bのすぐ近くにあった、赤い教会にぶらりと行ってみた。

ボローニャ
 おそらくChiesa del Santissimo Salvatoreという名前の教会。Cesare Battisti通りにある。ボローニャには、こういうふうに、正面ファサードが赤色の教会がいくつかあり、目を引く。赤いボローニャの象徴のようでかわいらしい。

ボローニャ
 四福音記者の像が、正面に飾ってある。鷲さんを連れているのが、イケメン福音記者として名高いヨハネである。

 中ものぞいてみたのだが、日曜のため、ミサがたけなわに行われていた。そうだよなー。日曜日の午前中は、教会はミサが行われていることが多いんだよなあ。ミサが行われている時は、中に入っても追い出されることはあまりないのだけれど、やはり観光は憚られるので入場しなかった。

 この教会の前でぽーっとしていると、姉と母が歩いてきた。「日曜だからか、FURLAは閉まってたよー」。こちらも日曜だからミサで入れないよー。イタリアの日曜の過ごし方ってのは、時々、こうやってつまずくことがある。

 地図を見ると、この教会の西側の方に、私が「古いゴシック」とメモしてある、サン・フランチェスコ教会なる教会がある。こちらも日曜なので入れるかどうかはわからないけど、すぐ近くだから行ってみた。

ボローニャ
 どどんとでっかいサン・フランチェスコ教会。だが、やはり、ミサ中であった。それにしても、イタリアには、サン・フランチェスコ教会と言う名前の教会は多い。サン・フランチェスコが、イタリアという国全体の守護聖人だから、至る所にあるのはまあ仕方がないのだが、フランチェスコという名前そのものは、もともと「フランス」とかそういう意味なので、イタリアの守護聖人がフランチェスコさんなのは、ちょっとおもしろい。

 さーてさて。日曜ということで、どこもかしこも安息日(教会はミサしているんだから、むしろ働いてるんですけど!)。とりあえず、結構お昼も近かったので、ランチにすることにした。やることがなくなったわけだから、どりあえず何か食べようぜ!

ボローニャ
 入ったお店はこちら。ウーゴ・パッシ通りにある、老舗カフェの「Gamberini」。

 中はボローニャ市民でごった返している。イタリアには珍しいくらい、ショーウィンドゥがオシャレで、女子好みって感じのカフェ。テーブル席は、室内もテラスもほぼ満席だったが、テラス席に空きがあったので、そこに座ることにした。

 イタリアのバールやカフェは、お店によっていろいろ決まり事が違うのだけど、こういう有名店のテーブル席は、座っていればオーダーを取りに来てくれる。だが、ショーケースで実物を見ながらオーダーしたかったので、母に荷物番をしてもらって、姉と私は、客でごった返している店内へと突撃した。

 ショーケースには、パニーノ類やケーキ類がずらーっと並んでいて、珍しい、小さい一口サイズのパニーノというか、惣菜パンのようなものがある。これが、とってもかわいらしかったので、15種ひとつずつ、全部オーダーすることにした。「この小さいのを、ぜーんぶ、一つずつ下さいっ!」。他に、食後のデザートもいくつか頼んだ。「外のテラス席で食べます」と言うと、後で運んできてくれると言うので、テーブルで待つことにした。

ボローニャ
 こちらが本日のランチ。小さな小さな惣菜パンがかわいいったらありゃしないっ!
 
 15個の小さな惣菜パン。これを3人で食べるので、ひとりあたま3つずつ。全て違う15種なので、平等に食べたいものを分けなければならない。というわけで、「ドラフト会議inボローニャ」を行うことにした。第一回選択希望選手から、第三回選択希望選手まで、早い者勝ちのウェーバー方式。一番最初に選択する権利を、第一回から第三回までそれぞれ母、姉、私に割り振って、これで平等だよ!家族ケンカなく分け合うことができたよ!家族平和バンザイ!

