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3/16ボローニャ2 イタリアの中の異国

<今回のイタリア旅行記メニュー>
●ボローニャの斜塔
●ジェラート屋「La Sorbetteria Castiglione」

 ボローニャで初めての朝を迎えた。

ボローニャ

 ボローニャで宿泊したB&Bは、設備が近代的で快適であった。洗濯機も、アマルフィのホテルにあったものとは違って、きちんと脱水までしてくれたため、洗濯物がよく乾いた。何から何までぬかりがなく、ストレスなく過ごせるB&Bであった。

 イタリアで、全くのストレスなく過ごせるホテルというのは珍しい(私はラグジュアリーなホテルには宿泊できな…イヤ、しないので、そういうホテルはどうかわかりませんですよ)。どんなに評判がよくて、どんなに親切なホテルでも、一つ二つ抜けたところがあるのがイタリアなのである。

 このB&Bだけでなく、ボローニャの町自体が、イタリアらしからぬ、しっかりした町である。観光のためにB&Bを出たのだが、道に、ワンちゃんの落し物が落ちてない!!!もうね、道端のアレは、私はもはやイタリアの風物詩とまで諦めていたのですけどね、ボローニャには、ないッ!!!それだけで、一定の間隔で下を確認して歩かずに済むので、ストレスが激減するのである。

 また、ボローニャのエコ精神を反映しているのか、街角に停めてある自転車が多い。そして、その自転車が、イタリアでよくあるように、適当にてんでばらばらに置いてあるのではなく、指定の位置にしっかり固定して停めてあるのである!

 さらに特筆すべきは、自動車の路駐である。道に車がずらーっと(おそらく)違法駐車されて並んでいるのは、これまたイタリアの風物詩と私は思っていた。ここボローニャにも、確かに路駐はあった。だが、その路駐は、しっかり引かれたラインの中になされている。

ボローニャ
 この左側に路駐してある車を拡大してみますね。

ボローニャ
 ホラ、こんな風に、ちゃんと黄色いラインの内側に停車しているんだよ!

 これが合法なのか違法なのかはわからないのだが、ここボローニャの路駐には、それなりの秩序があるようなのだ。そのためか、他のイタリアの町でありがちな、路駐がずらーっと並んでいるせいで、歩行スペースがなくて歩きにくいというようなことはほとんどなかった。

 そんな、きちんとした町ボローニャ。おそらく、イタリアで最も日本に近い町なのではなかろうか。人々も背筋を伸ばしてきびきびと歩き、イタリアでよく見かける、自分の家の前で所在なさげに突っ立ってる中年男性…通称ヒマオヤジを、ここボローニャでは一度も発見できなかった。一度も、である!そのため、ボローニャにいる間中、どうも私はイタリアにいる感じがしなかった。ここはイタリアの中の異国なのであろう。

 さて、そんなボローニャのシンボルは、寄り添うように傾いて建っている二本の塔、通称「ボローニャの斜塔」である。

ボローニャ
 左のちびちゃんの塔(ガリセンダの塔)は、明らかにデカイ塔(アシネッリの塔)の方へ寄り添うように傾いているんだけど、デカの方は、どこが傾いてるんだか、遠目ではよく分からない。デカイ方がもっと傾いていれば、観光客にもっと人気が出るんだろうけどねえ。

ボローニャ
 こちらは、ちびの方の、下の土台の部分。ここを見ると、どれだけ傾いているのかがよくわかる。手前の、修復のための足場が組んであるのがデカの方。こちらは、ぐるっと一周して、いろんな角度から見てみたんだけど、やっぱり傾いているのはわからなかった。

 デカの方は、上まで上ることができる。ボローニャの赤い街並みを上から見てみたいと思っていたので、イザ上ることにした。

ボローニャ
 おじゃましまーっす!

ボローニャ
 これから上る階段を見上げてみた。塔の中は、サン・ジミニャーノの塔と同じように、中身はスッカスカである。おそらくこの塔もサン・ジミニャーノと同じように、権力闘争で自分の権威を見せつけるために、ただただ高く作る目的で作られたのだと思う。権威を競うことなど、中身のない虚しいことなのだということを、うまく後世に伝えているというわけだね。

 上りの階段は、それほど長いとは感じず、今まで上ったイタリアの塔の中で、キツイ方とも思わなかったのだが、一部、階段と階段の間が、あまりにミニマムな部分があった。日本人女性の中でも小柄な方で、しかも短足の私でさえ(自分で言っててツラくありませんよ、ツラくなんか!)、この階段は小さすぎるのでは…と感じた。もっと足の長い欧米人男性などは、ここの部分を上るのは、実に大変なんじゃないだろうか。

