イタリア旅行記ブログ イタリア旅行は楽し

イタリア旅行大好きの管理人が、実際にイタリアに足を運んだ経験・情報に基づいて、イタリア旅行情報を発信してます。
旅行記や個人でのイタリア旅行のコツ、サッカー観戦情報もございます。

Top Page > イタリア旅行記2011 > 3/11ブレシア 北イタリア幻想の落日

3/11ブレシア 北イタリア幻想の落日

<本日のイタリア旅行記メニュー>
ヴェローナからブレシアにサッカー観戦へ
●ブレシアVsインテル

 本当はこの日は、ヴェローナからシルミオーネへ日帰り遠足に行く予定であった。しかし、日本を出発する直前に、この日にブレシアで、ブレシアとインテルの試合が組み込まれることが決まった。普通は、セリエAの試合は土日に行われ、金曜日に行われることはない。だが、インテルが、チャンピオンズリーグの試合を翌週のミッドウィークに控えているため、少しでも早く試合をして、疲れをチャンピオンズリーグに残さないために、今節はインテルの試合のみが金曜に行われることになった。

 ブレシア対インテルってことは、ブレシアホームなので、ブレシアで開催される。ブレシア?確か北イタリアの都市である。何となく地図を見てみると、宿泊予定のヴェローナのかなり近くで、電車で所要1時間。しかし、試合は夜8時45分キックオフと、かなり遅い時間である。ううむ、どうしよう…。

 インテルは、特別好きなチームではないのだが、私はスナイデルとミリートとスタンコビッチがちょっと見たかった。姉も、「今回はサッカー観戦が少ないよねえ…」と言っていて、できればもう1試合見たいと思っていた。

 で、でもなあ…。夜8時45分キックオフと言うことは、試合が終わるのは夜11時前になるし、そうするとヴェローナに帰るのは確実に深夜12時を超えてしまう。イタリアでは、日本みたいにたくさん電車はいないし、夜11時過ぎにブレシアからヴェローナへ帰る電車は、11時35分発0時20分着の電車か、深夜1時36分発2時23分着の電車しかいない。いくら治安のよいヴェローナと言っても、深夜2時23分着はありえないので、11時35分の電車一択である。そうすると、スタジアムから駅までのバスは、30分弱はかかりそうだから、試合を最後まで見るのはちょっとギリギリ過ぎて難しそうだし…。

 どーしよー、どーしよーと二人で悩んだ挙句、昨年の旅行の教訓・「行かずに後悔するよりも、行って後悔せよ!」が頭に思い浮かび、「インテルには長友もいるし、日本人もたくさんスタジアムにいるだろう!中にはヴェローナに帰る人もいるだろうから助け合えるだろう!それにブレシアは北イタリアだから、そんなに危なくないだろう!」という安易な考えで、試合観戦を決行することにした。

 事前に日本でいろいろブレシアでのサッカー観戦について調べたのだが、ブレシアと言うチームは、セリエAとセリエBを行ったり来たりしていることもあって、なかなか現地観戦した人の情報が見つからない。昔、ロベルト・バッジョが属していたので、その頃に観戦に行った人の情報は見つかるのだが、10年近く前の話なので、あまり鵜呑みにするわけにはいかない。ブレシアのクラブの公式HPを見て、CかDのバスに乗ればよいことはわかったが、当日券販売の有無などはよくわからない。調べたんだけどわからなかったんだ。よくがんばったさ!もう行ってみるしかないっ!我々の心の奥には、「北イタリアだから大丈夫♪」という、ちょっと安易な安心感もあった。

 あまり情報が確定していない状態での出発だったので、試合開始3時間前には、ブレシア駅に到着するようにヴェローナを出た。ブレシア駅はそこそこ小奇麗で、やっぱり安心の北イタリア♪と思った。駅の売店でバス切符を往復で買い、売店のおっちゃんに、「スタディオ・リガモンティへのバスは、どこから出ますか?」と聞くと、駅の正面の通りを渡って、左端のバス停から出るらしい。「スタジアムで試合のチケットは買えますか?」と聞いてみると、「たぶんそうだと思うよ」とのお答えだった。

 「たぶん」か…。セリエAのチケットは、スタジアムで当日券を売っていなくて、中心街でなければ買えない場合もある。スタジアムに行ってみたところで、チケットが購入できない、というのはキビシイので、駅周辺にいた警察や、ブレシアの応援グッズを見につけた人々など、計5人にたずねてみると、全員、「たぶん買えると思うよ」と答える。この「たぶん」がコワいのだ。ブレシアサポーターすら「たぶん」と答えるので、ブレシアのサポーターのほとんどは、前売り券を買っているか、年間チケットを持っているんだろうなあ。

 長友お目当ての日本人観光客も何人か見かけたので、情報交換してみたのだが、当日券については誰もはっきりとは知らなかった。バス停近くにいたブレシアサポーターのおじさんに最後に聞いてみると、「スタジアムで買わなくて、どこで買うんだい?」と笑いながら言われた。おおっ!これは、スタジアムで買える確率が、限りなく高まったぞ!