 旅先で本当にくだらないことをしている我々だが、この小さな惣菜パンは、かわいらしいだけでなく、とても上品で美味しかった。デザートに食べた、ボローニャの銘菓だとお店の人におすすめしてもらった、長方形のライスケーキも美味しかった!だが、ライスケーキは、姉はあまり口に合わず、好き嫌いが分かれるケーキだった。コーヒーも美味しかったし、この老舗カフェの「Gamberini」はかなりオススメ!

 さて。ランチを食べたあとなのだが、食べたそばから、ディナーの予約をしに行くことにした。というのも、本日は日曜日。ボローニャのレストランは、日曜日が定休日であるお店が多い。そのため、営業している人気店には、客が殺到するのではという危惧があったため、念のため予約しておこうということになったのである。

 日曜日も営業している、数少ない人気店の一つがマッジョーレ広場近くの「Montegrappa da Nello」。B&Bのオーナー・ケッティもおすすめしていたので、ここの予約を取ることにした。お店に入り、レジにいたお兄さんに「今夜7時、3人予約を取りたいのですが…」と言うと、名前を聞かれたので答えると、日本人の名前はわかりづらいらしく、全くもって私の名前には見えない綴りで名前を書かれた。「あ…ちょっと(いや、だいぶ)名前が違います」と言うと、彼は日本語で、「モンダイナイ、モンダイナイ」と笑って答えた。モンダイナイって言うなら、それでヨシよ。

ボローニャ
 こちらは日曜日のマッジョーレ広場。陽気な風船がぷわぷわ浮いているが、その向こう側、建物の壁にあるパネルは、ボローニャの対ナチス・パルチザン闘争の、犠牲者の写真を展示したものである。第二次世界大戦と言うと、もう既に歴史上の出来事という感じがしてしまうが、たった数十年前の出来事。町の一番の中心であるマッジョーレ広場に、戦争犠牲者の写真を展示するのは、ボローニャ市民やここを訪れる観光客へ向けてのメッセージなのだろう。ボローニャという町の信念が表れている場所だ。

 さて、この後は、ラファエロ作品を所蔵しているという国立絵画館へ向かうことにした。

 国立絵画館へは、「Via Zamboni」という通りを通って行くとにした。この通りは、ポルティコ(柱が立ち並ぶアーケード)がずらーっと続いているボローニャの街並みの中でも、特に雰囲気の良い通りだと言われているからだ。行ってみると、確かに素敵ポルティコだった!

ボローニャ
 ずーっとポルティコが続いてるよ!特に、右側の通りのポルティコは素敵である。

ボローニャ
 こういう風に、ボローニャの赤色でほんのりと彩られていて、装飾性の高いポルティコである。いやー、ポルティコ気に入ったよ。イタリアの町は、写真で見るよりもずっと素敵な町がいくつかあるが、ボローニャもその一つで、ポルティコがずーっと続いていく町並みは、写真で見るよりもずっと美しい。

 ポルティコが気に入った我々は、このあたりから、ポルティコランキングというものを始めた。

~ポルティコランキングの基準~
Sランク…あまりに特殊でレアなポルティコ
Aランク…美しく装飾されたポルティコ
Bランク…普通に柱っぽい柱が並ぶポルティコ
Cランク…ぎりぎりポルティコ

<Sランクポルティコの例>
ボローニャ
 今回唯一Sランクを付けられたのは、この古い古い木のポルティコのみ。ボローニャの斜塔近く、マッジョーレ通りの付け根みたいなところにある。

<Aランクポルティコの例>
ボローニャ
 「Via Zamboni」のポルティコは、文句なくAランク。美しくて、ちょっと古そうで、雰囲気の良い柱が並んでいればAランクである。

<Bランクポルティコの例>
ボローニャ
 一応、柱の美しさをしっかり追求はしているが、Aランクポルティコに比べ、やや装飾性に欠け、「普通の柱」って感じなのがBランク。

