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3/12ミラノ3 干上がっていても、私は運河。

<本日のイタリア旅行記メニュー>
●サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会
●ナヴィリオ運河

 さて、ドゥオーモの屋上に上った後は、途中の教会に立ち寄りながら、ナヴィリオ地区へと向かうことにした。

 ナヴィリオ地区とは、最近、ミラノでホットな地域である。昔の運河跡が残っている地区なのだが、最近、若者のためのお店などが増えて、カジュアルでおしゃれな地区へと変貌しつつあるそうだ。実はミラノは、昔は運河が張り巡らされていて、重要な交通手段となっていたらしい。現在でも運河が残り、たくさんの観光客を呼び寄せているヴェネツィアと違って、ミラノの運河は次第に埋め立てられていった。現在のミラノの市街地をぐるっと取り囲む環状道路は、かつての運河を埋め立てた跡だそうで、そんなエピソードからも、運河がかつてはミラノの主要な道であったことがうかがえる。

 このへんの話は、旅名人ブックス96 ミラノ・イタリア湖水地方で読んだのだが、この本に、「ミラノはかつて運河の町だった。だからこそ、ミラノで一番最初に訪れたいのは、運河の町の名残りの残る、ナヴィリオ地区である」などと書いてあった。いや、旅名人ブックスさん、その通りっすよ!残念ながらミラノ訪問はこれが2度目なので、ナヴィリオ地区を、いの一番に訪問することはもうできないけど、ミラノ観光は、ナヴィリオ地区を味わうことが、趣深い旅になるってもんですよ!

 …と、完全ににわかナヴィリオ地区信者になった私は、「別にミラノで運河見なくても…」って感じだった姉と母に、「いやー、わかってないねえ。ミラノは昔は運河の町だったんだよ。その歴史の残り香を味わうこともせずに、ミラノを旅したって言えるのかなああ?」と、エラソーに本で身につけたばかりの知識をひけらかしまくった。というわけで、ナヴィリオ地区行きは、結構私が強引に決めたのである。

 ドゥオーモからナヴィリオ地区までは歩けないこともないのだろうけど、時間ももったいないし、途中のサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会というところまでトラムで行き、その教会を鑑賞した後、ナヴィリオ運河地区まで歩くことにした。ドゥオーモからサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会までは、16番トラムで行けばよい、と地球の歩き方に書いてあったので、16番トラムの乗り場へと行った。

 16番トラムが来たので、運転手さんに「サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会まで行きたい」と告げると、「このトラムは近くを通らないよ」と言われた。方向を間違ったのかな、と思い、逆方向の16番トラム乗り場へ移動し、到着した16番トラムの運転手さんに聞いてみると、「サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会の近くなら、トリノ通りまで歩いて、そこから3番トラムだよ」と言われた。………???

 でも、地球の歩き方最新号に、16番トラムって書いてあるのになあ…。16番の路線図を見てみたが、単に停まる停留所の名前が書いてあるだけなので、さっぱりわからない。困っていると、近くのお兄さんが「どうしたの?」と声をかけてきたので、「サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会へトラムで行きたいのですが…」と言うと、お兄さんは考えに考えた結果、「トリノ通りから、3番トラムだね」というファイナルアンサーを叩きだした。

 運転手さんとお兄さんが同じ解答だったため、とりあえず、トリノ通りまで行くことにした。3番トラムが来たので、その運転手さんに聞いてみると、「近くまでなら行くよ。降りる時に教えてあげるよ」とのことだった。(帰国してから調べたら、路線が変わったのか、本当に16番トラムはサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会近くは通らないようです。)

 ふー。私はミラノのトラムには多大な興味があるのだが、本当に使いこなすのは難しい。3年前に四苦八苦した時は、自分たちがイタリア旅行ビギナーだったせいだと思っていたが、イタリア旅行中級者となった今でも、全くもって苦労した。トラムは街並みを見ながら移動できるので面白いのだけれども、わかりやすさ、使いやすさ、速さを重視するなら、断然地下鉄の方が便利だと思った。今は地下鉄はかなり改装されて明るくキレイになり、一般市民も足としてドンドン使っているので、効率的に移動するなら地下鉄を使った方がよい。だが、今でも、ミラノのトラムを使いこなせるようになる夢を捨てきれない自分がいる。夢というものは、かんたんに諦められるものではないのだよ。

 さて、トラムは「あっ」と言う間に我々をサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会近くまで運び、運転手さんに、「ここで降りるんだよ」と教えてもらった。本当に「あっ」と言う間だった。…何が言いたいかというと、どのトラムに乗ればよいのか悩んでいるより、歩いたほうが、ゼッタイにはーやーかーったー!いいさ、いいさ、トラムに乗ったことに意義があるのだよ。ちなみに、ドゥオーモ方面から3番トラムでサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会に行く場合は、トラムの左手の方に教会が見えてから、その先の「Colonne di S.Lorenzo」という停留所で降りる。教会正面にはずらーっとローマ時代の柱が並んでいるのでわかりやすい。

