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3/6フィレンツェ5 太った小人とハイポーズ!

<本日のイタリア旅行記メニュー>
●ボーボリ庭園
●パラティーナ美術館(再訪)

 3月6日の、フィレンツェ散歩の後半戦である。午前中は、ウッフィツィ美術館を鑑賞後、ヴァザーリの回廊一般予約ツアーに参加し、ヴァザーリの回廊の出口であるボーボリ庭園に出てきたところである。ウッフィツィ美術館の入場料+予約料で、ウッフィツィ美術館、ヴァザーリの回廊、ボーボリ庭園まで鑑賞できてしまう異様に格安なセット!おそらくツアー参加者が、この料金で、ボーボリ庭園まで鑑賞することは想定してないのだろうけど、できてしまうのだよ。できてしまうからには、ボーボリ庭園も歩いてしまうのだよ。

 ヴァザーリの回廊の出口のすぐ横は、ボーボリ庭園の見どころのひとつ、ブオンタレンティのグロッタがあった。私と姉はボーボリ庭園は3年ぶり2回目、母は初めてである。

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 こちらが、ブオンタレンティのグロッタ。左側に黄緑色の矢印で示してあるのが、ヴァザーリの回廊の出口である。

 ヴァザーリの回廊のツアーは、この出口の扉を出た時点で終了なのだが、ガイドの女性が、「ついでだから、このブオンタレンティのグロッタも説明しますね」と言い出し、解説を始めた。…が、イタリア語なので、何を言ってるのだか、よくわからなかったよ!私のチンケなイタリア語力では、ミケランジェロの彫刻がどーたら、とか言っているのしか聞き取れなかった。日本に帰ってから調べると、ミケランジェロの彫刻が、昔はこの中に置かれていて、今はレプリカが展示されているらしい。

 このブオンタレンティのグロッタは、人工洞窟なのだが、何かわしゃわしゃしていて、気持ち悪い。実は、ブオンタレンティのグロッタという名前は、「グロテスク」という言葉の語源になった、という説もあるそうなのだ。なーるほど。

 で、この写真の中に、洞窟の右前の方に、何か工事道具みたいなのが置かれているのが映っているのがわかると思うのだが、実はこのブオンタレンティのグロッタ、この時は工事中で、ボーボリ庭園の入場者は近づけないように、洞窟の10メートルほど前の方にロープが張ってあった。

 …なのに、ヴァザーリの回廊のツアーに参加した人は、このブオンタレンティのグロッタが嫌でも見れるし、しかも解説までしてもらえる、という…。何度も書いているが、ヴァザーリの回廊ツアーには、ボーボリ庭園の入場料は含まれていないのだ…。何だかボーボリ庭園にお金払って入場している人に悪いわね…。最後は、その10メートル先のロープをまたいで出て行く、ヴァザーリの回廊ツアーの参加者…。ボーボリ庭園側から見たら、何、あの禁止区域に入ってる集団…てな感じだろう…。

 母はボーボリ庭園に入ったことがないので、ちょっとだけ、ボーボリ庭園を歩くことにした。

 ボーボリ庭園はピッティ宮の裏側に広がる、大きな庭園で、庭園と言うより公園というくらいの広さだ。キレイな噴水とか、変な彫像などがあり、なかなか気持ちのいい公園…間違った庭園だ。フィレンツェの、雑踏歩きに疲れたら、ボーボリ庭園をさまよい歩いてリフレッシュするのもおすすめである。

 ボーボリ庭園は、ちょっと高いところに上ると、ドゥオーモやジョットの鐘楼が、なかなか美しく見える。

ボーボリ庭園から見たドゥオーモ
 
 フィレンツェの眺望スポットとして有名な、ミケランジェロ広場には遠くて行く時間がない、と言う方は、ここボーボリ庭園から、ドゥオーモの屋根を眺めるのもアリかもしれない。そういえば、初フィレンツェの時は、我々もミケランジェロ広場に行かず、ここボーボリ庭園からの眺望で済ませたんだったなあ。思い出せば、あの時は、カメラも持たずにボーボリ庭園を練り歩いたんだったよ。イタリア旅行のルーキーだった頃が懐かしい。