 …こういう風に順番に紹介していると、皆さま、さあ、次はCランクポルティコ!とお待ちになっているかもしれないが、Cランクは、写真に撮らなかった。だって、ポルティコって、その建物の所有者が、ボローニャの街並みをポルティコでそろえるために、自腹で作っているものなのだ。だから中には、「えっ…これがポルティコ…?」と言いたくなるような、ただの細長い無味乾燥な立方体が、アーケードを支えているポルティコもある。

 でもさでもさ、そんなぎりぎりポルティコでもさ、ボローニャ中をポルティコだらけにしようと言う、ボローニャ市民の愛によって作られたものだと思うとさ、何だか愛しいお前みたいな存在(どんな存在だ)に思えてくるんだよ!だったら、ポルティコランキング自体やるなよ、て話なんだが、もうやっちゃったんだよ(開き直る私)!

 まあね、ランキングはアレかもしれないですけどね、ボローニャに行ったら、ぜひお気に入りポルティコを探して歩いてみて下さい!私はたった3日間しか滞在しなかったので、今回は「キング・オブ・私のお気に入りポルティコ」の選出までには至らなかったが、次にボローニャに行く時には、キングを選定してみたいと思う。

 さて、すっかりポルティコ談義で話が逸れてしまったが、「Via Zamboni」の所まで話を戻そう。

 「Via Zamboni」にはサン・ジャコモ・マッジョーレ教会という大きな教会がある。

ボローニャ
 「Via Zamboni」からは、こういうちょっとユニークな形で見えるのだが、正面は、この通りに面していなくて、右手の方へ入った道の方である。

 ボローニャ
 正面部分では、ちょっと笑っているみたいな表情の、かわいいライオン君が出迎えてくれた。…のだが、残念ながら、教会は閉まっていた。やっぱり日曜の教会訪問はダメですな。イタリア旅行で難しいのは、日曜日の過ごし方である。教会は閉まっていることが多いし、かといって、美術館などは、平日よりも混雑する。ということは、やっぱりイタリア旅行の日曜日は、サッカー観戦に行くべきなわけだね!

 さて、「Via Zamboni」に戻ろう。

ボローニャ
 まだまだ続くよポルティコの道。このあたりは、ボローニャ大学の近くだそうだ。

ボローニャ
 何だか、いかにも大学って感じの、きったない掲示板を発見っ!どうして、大学ってこうなんだろ…。こんだけ正月三が日の引き終わったおみくじみたいに紙が所狭しと貼られていたら、もう、どの告知の紙もいっさい目立たず、もはや掲示板の役割を果たしていないのでは…?

 この辺りには、こういう投げやりなポルティコも見られた。

ボローニャ
 うん、これがぎりぎりポルティコだね。(誰もCランクとは言ってないよ!)しかし、このポルティコ、よく見ると面白いのだ。隣り合った建物どうしで、おそらく協力してポルティコを作っているので、柱の半分は赤色、半分は黄色、みたいなことになっている。ちなみにポルティコ部分っていうのは、私物でありながら、公共空間なのだそうだ。こんな感覚が可能であるのは、市民の一体感があるボローニャという町ならではなのだろう。

 大学を過ぎると、国立絵画館へ行くために、北隣の「Via delle Belle Aeti」という通りに向けて左折した。この「Via delle Belle Aeti」は、ド直訳すると「美しい幾つかの芸術作品通り」。…絵画館を思いきし意識した通り名だな…。

 「地球の歩き方」では、国立絵画館は、夕方までずっと開いているという情報だったが、いざ行ってみると昼休み中で、午後は2時から開くと書いてあった。2時まであと15分くらいだし、絵画館前のベンチで待つことにした。ボローニャだから、きっと時間通りに開くだろうさ。

