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3/18モンレアーレ1 道は無秩序で敷き詰められている

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パレルモからモンレアーレへ半日遠足
●パレルモからモンレアーレのドゥオーモへ至るまで

 「パレルモまで来てモンレアーレに行かないヤツは驢馬である」という、有名な旅人格言がある。

 モンレアーレというのは、パレルモから約8キロ離れた、小高い山の上にある。モン/レアーレと区切ると、イタリア語的には、「王様の山」みたいな響きの地名だ。

 モンレアーレには何があるかというと、荘厳なモザイクで飾られた大聖堂がある。この大聖堂が、あまりにもスバラシイらしいのだ。「見に行かないヤツは驢馬」と言われるほどの大聖堂らしいのだ。

 もちろんこの大聖堂は、町の「ドゥオーモ」である。イタリアではどんな町にも、ドゥオーモと呼ばれる、町の中心となる教会がある。だが、このモンレアーレのドゥオーモは、モンレアーレの町の小ささを考えると、不釣り合いなくらい豪華絢爛で大規模な建物だと言われている。

 何で、そんなタダモノではないドゥオーモを、小さな町に作ったのさ?と言うと、もちろん、モンレアーレが、大都市パレルモと近い位置にあることと関係がある。

 ノルマン王家がシチリアを支配し、パレルモがその中心都市だった時代に、時の王グリエルモ2世は、パレルモの大司教の権力が強大化しすぎていたのを懸念した。そこで、わざわざ、ちょっと近くの町に大聖堂を作り、司教座を置いて、別の司教でも置いて対抗させようとしたのだろう(「シチリアへ行きたい (とんぼの本)」にこういうことが書いてあった気がする)。

 権力争いのために造られた聖堂であるから、きらびやかに装飾されるのは当然のことである。世界遺産として、人々の目を楽しませ、驚かせる人工物のほとんどには、権力というものの影がちらついていることだろう。

 さて。「パレルモからモンレアーレに行かないやつは驢馬だぜ!」とか言う割には、パレルモからモンレアーレに、公共交通機関を使って行く方法について、情報は錯綜していた。

 まず、大前提として、行き方は3通りあるらしい。


1.王宮近くのインディペンデンツァ広場から市バスのAMAT社389番のバスで行く。所要30分(片道1.4ユーロ)
2.駅前からAST社のバスで行く。所要50分。(往復で3ユーロ)
3.2階建て観光バスがモンレアーレにも行くのでそれを利用する。

 …これだけ見ると、「アラ簡単。3通りも方法があって便利」と思うかもしれない。実際、私も最初はそう思った。しかし、調べれば調べるほど、パレルモからモンレアーレに行った人たちの旅行記…いや、ある意味戦記…は混迷を極めていた。

 特に、1.のAMAT社で行く方法が、今までは最もポピュラーだったらしいのだが、このAMAT社を使った人々が混乱していた。なぜか山の麓で降ろされて、そこからミニバスに乗り換えたとか、地元有志(?)の私設タクシーに乗せられたとか、そもそもバス停で「もうAMAT社はモンレアーレまで行かないよ」と言われて、他の移動方法に変更したとか。

 じゃあ、2.のAST社で行けばええやん、と思うかもしれないが、駅前のどこからAST社のバスが出るのかわからずに、結局乗れなかったという人がいた。これ、後日、我々も実感する(アンド痛い目を見る)ことになるのだが、パレルモの駅前のバス乗り場はほんっとーにわかりにくいし、イマイチ地元の人たちすら把握していない。

 最終的には、3.の観光バスでのんびり行けばよいのだが、しかし、観光バスは25ユーロくらいするらしくて、他の方法に比べてコストが高すぎる。高すぎる(2回言うな)。

 というわけで、日本ではいろいろ調べたのだが、最終的な結論は出なかった。そこで、パレルモの観光インフォメーションで聞いてみると、駅前からAST社のバスで行くように、とのこと(つまり2.の方法ね)。バス乗り場についても聞いてみると、駅前の微妙な場所から出ることも判明した。まーそれも、本当にそこからバスが出るか、行ったとこ勝負の感じもあるけどね!

 モンレアーレ行きの、AST社のバスが出ると教えてもらった「微妙な場所」とは、

パレルモからモンレアーレ
 駅前広場を渡った先。

 とりあえず、インフォメーションで教えてもらった、この「微妙な場所」に行ってみると、一応、バス停らしきものは、ある。バスの関係者らしいおじさんもいたので、「モンレアーレ行きのバスはここから乗れますか?」と聞くと、肯定の返事が返ってきた。待つこと数分で、白いAST社のバスがやってきて、行き先はモンレアーレと書いてある!ヨシッ!勝利ッ!