 というわけで、その時には写真撮影できなかった、ボーボリ庭園の出口近くにある「太った小人の像」を撮影した。

ボーボリ庭園の太った小人

 これが太った小人。小人もさることながら、小人が乗ってるカメも、何というかコメントしがたいカメである。

 私と母は、ガニまたで、口をとんがらかして、右手を突き出して、この小人と同じポーズで小人の左右に並び、姉に写真を撮ってもらった。撮影者の姉に、「小人の真似が足りない!」と厳しいご指摘を受けたので、もっとガニまたにして、口も精一杯とんがらかして写真を撮り直した。その写真が、門外不出なのは言うまでもない。家族内のトップシークレットである。

 この後、ピッティ宮近くの、ちょっと奥まったところにあるパッセラ広場というところにある、「5 e cinque(チンクエ エ チンクエ)」というカフェでお昼ご飯を食べた。

5e5
 こちらがそのお店。去年の秋頃、フィガロジャポンという雑誌で紹介されていたお店(→madame FIGARO japon (フィガロ ジャポン) 2011年 11月号 [雑誌])である。女性誌で紹介されていたお店に行くなんて、何かオシャレじゃーん?って感じで行ってみた。

 中は満席状態で、地元でもずいぶん人気のあるお店のようだ。メニューも日替わりらしく、この日の日付が入った、コピー用紙みたいなものを渡された。何と、厨房で日本人女性が働いていて、この女性がわざわざ出てきて、メニューを説明してくれた。忙しい中ありがとうございました!

 そして、ここで食べたランチは、カフェっぽい軽食ランチだったが、ひっ、ひっじょーに美味しかった!フィガロジャポンで紹介されていた、ピザっぽい?薄いフォカッチャっぽい?生地にチーズを挟んだものは、特に美味しかったっ!デザートも、一人ひとつずつ頼んだのだが、全部、本当に美味しかった!フィレンツェってのは、本当に美味しいものが多い町だが、またひとつ美味しいお店を発見しちゃったよ!

 さて、美味しいものを食べて幸せになったところで。せっかくピッティ宮付近にいるので、パラティーナ美術館に入ることにした。午前中にウッフィツィ美術館、午後にパラティーナ美術館に入るなんて、ここフィレンツェだけで許されるゼイタクである。

パラティーナ美術館

 パラティーナ美術館は、当然のことながら内部撮影禁止なので、入口のお写真だけですが、ドウゾ~!

 パラティーナ美術館は、別名ラファエロ美術館とも呼ばれるくらい、ラファエロの作品、しかも傑作を、多く所蔵している美術館である。また、展示室内部はそっけない感じのウッフィツィ美術館に比べて、部屋そのものが貴族のお屋敷らしく美しく装飾されていて、建物そのものも美術品という感じである。ウッフィツィ美術館よりも、女性っぽいイメージのする美術館である(何のこっちゃ)。

 私と姉は2回目の訪問で、母は初めて。ルネサンス美術大好きの私と姉が、4度もフィレンツェに来ておいて、パラティーナ美術館はたったの2度目というのは、よく考えれば少ない。…まあね、理由はわかってるのよ。パラティーナ美術館は、8.5ユーロと、ちょっと入館料が高いのよ。実は、ウッフィツィ美術館よりも高いのだ。だが、建物そのものが美術品、ということを考えると、ウッフィツィ美術館より高いのは、妥当と言えるだろう。

 で、2度目のパラティーナ美術館、以前と比べて、ルネサンス美術自称中級者になった私は、ウッフィツィ美術館の時と同じように、想像以上に鑑賞に時間がかかってしまった。これからは、自分は美術館鑑賞が時間がかかる、ということを念頭に置いて、旅程を立てなきゃな、と反省した次第だった。

 でも、反省会は後!とりあえず、パラティーナ美術館を楽しみ尽くすぞっ!

 パラティーナ美術館は、内装が実にかわいらしいのだが、年代順に作品が並んでいるウッフィツィ美術館と違って、展示順はカオスである。そのため、うっかり、何の断りもなくラファエロの作品が現れたりする(ウッフィツィ美術館は、ラファエロ作品は一つの部屋に集めてある)。そんなパラティーナ美術館で、名作を見逃さないコツを姉が発見した。重要な作品は、ナゼだか斜めに飾ってあるのである………って、もちろん、絵の水平な辺がななめってるわけではありませんよ!垂直方向の辺の、片方が、壁から持ち上げられるようにして、飾ってあるのである。