 教会にたどり着く前に、日本語が目に入ったのでビックリした。資生堂の広告だった。
ミラノ 資生堂の広告

 こちらは日本語部分をアップにした画像である。
ミラノ 資生堂広告の文字アップ

 …そうか、この日は3月12日で、昨日で、あの地震からちょうど1年経ったんだ。この広告の上方にある唇の動きは、おそらくイタリア語で「Grazie(=ありがとう)」と言っているのだと思う。思わぬ所でこの広告を見て、ちょっと胸が熱くなった。

 この資生堂からちょっと歩くと、すぐサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会にたどり着いた。

ミラノ サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会
 正面にずらーっと、ローマ時代の柱が並んでいるのが印象的な教会である。この柱、なかなかいい柱であった。…いや、いい柱と悪い柱が世の中にあるのかはわからないけどさ、なかなか心に残る壮大な柱さん達だったよ、ってこと!

ミラノ サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会
 教会の外観はこんな感じで、なかなかカッコイイ。教会の真ん前で右手でガッツポーズしているのは、コンスタンティヌス帝だそうだ。

ミラノ サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会内部
 4~5世紀に建てられた古い教会だそうだ。教会内部はこんな感じである。

 このサン・ロレンツォ・マッジョーレ教会の一番の見どころは、有料ゾーンのアクイリーノ礼拝堂で、古いモザイクが残っているらしい。教会の右手の奥の方に入口があり、切符を買うと、係員さんに、必ず祭壇の裏の方の階段を降りて、地下も鑑賞してくるように!と言われた。

 礼拝堂の中に入ると、古いモザイクが残ってい…るのだが、残念ながら、「かろうじて」というレベル。

ミラノ サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会モザイク
 この羊くんたちと羊飼いくんたちのモザイクなんか、結構いい雰囲気のモザイクなんだけどなあ。保存状態が極めて悪い。ただ、芸術作品は、古くなって壊れかけてるからこそ味がある場合もあると、昔、国語の教科書か何かに、「ミロのヴィーナス」を引き合いに出して書いてあった文章があったなあ。「ミロのヴィーナス」に手が完全な形で残っていたら、こんなに色気がないとか何とかかんとか。確かに、イタリアには、壊れかけているからこそ味があるものってたくさんある。コロッセオなんか、その代表だろう。

 奥の祭壇には、福音書記者4人の絵があった。私は福音書記者ヨハネ(通称ヨハネっち)のファンである。

ミラノ サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会 福音書記者ヨハネ
 だって4人の中で、いつも飛び抜けてカワイイんですもの。このヨハネっちは、もうまるで女の子ですな(ちょっと額の上がり具合が気になるが…)。福音書記者4人の絵があったら、一番イケメンで、鷲を従えているのがヨハネっちである。

 そのヨハネっちの絵のある祭壇の裏側に、地下へと降りる階段があったので、係員さんに言われた通り階段を降りてみた。何が出るかな、何が出るかな~?

ミラノ サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会 地下
 登場したのは、何と、古代ローマの闘技場の地下の跡であった。この教会は、ローマ時代に闘技場であった場所に建てられたのだそうだ。ほー。正面の柱の列といい、非常に古代ローマのかほりが漂う教会なわけですな!

 というわけで、サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会はなかなかおもしろい教会であった。ドゥオーモ方面からナヴィリオ運河方面ンに行く際には、こちらの教会に立ち寄ってみることをおすすめします!

 さて。このままトラムが通っている教会正面の通り、ティチネーゼ門通り(Corso do Porta Ticinese)をひたすら南下すると、ナヴィリオ地区へと着く。

 その途中に寄り道したいのが、ティチネーゼ門通りの南端に位置するサンテウストルジョ教会。ただ、この日は月曜日で、この教会は月曜は閉まっている、とガイドブックに書いてあるのだよ。そして、案の定閉まっていたよ。イタリアでは、「開いてるはずの日に閉まっている」ことはあっても、「閉まっているはずの日に開いてる」ことはほとんどない。

ミラノ サンテウストルジョ教会 ポルティナーリ礼拝堂
 結構よさそうな古い教会なのに、残念。また次の機会に。こちらの写真は、この教会で一番有名な、ポルティナーリ礼拝堂の外観。まるくてかわいいね。この礼拝堂を外から見るためには、教会正面左の道を、礼拝堂が見えるところまで直進せねばならない。

 さて、この教会を過ぎれば、ナヴィリオ地区である。ちょうどお昼だったので、観光の前にお昼ご飯を食べることにした。madame FIGARO japon (フィガロ ジャポン) 2011年 11月号 [雑誌]に載っていた、「Pizzeria Michele e Patrizia」というピザ屋さんに入った。