パレルモからモンレアーレ
 この建物の入り口前に、白いバスがやってくるよ。 

 切符は車内で、往復で購入して3ユーロ。観光客っぽい人たちが何人か乗り込んで、モンレアーレ行きのバスは出発した。パレルモの市内ではなく、城壁の外を通って行くらしい。

 ちなみに、上の方で説明した、バスでのモンレアーレへの行き方を見て、疑問に思った方もいるかもしれない。「インディペンデンツァ広場から広場から30分、駅前から50分って…。駅からインディペンデンツァ広場まで、時間がかかりすぎじゃないか?どう見ても、車で20分もかかりそうな距離じゃないだろ…。5分くらいで着くだろ?」。

 さらに鋭い方は、こう思うだろう。「その前に、パレルモからモンレアーレは8キロしか離れていないのに、車で30分ってかかりすぎだろ!車って、時速30~40キロで走る物体なんだから、30分もあれば、20キロくらい先まで行けるだろ!」。

 …その答えについては、実際にバスに乗ると、「なるほど…」と納得する。パレルモから西の方角、モンレアーレの方向へ伸びている道路は、無秩序混雑状態なのである!車線が3列だか4列だかわからない状態、つまりしっかり並んでいない状態で、ただただどの車も、やみくもに自分が進みたい方向に進むのである。交通ルールって何のためにあるのだろう…。

 そんなわけで、車は進んだと思ったら停まり、停まったと思ったら少しだけ進む、を、繰り返す。そりゃあ、駅からインディペンデンツァ広場まで20分かかりますよ。歩いた方が、もしかしたら僅差で早く着くかもしれない。

 インディペンデンツァ広場からも、このAST社のバスに乗れるらしく、何人か観光客が乗り込んできた。

 その時に、イタリア人観光客とおぼしき人が、AST社ではなくAMAT社の切符を見せて、「AMAT社のバスを待ってるんだが、全然来ない。こっちに乗せてくれ」と交渉していたが、もちろんダメだった。

 ていうか、車内でもAST社の切符は買えるんだから、素直にAST社の切符を買い直して乗ればよいのに、と思った。他社のバス切符で乗せてもらおうという、イタリア人の根性はある意味大したもんだぜ…。

 インディペンデンツァ広場からモンレアーレまでの道路は、さらに激混み&無秩序ぶりがアップした。結構広い道路なのに、車の数が異様に多すぎて、それが、無秩序に広がって前進して行く。さらに、道路に、テキトウに停めてある大型車などもあったりするので、さらに事態は混乱する。

 我々が乗っているバスの運転手さんは、結構強気で、強引に前進していく感じだった。そのため、何か腹に据えかねたことがあったのか、バイクを運転している男性が、わざわざバスの運転手の真横まで来て、並走しながら悪態をつき続けていたが、運転手は完全にシカトしていた。私、運転しないから誰が悪いのかわからないけどさ、コワイよ~。

 あの道路をもう少し交通整理したら、パレルモからモンレアーレまでは、もっと短い所要時間で行けるのではないかと、マジで思う。もうちょっと近ければ、歩いて行けるのに、歩いて行くにはちょっと距離があるんだよなー。

モンレアーレ
 さて。モンレアーレに着いた。こういう、わけのわからない場所で降りた。ドゥオーモどこ?一緒にバスを降りた、若い集団さんが、右斜めの方向へ歩いていくので、何となく着いていくワタクシたち。ちなみに、イタリアで、こんな風に、何となく着いていくと間違いであることも多いのでオススメしない(じゃ、お前らもやるなよ!)。

モンレアーレ
 右の方に歩いていくとですね、こういう、大型アパートの駐車場みたいなところに出るわけで、そこをさらにまっすぐ歩いて行って、突き当りの階段を上ってみるわけですよ。

 すると。そこに待っていたのは。

 地元のオヤジたち。

 そう、階段を上ったところに、モンレアーレのオヤジたちが、ずらーっと、「今日はどんな観光客が来るのかな」みたいに、横並びに立っていたのだ。その数、十数人。モンレアーレを見に来る観光客たち。その観光客を眺めるのが日課になっているオヤジたち。モンレアーレの日常って何なんだ。

モンレアーレ
  そのまま、オヤジたちの視線を浴びながら、右へ右へ歩いていくと、ドゥオーモが見えてきた。この狭い通りを抜けると、どどんと、広いドゥオーモ広場が広がった。

モンレアーレ
 ざ・残念ながら、盛大なる工事中ッ…!でもね、いいんだよ。モンレアーレのドゥオーモの真骨頂は、中身のモザイクなんだよ。中身勝負のドゥオーモ素敵(意味不明)。

 ていうわけで、今からモンレアーレのドゥオーモに入るわけだが、モンレアーレのドゥオーモはちょっとすごかったんだ。ちょっと長くなりそうなので、ここらでいったんページを改めます(今回の旅行記、こういう勿体ぶり方が多いな…)。

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