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 つまり、こういう風に、絵の額縁の、矢印で示されている部分だけが、壁からグッと持ち上げられているのである。パラティーナ美術館で、こういう風な形で飾ってある絵を見つけたら、この美術館における重要な作品だと考えてよい。ちなみに、このチューリップの絵は私の自作だが、これが私の本気だと思ったら大間違いである。私は結構絵はうまい。だが、こんな絵を描いたところで言っても、何の説得力もないな…。

 ここパラティーナ美術館には、丸い額縁におさめられた、フィリッポ・リッピの「聖母子」があり、これは、マルいこともあってか、実にかわいらしい。リッピ大好きな私と姉は、この丸の前で、ぽわーーーとしていたが、母は「あんたたちは、結構なよっとした絵が好きだよねえ。この絵は少女マンガみたい」と言った。お、母!挑戦的な発言ですな!まあ、ボッティチェリとかロッビアが好きで、ミケランジェロとかマザッチョの絵はイマイチな私は、確かになよっとした作品が好きなのは否めない。いや、否むどころか、なよっとした作品は大好きである。なよっ、上等!(意味不明)

 そんな母は、誰の絵が一番好きかと言うと、「ラファエロかレオナルド・ダ・ヴィンチかな~」と言う。…ふっ…、そんなルネサンス人気ナンバーワンと、ナンバーツーあたりに惚れるあたりが、まだまだニワカだよ、ちみ…(自称中級者の痛い発言)。とか言っておいて、私もラファエロは大好きなんである。というわけで、ここパラティーナ美術館では、ラファエロ祭りを繰り広げようではないか!

 …と言いたいところなのだが、先述したように、ラファエロ作品は点在しているため、ラファエロの作品に囲まれまくってフィーバーすることができないのが、パラティーナ美術館の悲しいところなのである。ただ、パラティーナ美術館に数多くあるラファエロ作品の中の、ツートップと言える「大公の聖母」と「小椅子の聖母」は、同じ部屋に展示してあるので、この2作品がある第28室が、ラファエロ祭りのクライマックスと言えるだろう。

 それにしても、「大公の聖母」の静やかな微笑を浮かべるマリアと、「小椅子の聖母」のかわいすぎるマリアは、いつまで鑑賞していても見飽きない、心温まる絵である(どちらもマリアなのに、同一人物にしては顔が違いすぎるという、大人げないツッコミをしてはいけませんよ)。ラファエロの描く聖母子像は、ぶっちゃけた話、やっぱり幼子イエスより、マリアママが主役。それにしても、フィレンツェには、美人の絵が多い。このパラティーナ美術館の、ラファエロの2作品のマリア、ウッフィツィ美術館のボッティチェリの「春」のビーナス、同じくウッフィツィ美術館のフィリッポ・リッピの「聖母子像」のマリア…。もう、どの美女が一番美しく見えるか、てのは好みの問題ですな。

 パラティーナ美術館で他に心に強く残った作品は、カラバッジョ作の「眠るキューピッド」。何がいいって、本当に眠りこけていて、口が半開きなのが、何ともかわいらしい。よーく目を凝らして見ると、このキューピッド、自分の羽根を敷布団がわりにして寝ているのだ。…気持ちよさそうだなあ。他にはジョルジョーネの「人間の3つの時代」もよかった。ジョルジョーネの絵って、こううまく説明できないのだが、神秘的で不思議な魅力のある絵だ。母と姉はティツィアーノの、「マグダラのマリア」もお気に入りだった。長い髪の毛がふくよかな体に巻きついて、何とも色っぽい作品であった。

 ラファエロの「大公の聖母子」と「小椅子の聖母」の2作品がある部屋には、何度も戻って長居した。ようやく、ようやく気が済んだところで、美術館を出たが、最後のブックショップ(おみやげ屋)で、母と姉はおみやげ(自分用)をあさりすぎ。ま、確かに写真撮影禁止だから、気に入った作品のポスカードを買いたい、この気持ちはわかる(私も買った)。だが、ラファエロ作品のマグネットは買わなくていいだろうよ!母と姉いわく「だって、冷蔵庫に貼りたいんだもん」。