 最初、一段飛ばしで上がろうと思ったのだが、それでも、一段の幅が、靴が入りきらないくらい狭いので、つま先だけで上るような形になってしまってツライ。いったいこの階段は、こびとのための階段とでも言うのか…!とにかくアスレチックみたいな階段なので、ヒールのある靴では上れないと思った。

 そのミニマムな階段を何とか突破して、屋上に出た。

ボローニャ
 赤いボローニャっ………と言いたいところなのだが、想像していたほど赤くない。もっと強い赤色を想像していたのだけど、ソフトで優しい赤色だ。イタリアは、赤レンガの屋根の色が目立つ町は結構多いのだけど、ボローニャの特徴は、屋根だけでなく、外壁まで、赤・オレンジ系統で塗っている家が多い。

ボローニャ
 ボローニャの旧市街は、マッジョーレ広場を中心として、道が放射線状に延びているのが特徴だが、その放射線状に伸びている道が一番わかる部分。おそらくサント・ステファーノ通りとカスティリオーネ通り。

 南西方向には、丘の上にある教会が見える。

ボローニャ
 私「こっ…これは、おそらくマドンナ・ディ・サン・ルカ教会っ!」

 マドンナ・ディ・サン・ルカ教会とは。ド直訳すると「ルカの聖母教会」という意味だが、ここに祀られている聖母子像の絵は、史上最初に聖母子像の絵を描いたとされる、福音書記者のルカさんが描いたものだと言われている。この絵が完全に本物だったらもっと有名な話だと思うので、おそらく言い伝えという程度なのだろうけど、このサン・ルカ教会が面白いのは、その絵があるからではない。

 ボローニャには、年に一度、この聖母子の絵を、丘の上の教会から中心街へ降ろし、また丘の上に戻すという行事がある。これは、昔、ボローニャがピンチの時に、この絵を中心街まで持ってきたら、ピンチが終わった(すっごくうろ覚えの情報!)というエピソードにちなんだ行事らしい。

 で、この行事の際に、聖母子を運ぶ時、雨などで聖母子が濡れたらタイヘンだというわけで、何と、中心街からこのサン・ルカ教会までアーケードを作っちゃったのだ!そう、ボローニャの中心街は、ポルティコと呼ばれる、柱で支えられた屋根付きの通路が有名だが、そのポルティコは、中心街を飛び出して、サン・ルカ教会のある丘の上まで続いているのだ!その距離、4キロ!すごいこと考え付くボローニャ人だ。

 その、丘の上まで4キロも続いているポルティコを歩いてみたくて、今回の旅行で、旅程に組み込もうと画策したのだが、何せ、ボローニャには3泊しかしない。カメみたいにのそのそ動く我々のスピードを鑑みた時に、どうしてもこの4キロ往復ウォークを組み込むことはできなかった。サン・ルカまで観光客を乗せて、浮かれて走るオモチャみたいな汽車型バスもいるらしいんだけど(その名もサン・ルカ・エクスプレス)、やっぱり、サン・ルカに行くには、ポルティコを歩いてなんぼだよなあ…。

 ちなみに、普通であれば、3泊もしたら、余裕でサン・ルカ遠足に行くことができるだろう。何で我々の観光速度はこんなにのろいのであろうか。母と姉はどうだか知らないが、こと私に関しては、食事なども、ものすごくのろいスピードで食べる人間である。意図的に遅く食べているんじゃなくて、天然で遅いのだ。スローフード教会から表彰されたいくらいである。どうも私は、時間の使い方の感覚が、人間平均を、大きくのろい方向に下回っているようだ。でも、のろいんだからしょうがない。スローライフに幸あれ!(ちなみに実際にはスローライフとは、私のように、単にいろんなことがのろいだけの人生を指す言葉ではない。私の人生は、さしずめカタツムリ人生)

 てなわけで、この傾いているんだかどうだかわからない塔を下りた。下りる時も、幅がこびとサイズのミニマム階段には苦労するので、注意されたし。(注意したって苦労するわけだから、どうしようもないわけだが!)

 さて、塔を下りた後は、先ほど塔の上から見た、マッジョーレ広場から南東へと放射線状に延びている、カスティリオーネ通りを歩くことにした。何しに行くかというと、郵便局に行くのだ。そして、この通りの先にある、「La Sorbetteria Castiglione」という、B&Bのオーナーのケッティが「ファンタスティコ!(イタリア語でファンタジーの形容詞にあたる)」と称したジェラート屋さんに行くのだ!