 今日はたくさん歩いたので、母はベンチで休ませて、姉と私は、この「美しい幾つかの芸術作品通り」から続いている道を、もう少し先まで歩いてみた。

ボローニャ
 絵画館の先も、このようにずーっとポルティコが続いている。このポルティコはBの上くらいのポルティコかな(ランキングはやめなさい)。

 そのずーっと先には、サン・ドナート門という城門が見えている。

ボローニャ
 ボローニャも昔は、城壁でぐるーっと囲まれていた都市だったそうだ。今ではその城壁は全て幹線道路に変わってしまい、名残りとしての城門だけが残っている。私は城壁のあるヨーロッパの町は大好きなのだが、ボローニャのような、先進的で自由な空気が漂う町には、城壁はもはや似合わないのかもしれない。

 さて、我々以外にも、絵画館の開館時間を待つ観光客が、ちらほらと、絵画館周辺に集まりだした。そして、ボローニャらしく、2時きっかりにカチャっと鍵が開く音がして、絵画館は開館した。時間の守れるボローニャばんざいっ!

 というわけで、絵画館に入場したのだが、続きは次回の旅行記で☆

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3/16ボローニャ4 ユヴェンティーノ・コンクエスト

<今回のイタリア旅行記メニュー>
●スタディオ・レナート・ダッラーラでサッカー観戦
ボローニャVsユヴェントス

 さて。何度も今回の旅行記で書いていることだが、今回の旅行でボローニャにやってきたのは、ピルロファンの母のリクエストによる、ボローニャ対ユヴェントスの試合を見るためである。イエイっ!

 本当はさー、ボローニャって交通の要所なので、一週間くらいは滞在して、ボローニャそのものの町歩きを楽しむのはもちろんのこと、日帰りで行けるモデナやパルマ、フェッラーラやラヴェンナなどに行くべきなんだよ。でも、今回、サッカーのために無理やり旅程にねじこんだので、たったの三泊しかしないから、どこにも行けないんだよ。イエイっ!

 いや、三泊もするなら、どこか一つくらいの町には日帰りで行けるだろう!?というツッコミが入るのはごもっともである。しかし、我々は、旅先でぐーたらしたい人達なので、たったの三泊で、どこかに日帰りするのは何だか疲れるのである。ボローニャは市街地から駅まで遠いしさあ。いいんだよ。最近のモットーはコレだよ。「バタバタ日程になるくらいなら行くな」。というわけで、今回は、モデナにもパルマにも行かないよ!イエイっ!

 というわけで、本日の夜は、ボローニャのスタジアムでサッカー観戦。ボローニャでサッカー観戦。初めての体験なので、いろいろネットで情報を集めてみましたですよ。すると、日本からボローニャのサッカースタジアムに行った人の体験記が、なぜだか古い日付のものばっかり…。

 …ナ、ナカータがボローニャにいた頃の話かっ!

 ボローニャというチームは、セリエAとセリエBを行ったり来たりする、いわゆる「エレベーターチーム」なので(※イタリアのサッカーリーグは、AとBの間で昇格、降格がある。ボローニャのチーム力は、セリエAでは下位、セリエBでは上位ってところ。一言で言っちゃえば弱いってことさ)、セリエBにいる時期も多い。ボローニャがセリエBにいる頃に、ボローニャの試合を観に行く日本人なんてほとんどいないだろうし、日本人によるボローニャのスタジアム情報は、中田がボローニャにいた2004年頃の情報ばかりであった。

 イタリアでサッカー観戦をするときは、スタジアム情報をしっかり調べておかないと(スタジアムへのアクセス方法や、チケットの購入法など)、痛い目に遭うことが多い。しっかり調べておいても、情報が変わっていたり、どれだけ調べてもわからなかったりして、痛い目に遭うことはある。

 …ええと、「イタリアでサッカー観戦するときは、しっかり情報収集してから行きましょう」と言いたかったのだが、話の流れが微妙になってきた…。…とっ、とにかく、ボローニャのサッカー情報は、なかなかゲットすることができなかった。