 というわけで、今度はバスの時間を調べようとすると、タバッキのおじさんに教えてもらったバス停に、CとかDという路線はない…。これは一体…。バス停の真後ろにあるタバッキに入って、「スタディオ・リガモンティに行くにはどうすればよいのですか?」と聞いてみると、「そこのバス停から1番バスだよ」とのこと。1番バス…。ブレシアの公式HPは、どうしてページの更新をしていないの?北イタリアなのに、どうして?(このへんから、アヤシイ動きは始まっていたのである…)

 スタジアムに行ってしまうと、夜ごはんが買えないかもしれないと思い、駅周辺で、美味しそうなバールでパニーノを買っていくことにした。駅周辺で、美味しそうなバール。………。我々が探しているのは、「バール」ではなく、「美味しそうなバール」である。他のイタリアの都市と同様、ブレシアは、駅前がごみごみしていて、何だかファーストフードっぽいバールしか見つからない…。値段が安いのだけが救い、という感じのパニーノを、とりあえず買った。辛口旅行ガイド本のイタリア (ロンリープラネットの自由旅行ガイド)に、「ブレシアはみずぼらしい街である」とかヒドイこと書かれていたが、ちょっと駅前は確かに、そう言われちゃうかもしれない雰囲気であった…。

 バス停に戻り、1番バスは夕方の便数はかなり多かったので、すぐ来たので乗り込んだ。あまりブレシアサポーターは乗っていなかったので、運転手さんに「スタディオ・リガモンティに行きたいので、着いたら教えて下さい」とお願いしたら、一瞬「えっ?」という顔をされたが、「いいよ」と答えてくれた。ブレシアの試合を見に来る、外国人の女性というのが珍しいのだろうか。

 次のバス停あたりで、きちんとした身なりの男性が乗り込んできて、バスの最前列の席に座っている我々の前で立ち止まり、「ブオンジョルノ」と言う。「…ブオンジョルノ」と返す私。しーん。3秒くらい見つめ合った後、彼が「…切符は?」と聞く。おおっ!これは、バスの検札かあっ!は、初体験っ!乗ってすぐに刻印した切符を見せると、「OK、ありがとう」と次の人へと向かった。おおー!今まで何度もイタリアでバスに乗ったけど、検札に遭遇したのは初めてである!イタリアでは、バスチケットは、車内で刻印するだけで、後は運転手さんもチェックしないので、まあ、タダ乗りができちゃうのだ。それを防ぐために、時々、切符をチェックする係員が乗り込んできて、刻印した切符を持っていなければ、運賃の数倍の罰金を払うことになる。この罰金で、バス会社の経営は成り立ってるなんて話もある。

 この係員さんがチェックした後、すぐ後からもう一人係員が乗り込んできて、「こんにちは。切符を見せてください」と言う。…今、見せたんだけど、あなたにも見せるわけですね?何でこんな不必要なことをするのかはわからないが、これがイタリア♪ちなみに、このバス内の乗客は、ほとんどチケットをちゃんと所持していて、係員さんとグダグダもめてるのは数人だけだった。意外とイタリア人はまじめにバスチケットを買うのか、単に検札にひっかかかりやすい路線や時間帯を知っているのかは、わからなかった。

 駅からスタジアムまでは、道路が少し混んでいたこともあって40分くらいかかった。降りる時に運転手さんが教えてくれて、近くにいた乗客が、「えっ、何でこの日本人女性たちはスタジアムに行くの?」と言い、他の乗客が「今日はインテル戦だから、長友を見に来たんだよ」と答え、「そっかー」と、運転手さんも含め、バスの前半分くらいの人々が納得していた。ち、ちがう、スナイデルだよ、と思ったが、どちらにしろインテルの選手なので、わざわざブレシアファンの前で訂正する意味はどこにもないので、訂正しなかった。チームとして考えれば、ローマにもこの時点では、スクデットの可能性がミジンコ程度残っていたので、どちらかといえばブレシアの方を応援してるんだけどなー。

 さて、まずは試合のチケットをゲットしようぜ。バスを降りた通りからスタジアムまでは、そこそこ歩いた。あっちこっちに係員がいて、交通規制を行っている。チケット売り場の場所を聞くと、スタジアムをぐるっと回った反対側にあるらしい。反対側でも、あるならいいんだ!