 お店はかなり席が埋まっていた。ほー。やっぱり雑誌に取り上げられるお店は違うね!ピザの値段はだいたい7ユーロ前後だった。メニューはイタリア語だけで、中に入っている具が書いてあり、それを何とか解読しながら3種類のピザを頼んだ。

ミラノ 昼ごはんピザ
 こちらはおそらく「ORTOLANA」というピザ。

ミラノ Pizzeria Michele e Patrizia
 こちらはおそらく「CALZONE FARCICO」。

 で、この2つも美味しかったのだが、一番美味しかったのは、「PARMIGIANA」というピザ!見た目が、ナスがチーズに沈み込んでいてパッとしなかったので、このピザだけ撮影しなかったのだが、コレが、本当に美味しかった。同じナスでも、「ORTOLANA」のナスとは調理法が違うんだよ!それにしても、このお店のピザは美味しかった。ナヴィリオ地区に行くなら、ぜひおすすめしたいお店である。

 さーて。胃袋ごと幸せになったところで、ナヴィリオ運河を見に行こう!

 ……………。

 ええと。ナヴィリオ地区と言われる地区を歩けども歩けども、目に映るのは、ほぼ干上がって、もうほんの泣けなしの水が、ちまちまっと、真ん中に水たまりのように残っている、………ええと、なんと表現していいのか、道路の真ん中で陥没している何か!……要するに、おそらく、水がほとんど無くなってしまっている、運河跡!

 母と姉は言った。「いや、運河っていうくらいだから、コレのことじゃないでしょ」「おそらく他の所に水が流れてる場所があるはずだよ」「夏は運河に遊覧船も出るらしいから、水はあるはずだよ」「だいたい、地図の運河部分は水色で描かれているじゃん。これ、水があるってことだよ」。確かに、地球の歩き方の、ナヴィリオ運河の写真は、運河は水をたたえてるなあ。

 と、日本で、母と姉よりもナヴィリオ運河のことを調べてきた私は、写真で見慣れた橋が目に入った。


 「ここがやっぱりナヴィリオ運河だよ!この橋有名だもん!」

 この橋は、地球の歩き方にも写真が載っている。姉がその写真と見比べて言った。「いや、似てるけど違う橋だよ。地球の歩き方の写真だと、水がなみなみとあるじゃん。それに、橋の横の建物がちょっと違うじゃん」。

 …姉の言うことももっともなのだけど、あまりにもこの橋は、私が思っている橋に似すぎている。というわけで、この橋を渡って、反対側に行ってみた。そちらのアングルから、地球の歩き方の写真と見比べると…。
 
ナヴィリオ運河 干上がった
 姉「横の建物が全く同じだ…。コレだよ、ナヴィリオ運河…」。

 ナヴィリオ運河は、ひーあーがっーーーたーーー!(結論)

 イヤ、いいじゃないの。干上がり上等だよ。と、私は思ったのだが、母と姉は、ヴェネツィアのような運河を想像していたのか、「何コレ…だまされた…」的なテンションであった。いや、私だましてないよ!運河の残骸って言ったじゃん!ただ、地球の歩き方の写真にはだまされたかもしれんね。しかし、これでどうやって遊覧船とか浮かべるんだろう…。笹の葉船とかしか浮かべられそうにないんだけど。

 テンションが落ちかけた母と姉を喜ばせたのは、この橋の近くにあった、古い洗濯場の跡。母・姉「おっ!洗濯場の跡はなかなか風情があるね!」

ミラノ ナヴィリオ地区の昔の洗濯場跡
 こちらがその、洗濯場跡。古くさくて庶民的な屋根瓦がかわいらしい。

ミラノ ナヴィリオ地区 倉庫
 洗濯場跡の隣りには、古い倉庫が。こういう倉庫を、最近はデザイナーさんや若いアーティストさんたちが利用しているそうだ。この時はほとんど倉庫は閉まっていたが、土日や夜にはお店が開くのかなあ。最近、若者たちが集まる界隈であるナヴィリオ地区が、夜の雰囲気がとてもいいらしい。この干上がった運河も、ライトアップされるのかもしれない。

ミラノ ナヴィリオ運河の風景
 干上がっちゃいるけど、私はなかなか気にいったナヴィリオ運河の風景。ただ、ヴェネツィアのような景色を期待しちゃいけませんぜ。それにしても、ホントに遊覧船はどうしてるんだろう…。それが一番気になるよ。

 というわけで、今をときめくナヴィリオ地区だが、ときめいてるところを見たければ、夕方以降に訪れた方がよさそうですぜ。私みたいに、干上がり上等!って方は、ぜひ昼間の、シーンとしたナヴィリオ運河と遊んであげてくださいっ!

3/12ミラノ4 ロマネスク教会の真骨頂!へ続く

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貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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