 だが、まあ、私はわりと大きく構えていた。何といってもボローニャは、イタリアで最もしっかりした町。イタリアの中の日本である(勝手に私が決めた)。まあ、チケット3人分を、試合の一日前に前売り券を買いに行ったときに、スタジアム中の全ての席の中であと3席しか残席がなかったという事実に遭遇した時は、本当の本当にぶったまげたけど、チケットそのものは観光案内所でスンナリ買えたしね。

 ちなみに、前日の旅行記にも書いたが、そのラスト3枚のチケットは、当然ながら連番ではなく、スタジアムの座席の中でも一番高額な、メインスタンドの席の中で、それぞれかなり離れた場所に座ることになる。そういう事情なので、帰るときはどこかで待ち合わせしなければならないのだが、試合終了後は混雑して待ち合わせが難しくなるため、終了10分前には、皆席を立って、待ち合わせすることにした。スポーツを試合終了まで見ないのは負けだけどね!仕方ないんだよ、負けるが勝ちのこともあるんだよ(意味不明)。

 スタジアムに行く前に、母をB&Bに残して、姉と二人で、スタジアムへの行き方を聞くために、観光インフォメーションへ行った。ボローニャは土日は交通規制が敷かれることが多く、バス路線が、平日とは変わってしまうのだ。インフォメーションスタッフさんいわく、中心街のMalpighi広場から、14番か20番のバスに乗るように、とのこと。

 インフォメーションを出たら、近くのタバッキでバス切符を購入した。「スタジアムまでのバス切符を往復で下さい」と言うと、店番のおばあちゃんに、「あら。あなた達は、今日はボローニャの応援をしてくれるの?それともユヴェントス?」と笑いながら聞かれたので、「もちろんボローニャです(本当。ボローニャファンってわけじゃないけど、ホラ、相手がユヴェントスだから!)」と答えたのだが、おばあちゃんは笑って信用してくれなかった。「ジラルディーノが好きなんです~!(ボローニャのエースストライカー)」と訴えたのだが、最後まで信用してもらえなかった。うう…ホントなのに…。

 バスが出発するMalpighi広場は、幸いなことに宿泊しているB&Bから近い。スタジアムで食べるつもりのパニーノなども購入してから、Malpighi広場へと行った。全席完売している試合だから、バスに乗るボローニャファンも多いだろうし、ついて行けばよいだろうと思っていたのだが、なぜだかボローニャグッズに身を包んだファンの姿はほとんどなかった。この謎は、スタジアムに行った後に解明されるのである。

 ボローニャファンが全然見当たらないため、どこでバスを降りればよいかも皆目見当がつかない。スタジアムが見えてくれば降りればいいかな、とも思っていたのだが、バスからスタジアムが見える保証もない。そこで、姉が、近くの乗客さんに、「実はサッカースタジアムに行きたいのですが…」と話しかけてみると、「じゃあ、今、ここで降りなきゃ!」と、ちょうどその時バスが停まったバス停で言われたため、降車した。いやー、アブナカッタ。

 降車したバス停の名前は「Marpini」。インフォメーションでもらった地図を見ると、だいたいスタジアムにどうやっていけばいいか、見当はついた。だが、念のため、試合後に迷わないように、道の写真を撮っておいた。

ボローニャ
 降りたバス停は、こんな銀行の近くだよ。

ボローニャ
 バス停のある通りの名前は「Montefiorino通り」という名前だよ。

 この「Montefiorino通り」を、バスが来た方向へ少し戻って、交差点を右折して、そのまままっすぐ行くとスタジアムが見えてきた。このスタジアム周辺は、交通規制のためか、全然車が入ってこないようになっている。おそらく交通規制のない平日ならば、バスはスタジアムの目の前まで行くのではないかと思われる。