 チケット売り場方向に行こうとすると、途中の道路で係員に止められて、「チケットを見せて」と言われる。「今から買いに行くんです」と答えると、「それなら×××…?」と言われるのだが、どうしても何を言っているのか理解できなかったところ、「もういいや」と笑って通してくれた。パスポートでもなかったし、いったい通行するのに何が必要だったんだろう…。

 チケット売り場まで行く途中で、「ナガトーモ!」とか「ジャッポネージ(日本人)!」とか「チネージ(中国人)!」とか、ブレシアサポーターからひやかしの声が飛ぶ。…どうして?ここは北イタリアなのにっ!ミラノやフィレンツェ、ローマなどでの観戦と違って、やはり観光客慣れしていないスタジアムでは、ナポリでそうであったように、北イタリアでもこうなのかしら…。まあ、長友も好きですけどね、スナイデルの方が(もちろん選手として)好みなんですけどねっ。男性として好みを言うなら、インテルだったらマイコンが一番イケメンだと思いますけどねっ!あとレオナルド監督でしょうねっ!

 チケット売り場を探すのもなかなか難しく、家族連れで安全そうなブレシアサポーターに聞いてみると、お父さんは知らなくて、お母さんが「あっちの白いコンテナよ!」と教えてくれた。行ってみると………こっ、この工事現場でよく見る仮設トイレみたいなのが、チケット売り場っ!?き、北イタリアなのに…。ずっと、お守りのような存在だった「北イタリア」という言葉が、何だか私の中で崩れかけてきたぞ…。しかも、コンテナの窓口は、異常に高い位置にあって、確かに北イタリア人は背が高い人が多いけど、それでも高すぎだろ、という位置で、私は足がつりそうにつま先立ちをしながら、チケットを購入した。はあ…。それでも、チケットが購入できてよかった。

 チケットを購入したところで、これは、初めてのサッカースタジアムに来た際は、スタジアムに入る前に必ずやっておくことなのだが、帰りのバスのバス停を確認しておくことにした。ましてや、今夜は、かなり遅い時間に、ヴェローナまで帰らなければならない。夜11時35分ブレシア発の電車を乗り過ごすわけにはいかないのだ。

 基本的には、降車したバス停の、どこか近く(すぐ近くではないことに注意!)に反対向きのバス停はあるので、その周囲にいる係員さんに聞いてみた。「試合の後、駅までのバスはどこから出発しますか?」。やさしい黒人の係員さんで、「その通りを右に曲がった所にバス停があります」と教えてくれた。

 自分たちの目で確かめるために、教わった通りに進んでみたのだが、どうにも駅の方向へのバス停は見当たらない。そこに犬の散歩をしている男性がいたので、同じことを聞いてみると、「ううむ。試合がある日は交通規制があるからねー…。あそこじゃないかな?」と、また違う所を指さす。

 とりあえずそこまで行ってみると、確かにバス停はあるのだが、どう考えても、駅の方角へ向かうバス停ではない。近くに警察がいたので聞いてみると、また違う方向を指す…。この後、通行人の人や、係員の人、警察の人など計20人くらいに聞いてみたのだが、誰も確実なことは知らないし、しかも、みんなてんでバラバラな方角を指さす。…ちょっと…。どうやって帰ればイインダー!!!

 スタディオ・リガモンティで試合がある日は、スタジアム周辺に交通規制が敷かれて、通常車が通っている道路が封鎖され、バスの路線も変わってしまうらしい。そのため、スタジアム近くに、駅行きのバス停(1番バス)はいくつかあるのだが、「そこには今日はバスは停まらない」と、言われてしまうのだ。しかし、そのバスが、どこをどう通るのか、係員も警察も知らないって、どういうことなのー!?

