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3/1ローマ13 どっちの天使ショー

<今回のイタリア旅行記メニュー>
●4つの噴水
●サン・カルリーノ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会
●サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会

(ここまでのあらすじ:バルベリーニ宮(国立古典絵画館)を鑑賞)

 バルベリーニ宮を出た後は、母が今回はものすごいベルニーニモードなので、ベルニーニの天使像のあるサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会に行く予定。

 …なのだが、バルベリーニ宮を出ると、そこはクアットロ・フォンターネ通りだった。

バルベリーニ宮
 この通り。この写真は、前回の旅行記の使い回しだね!

 クアットロ・フォンターネ…って、イタリア語で4つの噴水…。お姉さんや、もしかして、4つの噴水がすぐ近くにあるの(姉は怖いくらいにローマに詳しい)?姉「すぐそこだよ」。

 というわけで、ちょろっと4つの噴水に立ち寄ることにした。

 4つの噴水とは。バルベリーニ宮前の坂になっているクアットロ・フォンターネ通りを、そのまま上って行くと、交差点にぶつかる。その交差点の四つ角にはそれぞれ、噴水がしつらえてあり、この交差点は4つの噴水に囲まれて、独特の雰囲気を醸し出している。

4つの噴水
 地図にするとこんな感じ。この地図、北が上になってないのでご注意を!(南東の方角が上です)ちなみに、たったこれだけのしょぼい地図を書くのに、1時間以上かかったのは内緒である(って書いてるけど)。

 それぞれの噴水には、名前がついていて、寝転がっている女性がディアナ(ギリシャ神話の月と狩りの女神アルテミス)、鳥を足元に従えている女性がユノ(ギリシャ神話のゼウスの妻で家事の女神ヘラ)。もさもさっとしたおっさんがテヴェレ川の寓意像、ライオンが頭の近くにいるおっさんがフィレンツェのアルノ川の寓意像だそうな。

4つの噴水 ユノ
 こちらが、4つの中で一番気に入ったユノ。ユノはふつうはクジャクを従えているのだが、足元の鳥はどう見てもクジャクじゃないなあ。噴水だから、水鳥にしなきゃ、と製作者が思ったのかなあ。

 ちなみにこの4つの噴水、パッと見たら、一体どこが噴水っ?タダの銅像じゃないの?と思ってしまう。日本人の感覚では、噴水ってのは、派手に、垂直に水が吹き上がっていなきゃと思うわけですよ。よくよく見たら、全ての銅像の、どこかからチョロチョロと水が流れている。この4つの噴水に限らず、ローマの噴水は、派手なウォーターショーが見れるわけではなく、むしろ水よりも彫像の方が主役である。

 それぞれの噴水を撮影したかったのだが、この交差点、ものっっっすごく交通量が多くて断念した。そういえば、3年前に来た時も、あまりの車の多さに、写真撮影を断念した気がする。今回はがんばって一つ撮影した。偉かった。まあ、4つの噴水に囲まれてなんぼって場所なので、実際に囲まれて、車風にびゅんびゅん吹かれてみてくださいっ!

 通りを渡ってすぐのところにある、サン・カルリーノ・アッレ・クアットロ・フォンターネ教会は、独特に美しい天井を持つ教会である。一目だけ見よう、ということになったのだが、あまりの交通量の多さにあちら側に渡るのも至難の業。

 やっとのことで道路を横断し、教会に入り、楕円形に装飾された白い天井を見上げた。3年前と同じ感動がよみがえる。非常に不思議な気持ちになる、神秘的な天井である。

 どれだけ神秘的かと言うと、3年前にこの教会に入ったときも、この天井を撮影したつもりだったのだが、帰国後にカメラを見てみたら、その写真がなかった。まあ、間違って消しちゃたんだろう、とその時は思った。で、今回こそは撮影するぞ、と意気込んだ記憶はある。だがやっぱり、後で見ると写真が残っていなかった。神秘である。超常現象である。だが、これが超常現象だと考える専門家(誰だそれ)は少なく、おそらく、この教会に入る前に、交通量の多い道を横切るのに疲れるので、その疲れのため、教会内で頭がボーっとしてしまって撮影を忘れている、と言う説が有力。