 さて、イタリアのサッカースタジアムは、座席ごとに、入口が違うことがある。長い時間並んで、苦労してゲートまでたどりついても、「ここじゃありませんから」と言われることもよくある。そこで、最初に見つけた入口で、近くにいた係員さんにチケットを見せ、入口が合っていることを確認してから列に並んだのに、ゲートまでたどりつくと、「ここじゃないよ、左手のほうにぐるっと回った先だよ」と言われた。ボローニャは他のイタリアの町と違ってしっかりしていると思っている我々は、裏切られてちょっとだけ傷ついた。

 で、無事にスタジアムに入場。まあ、「イタリアのサッカースタジアム・スムーズに入場できるランキング」の中では平均くらいだな。ボローニャという町からしてみれば、イタリアの平均ってのはちょっと屈辱だろう。(このランキングの上位に位置するのはキエーヴォ、フィオレンティーナ、下位の方はナポリ、ブレシアだよ!)

 座席がバラバラなので、座席エリアに出る前の売店などがあるエリアで、持参したパニーノを食べてしまうことにした。小さなバールがあったので、そこでミネラルウォーター、つまり水、ただの水、を買いに私が出向くと………何だ、この混み方は!そして、やっぱり並ばないイタリア人!万人の万人に対する戦いッ!いかに上手にバールのカウンターまでたどりついて、我先にとオーダーするかという、もうこれは一種の競技である。

 押し合いへし合いしながら、ようやくカウンターにたどりついた私は、「アックァ・ミネラーレ・ナチュラ―レ・ペルファボーレっ!!!」と、誰に言うまでもなく叫び散らして、ようやくミネラルウォーター、つまり水、ただの水をゲットした。この1ユーロのただの水をゲットするまでに要した時間、何と、15分っ!文明とは何か。知的生命体とは何か。…やっぱりサッカースタジアム内は、ボローニャも他のイタリアと変わらないなあ…。腐ってもイタリアだよ。

 というわけで、試合を観る前から、ぐっっったりと疲れてしまった私。とりあえず、3人でパニーノを立ち食いしてから、スタジアムの観客席エリアへと入った。

 ゲットしたバラバラの席は、一番高いメインスタンドの、前方二つと、ずっと上の方の後方一つ。前方二つの席は、まあまあの近さだが、上の方は、かなり離れている。このメインスタンドエリアに入る時に、係員さんにチケットを見せなければならないのだが、チケットを見せた若い係員さんは、「君たち、これは並びの席ではないよ!」と深刻そうに言ってきたので、「大丈夫、わかっています」と答えて中に入った。

 で、中に入ると、年配の係員さんが向こうから近づいてきて、おそらく席を教えてくれるつもりで、我々のチケットを見た。この年配の係員さんは、「うーん、この席は並びの席じゃないねえ。でも、大丈夫!並んで座っておいて、人が来たらどんどん詰めて行けばいいんだから!僕にまかせときなよ!」と言う。

 そう言われてもねえ…。この試合は、全席売り切れているはずなので、ちゃんと自分の席に座らないと、他のお客さんに迷惑をかけてしまう。イタリアのサッカースタジアムでは、満席に近い時は、だいたいみんな正しい自分の席に座るものなのだ。まあそれでも、まだまだ試合まで30分以上あり、まだお客さんがほとんど入ってきていないので、お客さんが多くなってきたら正しい席に移動するつもりで、母の席の近くに座った。

 すると、今度は最初の若い係員さんがやってきて、「君たちは、並びの席には座れないんだよ!」とまた言ってきた。別にこの若い係員さんは、我々に目をつけているってわけではなく、日本人わかっていないんじゃないかと心配してくれているだけという感じではあるが、年配係員さんと言っていることが真逆である。この若い係員さんには、「わかっているから大丈夫ですよ。試合前になったら移動します」とイタリア語で答えたつもりなのだが、イマイチ伝わり切らず、何度も声をかけてくる。ちょっと面倒になってきたので、母と姉だけ二人残して、私は上の席の方へ移動した。