 このパラティーナ美術館のおみやげあさりの後、我々は、ウッフィツィ美術館でおみやげ屋さんに入らなかったことに気付いた。…そういえば、ウッフィツィ美術館鑑賞の後、ヴァザーリの回廊を通って、そのままボーボリ庭園まで来てしまったため、おみやげ屋さんに入り損ねたのだ。美術館のおみやげ屋さんは、切符売り場の外にあれば、美術館に入館しなくても入れるので(ドゥオーモ付属美術館などはこの形態)、後でちょっと行ってみたのだが、入れなかった。私はどうしてもボッティチェリの「受胎告知」のポストカードが欲しく、母と姉もそれぞれ欲しいポストカードがあったため、2日後(3月8日)の「公立美術館・女性無料デー」の日に、ウッフィツィ美術館に再突撃することにした(おみやげ屋のためだけに)。

 この後、母をレジデンスに置いて、私と姉は、火曜と木曜の14時半~17時半の間にしか鑑賞できないという、ペルジーノの壁画が残るサンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院に走って行った(この日は火曜日)。修道院に着くと、17時5分くらいであった。余裕でセーフっ!…な、の、だ、が……し、閉まっているよ…?

 建物の中から女性が出てきたので、「あの、ペルジーノ見に来たんですけど!」と聞いてみると、「ごめんなさい、時間外よ」とのお返事。…そこに、タイムテーブルが書いてあったので、それを指さして、「火曜日の17時半まで開いてるって書いてますよね…?」と言ってみると、「あら。本当ね。でも、ここの管理人さん、ほんのさっきまでいたんだけど、何か用事があったみたいで、閉めて帰っちゃったわよ。ほんのついさっきだったんだけど」とのお答え。

 ………。

 サンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院にフラれるのは、実はこれで、もう3度目である。前2回は、まさか、火曜と木曜の午後しか鑑賞できないとは思わなくて撃沈したのだが、今回は、ちゃんと時間を調べて、しかも時間内に来たのだ。しかもしかも走って!

 …何かもう、よくなってきたなあ。姉に、「ウッフィツィ美術館でペルジーノの絵見たけどさ、あんま上手じゃなかったじゃん?もう、見なくてよくない?」と言ってみると、姉は「イヤ、ここまで来たら見たい。だって、アルノ川が増水した時に、絵画の真下まで水が迫ったのに、奇跡的に残ったと言われる絵だよ。見たいよ」と、ペルジーノの絵の力量とは全く関係ないところで、この絵画への執念を見せた。姉のおかげで、このサンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院への挑戦は、継続することになったのである。わあーったよ!木曜に出直せばいいんだろ、木曜に!(実は、諦めなくてヨカッタ、と木曜日に思うことになるのである)

 夜、レジデンスにて、テレビをつけると、ミラン対アーセナルの、チャンピオンズリーグのセカンドレグの試合を放送していた。もちろん、試合の生中継ではなく、生中継を見ながら不毛な論争を繰り広げるおっちゃんたちを中継する番組ですけどね!(イタリアの地上波でのセリエAやCLの試合中継は、こんな番組が大半。生中継の権限は、衛星放送が独占している)

 ミランは、ファーストレグで4-0で大勝しているので、このセカンドレグでは4点差で負けない限りは、トーナメント勝ち抜けが決まる。それで、スタジオのおっちゃん達も、母も姉も私も、安心しくさって、テキトーに応援していたのだが(我々母娘は、ミランファンではないが、CLではイタリアのチームを応援する)、なんと、ミランのやつ、前半のうちに3点を取られてしまった!それまでは、大声で、あーでもない、こーでもないとサッカー談義に火花を散らしていたテレビの中のおっちゃん達、3点を取られると、おもしろいくらいにシーーーン…と静まり返った。手を合わせてお祈りのポーズで生中継に見入るおっちゃんもいた。イタリア人でも黙ることあるんだなあ!

 ちなみに、この番組は、フィレンツェのローカル番組だったらしく、後半に入り、アーセナルが息切れしてくると、いささか安心したのか、先ほどのシーーーンはどこへやら、試合そっちのけで、試合とは何の関係もないフィオレンティーナの話を始めて、また議論に火花を散らしていた。しかも、試合が終わるころには、もうCLの試合はどうでもよくなったらしく、結局ミランの結果はどうなったのか、しっかり視聴者に伝えることもせずに、フィオレンティーナの話ばかりしながら番組は終わった。

 …結局翌日の新聞で、ミランが薄氷の勝利をつかんだことを知ったが、イタリアにおけるテレビの役割って何だろう、って観光客はつくづく思った。

3/7フィレンツェ6 眠るヨハネは思わず主役へ続く

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貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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