 とりあえず、一番信用できそうなお答えだったのだが、一人の係員さんが示した、車の通行できる道路に面したバス停だった。時刻表を見てみると、…バス、少なっ!もしかしたら、試合のある日は増発されるかもしれないが、不確かなことに頼るわけにはいかない。とにもかくにも、我々に本日課された使命は、確実にブレシア駅までたどりついて(第一段階)、夜11時35分発の電車に乗ってヴェローナまでたどりつき(第二段階)、ヴェローナ駅からB&Bまで無事に帰りつくこと(第三段階)である。というわけで、姉と話し合い、このバスの時刻表に合わせて、試合後半30分にはスタジアムを出て、途中で開いているお店があればタクシーを呼んでもらい、お店がなければこのバス停までとりあえず来てみる、ということにした。

 はあー…。余裕を持ってスタジアムに来たのに、バス停探しに費やした時間は、なんと1時間!しかも確実には探せなかった!どうして、帰りのバス停すら見つからない場所で、プロのサッカーの試合が行われるのだろうか…。スタジアム周辺を、ぐるぐる、ぐるぐると、5kmくらいは歩きまわったのではなかろうか。この行為に意味を与えるとしたら、うおーきんぐ、ですよ、うおーきんぐっ!

 とぼとぼ、とスタジアムに向かうと、何だか、ひっじょーに殺風景なスタジアムであった。イタリアではよくあるのだけれど、スタジアムの周辺をバリケードで囲んでいるのだが、そのバリケードの上に、何と古びた鉄条網が張りめぐらされている!…ここは、収監所ですか?帰りのバスが見つからないんだから、ある意味収監かもしれんな…。しかも、そのバリケート内に入る入り口が、狭くて狭くて、誰も並ばないものだから…。



 こんな感じで、人々が狭い入口にたかり、もう、もみくちゃになりながら、高気圧だか低気圧だかみたいにぐるぐる回りながら、入り口に押し込まれていく感じ。イタリア人よ!並ぶことを覚えてくれよ!絶対にその方が、入場が早くなるんだからっ(涙)!もちろんだが、チケットチェックも、パスポートチェックもなし(できるわけがない)。あう…気楽に見に来た試合のはずなのに、いったい我々は、何やってるんだろうか…。
 

 スタジアムに入る頃には、我々はぐったりしていた。バックスタンドに入ったのだが、周囲は日本人が多かった。ブレシアファンは過激らしいので、長友の応援に見える日本人はブーイングされるかな?とちょっと心配したが、試合前に、「今日は日本で大きな地震があり、大きな被害が出ています。相手のインテルには日本人の長友がいます。長友にも声援を送って下さい」というようなアナウンス(ちょっとイタリア語が聞き取れなかったが、おそらくこういう内容)が流れて、スタジアムは拍手に包まれた。長友は喪章をつけて出てきた。よく見ると、長友だけでなく、インテルの選手は、皆、喪章をつけていた。日本人だけでなく、世界が一緒に心を痛めてくれている姿を見ると、やはり落ち込んでいた気分が元気づけられる。

 試合は、アウェイとはいえ、インテルが一方的に攻めるのかなと思っていたが、ホームのブレシアは、集中力を持って試合に臨んでいて、あまり力の差を感じない試合展開だった。ブレシアと言うと、カラッチョロくらいしか知ってる選手がいない…と思ってたらゼビナがいた。ゼビナー。何か一芸してくれ!(ゼビナを何だと思ってるのか…)

 インテルはチャンピオンズリーグの試合を控えているため、マジ度100%ではなかったが、やっぱり個々の技術は高い。私のスナイデル(日本に私以外のスナイデルの女性ファンはあんまりいないと思うので、許してもらえるだろう)も、今シーズンはケガがちなこともあり、フルパワーという感じではないが、パスのタイミングが上手い。本当に、周りがよく見えている、仙道みたいなプレーヤーだ。私は流川より仙道が好き。よって、ロッベンよりスナイデルが好きである。(スラムダンク読んだことない方は読み飛ばして下さい…)

 地力に勝るインテルは、そのスナイデルのコーナーキックから、長身のラノッキアがヘッドでつなぎ、エトーがそのボールをゴールに押し込み、余裕の先制。まだ前半の前半だというのに、何だかこれで試合は決まっちゃたかな?と感じた。

 点を取ったインテルはペースダウンし、ホームの試合なので、たとえ強豪クラブ相手でも、あっさり引き下がるわけにはいかないブレシアが、果敢に攻めてくる。ブレシアがインテルゴールに攻め込むと、ブレシアサポーターは、一斉に足をがたがた踏み鳴らして盛り上がる。…その音が、「ドドドド…」という石を踏み鳴らす音ではなく、「ガタガタガタ…」という音なのが気になって、スタジアムを見渡してみると、我々が座っている席はスタジアム中段くらいだったのだが、中段以降の席は、仮設座席みたいなプレハブのような頼りない作りで、スタジアムに取り付けてあるだけではないか!ええーっ!?足を踏み鳴らさないでくれよっ!仮設座席が落っこちたらどうするんだよーっ!…どうして仮にも先進国で、このようなスタジアムでプロの試合が行われているのだろうか。