 上の方でぼーっとしていると、姉が上ってきた。「ちょっと!今度は、あのおじさん係員さんが、あんたが上に行ったのを見てて、一緒に座れ、大丈夫だからってうるさいんだけど!イタリア語で何言ってるかわからないから、ちょっと降りてきてよ!」。

 で、降りて行って、おじさん係員さんに、「いろいろありがとう。でも、私は離れてもいいから上の方で見たいんですよ(本当。私はスタジアムは上の方が好き)」と説明すると、やっと納得してくれた。はー。おじさんが親切で言ってくれるのはありがたいんだけど、こういう時のイタリア人は、かなり押しが強い。おじさん、どうにかして日本人を一緒に座らせたくて、それは純粋な好意なのだ。この強引な好意を断るのは、日本人にはなかなか根気のいる作業である。

 母と姉も、席が埋まってきたら、うまくおじさん係員のスキをついて、正しい席に移動したようだ(どうして正しいことしているのに、スタッフの目を盗んでやらなければならないんだ…)。そこで、ようやく落ち着いてグラウンドを見渡した。

 「あっ、ネドベド」

CIMG5325_convert_20130813014419.jpg
 ネドベド発見。これは姉が何となくスタジアムを撮影した写真。姉はネドベドに気づかなかったらしいが、写真を後から見返すと映っていたネドベド。思わずネドベド。

ボローニャ対ユヴェントス

 試合前の先発選手紹介は、ホームのボローニャの選手紹介は華々しく、現行掲示板の画像つきで、対照的にユヴェントスの選手紹介は、とってつけたように早口で事務的だった。ボローニャのキャプテンで、イタリア代表にも呼ばれているディアマンティの時には大きな拍手が起こり、大人気であった。

ボローニャ対ユヴェントス
 さーて選手が入って来たよ。

ボローニャ対ユヴェントス
 握手してるよ。

 試合開始。

 それにしても、ボローニャファンは、熱いサポーターだと聞いていたのに、ここがメインスタンドとは言え、ボローニャグッズを身に着けている人が少ない。それ以前に、試合に対するリアクションがかなり少ない。皆、静かーに観戦している。

 試合が進むにつれ、その理由がじわりじわりとわかってきた。…どうやら、スタジアム内には、かなりの数のユヴェントスファンが潜伏しているようなのだ。ユヴェントスは、そろそろ今季のリーグ優勝が秒読み段階に入ってきているため、盛り上がってきているサポーターがアウェイのスタジアムに集まってきたようで、とにかく、ユーヴェがチャンスの時に、グッとこぶしを握っている観客が多い。さすがに、アウェイのスタジアムなので、あからさまにはユヴェントスを応援しないようにしている観客が多いため、皆、盛り上がり切らず、スタンドがちょっと微妙な空気に包まれているのだ。

 …ということは、この試合のチケットが、前日に売り切れてしまったのは、どうやら、集結してきているユヴェントスファンに原因がありそうだ。ボローニャが、この前の試合で、強豪のインテルに勝利したので、興奮したボローニャファンがチケットを買い占めてしまったのかと思っていたのだが、違ったんだな。ボローニャはトリノからも近いし、またどこからでも来やすい交通の要所にあるので、北部・中部イタリアのユヴェントスファンが集まってしまったらしい。

 ボローニャファンとユヴェントスファンが入り混じる、非常に微妙な気まずい雰囲気のメインスタンド。イタリア人は、サッカー観戦の時は、全くの他人でもすぐに隣の人に話しかけ、いろいろ議論しながらサッカーを見るものなのだが、皆、隣の人が、ボローニャファンかユヴェントスファンかわからず、同志なのか敵なのか不明なので、互いに話しかけず、シーンとしているスタンド。

 姉が撮影してくれた写真を何枚かドウゾ。

ボローニャ対ユヴェントス
 ボローニャのエースストライカー・ジラルディーノ。相変わらずの童顔ながら、そろそろベテランの域に入って来たけど、もう一度得点王争いに絡むようなシーズンが見たいものだ。