 さて。4つの噴水は、つい、おまけで訪問してしまったので、軌道修正しようぜ!本日、バルベリーニ宮の次に訪問する本命の教会は、サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会

 前述のように、この教会にはベルニーニ作の天使像がある。サンタンジェロ橋をもともと飾っていたオリジナルの像である(現在、サンタンジェロ橋にはレプリカが置いてある。このレプリカもステキなんだけどね!)。

 このサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会は、私にとって思い出深い教会である。3年前、ローマの町をうりうり歩いていた私は、待ったなしのトイレ危機に陥った!どこでも見つかるはずのバールが、なぜか見つからず、ワラをもすがる気持ちで、目に入った教会に入り、「ト、トイレを貸して下さい…」とすがりつくと、教会関係者がトイレのカギを貸してくれて、事なきを得た。そして、トイレから出てきた私を待っていたのは、美しいベルニーニの天使像だった!(たまたま入った教会が、ここサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会だったというだけの話)…という、涙なしでは語れない、奇跡のような美しいストーリーがここで生まれたのである。

 というわけで、私は、次にローマに行ったら、サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会にお礼を言いに行かなきゃと思っていた。だって、あの時絶体絶命の危機に面していた私を、ベルニーニの天使像が救ってくれたのだから(ホラ、まあ、ちょっと浸りたい旅人だから…)。

 でも、その前に、バルベリーニ宮からノンストップで歩き通しているので、サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会近くで、ちょっと休憩することにした。だけど、3年前も、あの辺はバールが無かったんだよなあ…と思いながら歩いてみると、サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会をちょっと通り過ぎた所に、女子向けのオシャレなバール兼カフェがあった!オウっ!3年前も、もう少しだけ歩けば、バールがあったのね!い、いやっ、3年前バールが見つからなかったのは、ベルニーニの天使像に出会う運命だったからなのだよ!

 女子向けのオシャレなバール兼カフェとは言っても、まあ、イタリアなので、代官山などにありそうなオシャレカフェを想像してはならない。非オヤジ的バール、というだけの話である。皆、甘いお菓子をひとつと、コーヒーを頼み、テーブル料金込みで15ユーロだった。なかなか美味しくて、疲れが取れた!Pasticceria Nobelというお店である。サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会近くで休憩したい方にはおすすめ!(公式サイト→Pasticceria Nobel

 甘いもので一服したところで、いざサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会内へ!

 この教会は、3年前に訪問した時もそうだったのだが、今回もミサの最中であった。だが、ミサは一画だけを使って行っているので、観光客がミサ中入っていけないということはない。また、ベルニーニの天使像は、3年前も今回も、ミサの行われている礼拝堂とは、遠い場所にあったので、ゆっくり鑑賞できた。

 天使くん、3年ぶりっ!3年前はお世話になりましたっ!

サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会

サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会
 
 …本当に、この天使は素敵だ。私がトイレから出てきた時に、目の前にこの天使がいた、あの感動は、いまだ忘れることができない。ちなみに、トイレは、この天使くんのすぐ後ろ側の通路から行けるのだが、普通は観光客に開放していない場所なので、勝手に入っちゃダメよ!トイレの話はこのへんで終わりっ!

 それにしても、このしなやかな体つき、清らかでどことなく色っぽい表情。この天使の周りの空気が、やわらかく感じるような天使くんだ。ベルニーニの真骨頂とも言える天使像だと思う。いつまで眺めていても見飽きない、心に沁み入ってくる天使像。しかも、この教会は、あまり観光客が多くないので、じっくり眺めることができる。初めてこの天使を見る母は、かなり長い間この天使と向き合っていた。

 母と姉は、ずーーーっとこの天使くんの周りをウロウロしていて、私はハッと気づいた!「ちょっと!天使くんはもう一人いるじゃないのよ!あっちの天使くんも見てあげようよ!」

サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会
 左側にいるもう一人の天使くん。
 
 母と姉の反応は、「えー。だってこっち(右側)の方がかわいいんだもん」。…すぐにマイノリティになりたがるちょっとイタイ癖のある私は、母と姉が目をくれない天使くんに寄って行ってみた。まあ、私も3年前は、右側の天使くんばっかりにフィーバーして、こっちの左側の天使くんのことは覚えていないんだよな。

 で、よくよく顔をのぞきこんでみると…もう一人の天使くん、近くで見ると、遠目で見るよりオトコマエじゃんっ!

