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壊れかけた城壁の誘惑

 前回の丘についてのコラムで、私は丘の上の城壁のある町が好きだ、と書きましたが、今回は城壁のお話です。

 イタリアでは、城壁に囲まれた町を多く目にします。これは、イタリア全土がイタリアとして統一された歴史は短く、ずーっと町が国家としての単位だったことに由来するのでしょう。城壁の役目は、何といっても、「外」と「内」を明確に分けて、「外」から「内」を守ることです。

 そもそも城壁は、古代ローマ時代から築かれていたようですが、現在、イタリアで我々が目にする城壁は、イタリアの都市国家が元気だった中世に築かれたもの、もしくは中世期の壁を後の時代に修復したものが多いです。

 また、城壁そのものが結構キレイに残っている町のほとんどは、それほど大きくない町です。ミラノ、ローマ、フィレンツェなどの大きな町の城壁は、門の部分などを断片的に残すだけで、ほとんど取り壊されてしまっています。

 近代化に伴い、また、イタリア統一に伴って、城壁は「いらないもの」になってしまったのでしょう。人間の武器が高度化し、戦闘機が飛ぶような時代に、城壁で町を守ることなどできませんし、近代化で物や人の流れが活発になると、城壁はその流通を阻害してしまいます。

 こうして、ミラノ、フィレンツェ、ボローニャなどの大きな町の城壁は、幹線道路へと姿を変えてしまいました。城壁のないイタリアの都市が、幹線道路でぐるっと取り囲まれていることが多いのは、そういう背景があるようです。

 さて。田舎にある小さな町の城壁は、壊す労力と、それによって得られるメリットを天秤にかけた時、おそらく前者のほうが大きく、ほとんどが古いまま残されています。もちろん、ここには、できるだけ古い街並みを保存したいという、地元の人々の郷土愛も働いているでしょう。

 有名な観光地で、非常に保存状態の良い城壁が残っているのはルッカです。城壁はきれいにぐるっと旧市街を取り囲み、市民たちの遊歩道として使われています。ルッカの城壁がこんなに保存状態が良いのは、ルッカがあまり近隣の町と戦争をしなかったからなのかもしれません(大国フィレンツェとピサに囲まれて、うまく立ち回ったと言われています)。

ルッカの門
 ルッカの城壁内に入る門。

 ルッカを訪問した時、しかし、このしっかりと残った城壁は、不思議に私の心に響きませんでした。城壁好きの私なのに、これはいったいどうしたことだろう…。ふと思ったのは、私は、壊れかけたボロボロの城壁の方が好きだ、ということでした。

 城壁は「内」と「外」を分けるもの。「外」から傷つけられないように「内」を守るもの。…これは何かに似ていませんか?―そう、人間が自分を守るために作る「心の壁」。これを否定的な言葉に転換すると「自分の檻」。つまり、城壁は、「外」から自分を守ると同時に、自分を閉じ込めてしまうものとして機能する可能性があるのですね。

 ここらへんは、狭い世界で生きることは、見知った人々だけに囲まれて安全である反面、町を歩くすべての人が知り合いであることの窮屈さがある、と言えばわかりやすいでしょうか。安直な二元論で言えば、田舎=安全=窮屈、都会=危険=自由という図式です。

 ルッカの屈強な城壁は、もしかしたら前者の図式を、非常に強く私にイメージさせてしまったのかもしれません。もう少し崩れかけた城壁の方が、内と外とのギリギリのせめぎ合いという深層心理的なイメージを呼び起こし、どこか風情のあるものとして胸に迫るのかもしれません。

 とは言っても、城壁には扉がありますので、屈強な城壁と言えども、完全に外と断絶されているわけではありません。その意味で、私が受け取っているイメージには誤りがあります。ですが、扉は自分の力で開け閉めできるので、あまり危険なイメージは伴いません。それに対し、壊されかけた城壁、そこには危険を伴う自由への誘惑が隠されているように思うのです。

 そういうわけで、高い高い城壁を築き、その中で閉じこもって生きちゃなんねえな!と、次に城壁を見た時には、自分を奮い立たそうと思いました。私はどちらかというと、自分の殻に閉じこもる傾向があるのでございます。ですが、宇宙が膨張しているように、私の小宇宙も広がり続ける本能があるはずです。何で城壁の話なのに、最後に宇宙が出てきてしまったんでしょうねえ。

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