ボローニャ対ユヴェントス
 母が大好きなピルロ。まだまだアズーリのエース。それにしても、このヒゲはムサ苦しいし似合ってない。ヒゲ反対。

ボローニャ対ユヴェントス
 ちっちゃい選手はジョビンコ。正岡子規にそっくりだと思う。あと、「進撃の巨人」のコニーにもちょこっと似てる。

ボローニャ対ユヴェントス
 コーナーキックを蹴りに来たピルロ。ちなみにイタリア語でコーナーキックはカルチョダンゴロ。なかなか一度聞いたら忘れられない、日本人にとっては強烈な響きだ、カルチョダンゴロ。

 ハーフタイムを挟んで、後半開始直後。微妙な空気が流れていたスタンドに、ボローニャファンなのか、ユーヴェファンなのか、踏み絵の瞬間が来た!フリーキックから、ジラルディーノが頭で合わせて、ボローニャ先制ーーー!このゴールで喜んでいるのがボローニャファン、シーンとしているのがユーヴェファンっ!

 私は、ここで好きな選手ジラがゴールを決めたことで喜んだため、隣に座っていたボローニャファンのおじさんに、ボローニャファン認定された。おじさんは、私のことはユーヴェファンだとうたぐっていたらしく、驚いていた。おじさんと一緒に喜んだのだが…残念ながら、このゴールはオフサイド判定で取り消されてしまった。ちえっ。ボローニャでジラゴール見れたと思ったのにな。

 そして、その10分後には、ボローニャディフェンスの隙をスルスルとついて、一瞬にして、ヴチニッチが華麗なゴールを決め、ユヴェントスが正真正銘の先制。このゴールに飛び上がって喜んでいる観客の、多いこと、多いことっ!スタジアムの半数以上が、どうやら隠れユーヴェファンだったらしく、いったいどちらのホームゲームなのかわからない状態。そっかー、ユーヴェファンが観客のほとんどだったから、スタジアム行きのバスなどで、ボローニャグッズに身を包んだファンが少なかったのだなー。隣のおじさんも、「みんなユーヴェ応援だ…信じられない…」と呟いていた。

ボローニャ対ユヴェントス

ボローニャ対ユヴェントス

 このゴールで、自分たちが多数派であることを確信したユーヴェファンは、この後は、まったく隠さずにユーヴェの応援を始めたため、完全にスタジアムは、ユーヴェのホーム状態になってしまった。でも、それでイザコザを起こしているボローニャファンはほとんどいなかったので、想像以上にボローニャファンは熱くなくておとなしいと感じた。まあ、メインスタンドだったからかもしれないけど。

 ユヴェントスは、この後、さらにマルキージオのゴールで追加点。今シーズンもつつがなくユヴェントスが優勝しそうだね。

ボローニャ対ユヴェントス

 さて、0-2となり、離れて座っている母や姉と合流するため、試合終了10分前にスタジアムを出る約束をしている私は、隣のおじさんとお別れして、階段を下った。姉と母は既に、待ち合わせ地点にスタンバッていた。10分前にスタジアムを出れば、人波にもみくちゃにならないので、スイスイ帰ることができるけど、ロスタイムのギリギリまで席を立てないような、スリリングな試合だと、なかなか終了前に席を立つことは難しい。そういう熱いサッカーの試合も見たいんだけどねえ。最近のイタリアサッカーは、本当に低迷してきている。

 というわけで、つつがなく元のバス停に戻り、つつがなく中心街に戻ることができた。まあ、この試合は、ラスト3枚だけ残っていたチケットを、ギリギリのギリギリで入手したことが一番のハイライトであろう。今までのイタリア旅行の中でも、最大級の綱渡り経験であったことは間違いあるまい。

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貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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好きなイタリアの画家はボッティチェリ!

(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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