サンタンドレア・デッレ・フラッテ教会

 「ちょっと、おかーさん!おねーちゃん!こっちの天使くん、下から見上げるとかなりオトコマエだよ!」と私が声をかけると、姉も母もゾロゾロと寄ってきた(たった二人なのにゾロゾロってのはおかしいな)。「あ、ホントだね。カッコイイね!」。

 パッと見、険しい顔をしているのでかわいく見えない天使くんなのだが、彼は、かわいさを売りにしているのではなく、悪と戦うカッコイイ天使なのである。そうよね、キリスト教では天使ってのは、かわいいだけではなく、勇ましくもあるのよね。

 てなわけで、右側の天使くんが、天使の美しさ、清らかさ、優しさを表現した「柔」の天使ならば、左側の天使くんは、強さ、正しさ、勇敢さを表現した「剛」の天使と言えるのだろう。おそらく、3年前に私をトイレに導いてくれたのは右側の天使(トイレの話は終わったんじゃなかったんですか?)。

 ここサンタンドレア・デッレ・フラッテ教会からホテルまでは、母のリクエストで、夕刻の暗くなったローマの町を、歩いて帰ることにした。サンティニャツィオ教会に立ち寄り、パンテオンの中に入って…って、時刻もルートも昨日姉と二人で歩いたコースと同じで、あまりにもデジャヴなので(いや、デジャヴの使い方間違ってるだろ…)、省ー略っ!昨晩の旅行記を見てください☆(超手抜き)→2/28ローマ10 はじめから無いものは見つからない

 ホテルの近くのカフェのようなお店で、夜ごはんに食べるパンを買った。たった80セントだった(日本円にして100円以下)。たった80セントしか買わない日本人の客に、それでも店員さんは喜んで、その中の一人の女の子が、「ジャッポネージ(日本人)?」と聞いてきた後、おもむろに日本語で、「ワタシハ、アナタノ、学生デス」と言った。しーん。

 「日本に留学したことがあるんですか?」と、つたないイタリア語で聞いたら、全然違くて、女の子の彼氏が日本語を勉強しているらしい。何がどうしてワタシハ、アナタノ、学生デスになってしまったのだろうか。
 
 その後、ミネラルウォーターだけささっと買いたかったので、母と姉を道端に置いて、私一人でスーパーに入った。一番お買い得のミネラルウォーターが一番高い棚にあったので、足がつりそうになりながらがんばってたら、後ろから長身のスラっとした女性が、すっと取ってくれた。カッコよかった。これが男性だったら、恋物語のハジマリだった。スーパーを出る時、やけに皆に見られてるなと思ったら、店内カゴを左手に下げたまま店を出ようとしていた。日本人カッコ悪かった。

CIMG3979_convert_20130415013541.jpg
 こちら本日の夜ごはん。なんと母が、豆の煮込み料理を作ってくれた。だいぶ美味しかった。何だか母はイタリアのマンマみたいになってきたな。ちなみに、豆料理の引き立て役は、中央にある80セントのパンである。

 ふー。ローマ5日目にして、ようやくローマに慣れてきた。3回目のローマだと言うのに、ローマはやっぱりデカくて、デカイ上に見どころも多すぎて、なかなか歩いても歩いても制覇できない。ゲーテがイタリア紀行 下 (岩波文庫 赤 406-1)の中で「ローマは一個の世界であって、それを通暁するのには、まず数年を必要とする」と書いていたが、確かに、年単位で滞在しなければ、ローマを堪能しつくすことは不可能かもしれないなあ。

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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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