 ボローニャの郵便局は、ボローニャらしく、キレイだった。ボローニャのキレイさというものは、芸術的な美しさというより、清潔で秩序立った美しさた。イタリアで、ボローニャの正反対の極に位置する町は、おそらくナポリではないかと思う。日本人にとっては、ボローニャの秩序はさほど珍しいものではないが、イタリア旅行の途中にボローニャに立ち寄ると、かなり新鮮である。ボローニャのボローニャらしさを体感するためには、他のイタリアの町を経験してから、ボローニャを訪問するのがよいだろう。

 などと、ボローニャをほめまくっていたら、この郵便局近くで、残念ながら、犬のウンコを見つけてしまった。うーん、残念っ!しかし、3日間の滞在で、ボローニャで遭遇した犬のウンコはこの一度だけであった。このウンコさえなければパーフェクト達成だったのになあ。罪深いウンコ。(ウンコの話終わり)
 
 さてさて。このままこの道をまーっすぐ行くと、ケッティおすすめのジェラート屋さんだよ!「La Sorbetteria Castiglione」は、左手の方に見つかった。

 ジェラートだけでなく、お菓子やパニーノも販売していて、お店の左側はバールのような雰囲気、右側がジェラート屋さんになっている。先にバールのレジで会計してから、ジェラートのフレーバーを選ぶ方式である。全員、フレーバーを3つ選べる、2番目に小さいカップにした。

 ジェラート売り場の方には、上の方にメニューが大きく掲示されている。それぞれのフレーバーが、卵や小麦などが入っているか否かなどが、イラストで記されている。アレルギー持ちの方のための表示だろうか。このへんの細やかさが、いかにもボローニャらしいお店だ。

 そして、目を引いたのは、な・なんと、Senza Zucchero…ノンシュガーのフレーバーが、右端にあるっ!ジェラートなのにノンシュガーっ?スイーツなのにノンシュガーっ!?もし、これが美味しければ、ダイエットとジェラートを両立したいオトメにとっては、コペルニクス的転回のジェラートになるぞっ!というわけで、ノンシュガーフレーバーは、試しに選ぶことにした。ノンシュガーの下には、おそらくノンシュガーな上に無脂肪のシャーベットのフレーバーが…。

 あー、どれを選んでいいのかわからないよーっ!結局私は、ピスタチオ、「Gremozo di riso」というライス入りのフレーバー(私これ好きなんですよ)、ノンシュガーのミルク味を選んだ。

ボローニャ

 左側が私のジェラート。右側が母の選んだジェラート。母は、ノンシュガーのピスタチオ、Dolce Muというチョコレート風味のフレーバー、ヨーグルトのラインナップ。ちなみに、母がDolce Muを選んだのは、母の愛猫が「ムウちゃん」という名前だからである。

 このジェラートを盛ってくれた店員さんは、愛嬌たっぷりで、私の舌足らずなイタリア語がおもしろいのか、ひとつひとつ私の真似をしながら注文したフレーバーを復唱していた。だが、注文を復唱するジェラート屋の店員さんなんて、イタリアで初めてだと思う。このへんもやっぱりボローニャだからなのか。母には、「ブラーヴォ、ママ!」と言って、ジェラートを手渡していた。フレーバーのチョイスがいいってことなのかしら?

 で、食べてみると、………美味しいっ!しっかり練ってあって、舌触りが最高っ!ノンシュガーのフレーバーも、ノンシュガーとは思えないくらい風味がしっかりしていて美味しいっ!すべてのフレーバーが美味しかったけど、特に、姉が注文したEdoardoというマスカルポーネの入ったフレーバーは美味しかった!ホラ、家族だからね、隣からつまんで私も食べたわけですよ!

 …こんなに美味しいと…私の脳内で、イタリアンジェラート店ランキング・王座決定戦が行われてしまうわけですよ。現在の王者は、堂々のフィレンツェ・ペルケノ。今まで、数々の挑戦者を、割と軽くかわしてきたペルケノなのだが、今回の挑戦者は…かなり手ごわいぞ…!

 私の中では、味自体はペルケノの方が上、ジェラートの口ざわりの良さは、こちらの「La Sorbetteria Castiglione」の方が上という感じだ。母は、「ノンシュガーがあるから、こっちが上」と言っていて、姉は「フレーバーの数が多いからペルケノが上」と言っていた。どちらが上かはもう好みの問題と言う感じだが、この2つのお店が、私の脳内で東西横綱の位置にしばらくは鎮座しそうだ。どっちが東の横綱かは、もう、季節やその日の調子によるって感じだろう。(知らない方のためへ。東の横綱の方が西の横綱より上。)

 というわけで、ペルケノの王座をおびやかすようなジェラート屋さんに出会えて、幸せいっぱいの母娘3人。美味しいジェラートに出会えると、それだけで、その町のことを愛せるような気がしてくるのはどうしてだろう。

(長くなってきたのでこの日の散歩は次回に続く)

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貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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