201103112146000_convert_20110416155910.jpg
 こちらが、何の余裕もない状態で、シャッターをとりあえず押した、スタディオ・リガモンティの内部の写真である。ご覧のように、立ち見の観客もいる。立ち見観客の数=そのスタジアムのカオス度と言っても過言ではないだろう。目の前に見えている手すりより後ろが、仮設の座席である。…おそろしや…。

 まあ、そんな感じで後半も試合は進み、駅まで帰る足を、確実にゲットできていない我々は、あまり集中できずに試合を見ていた。そんな中、長友は、ゴールラインをボールが割るたびに、正しい場所からではなく、自分たちに有利な場所からスローイングしていて、ブレシアファンにブーイングを受けていたが、へっちゃらだった。いやー、なかなかやるねー、長友。

 周囲の日本人の方々で、ヴェローナまで帰る方がいたら一緒に帰ろうかと思ったのだが、皆さま、スバラシイ計画ぶりで、ブレシア宿泊する方々ばかりであった。うん、それが正しいよ。我々は実に間違っていたよ。本日の旅の計画は0点ですよ、0点。北イタリアだからって、ブレシアを信用しすぎましたよ。人を信じて泣く方がいいー♪と金八先生は言いますけどね、深夜のブレシアに取り残されて、泣くわけにはいかないわけですよ。

 というわけで、泣く泣く後半30分に席を立ったのだが、何と、まず、スタジアムを囲っているバリケートのようなものから出られないっ!ええっ?何なの!?歩きまわると、係員さんがいたので、外に出たい旨を伝えると、一か所だけ開いていたドアから出してくれた。うう…。もうわけがわからない。

 外に出ると、すぐにレストランがあり、中では従業員が皆、サッカーのテレビ中継を見て盛り上がっていた(おそらく、この時、ブレシアがPKをゲットしていたのだ)。タクシーを呼んでもらえるか?と聞いてみると、「ここには交通規制で、今日はタクシーを呼べない」とのお答えだった。ここのレストランの従業員さんのひとりが、日本の地震を非常に気遣ってくれて、「日本人は素晴らしい人たちだから、きっと立ち直れるよ!」と励ましてくれてた。こういう言葉をかけてもらえると、本当に心が温まる思いがする。どうもありがとう。

 とりあえず、試合前に目星をつけておいた、交通規制の外にあるバス停まで走ることにした。その途中で、スタジアムで気が急いて食べられずに、手に持っていたパニーノの紙袋の底が抜けて、パニーノは全部道路に落ちた。ねえ、本当に、我々、ブレシアで何やってるの?

 バス停まで何とかたどりついた…が、しーん…。バスが来る気配なんてどこにもなし。スタジアムから駅まではそこそこ遠いので、交通渋滞に巻き込まれる危険も考えると、もうタクシーに乗るしかない。しかし、イタリアでは、日本みたいに、流しのタクシーを拾うことはできず、タクシー乗り場から乗るか、バールやタバッキなどでタクシーを呼んでもらうしかないのだ。しかし、見渡す限り、タクシー乗り場など見つからないし、開いているお店も見つからないっ!絶体絶命の大ピーンチ!

 周辺には、交通規制や、サポーター同士の暴動に備えて警察がたくさんいたので、男女二人組の警察に、「すみません、どこか近くに、タクシーに乗れる場所はありませんか?」と聞いてみると、男性警官が「この辺にはないなあ…」と言い、婦警さんが「タクシーなら私たちが呼んであげるわよ!」と言ってくれた。い、命拾いした!ありがとうございますっ!無線のようなもので、「中国人女性二人のために、タクシーを一台呼んでもらえる?」と仲間に頼んでくれる婦警さん。中国人じゃないけど、タクシーに乗れれば何でもいいですっ!婦警さんはずいぶん上機嫌だった。(おそらく、この時、ブレシアが同点に追いついたのだと思われる)

 タクシーが到着するのはかなり時間がかかり、何だか気持ちが焦ったが、最悪の場合、パトカーで駅まで送ってくれるだろう…と甘い考えもあった。タクシーはようやく、よいこらしょ、とやってきて、我々は婦警さんにお礼を言ってタクシーに乗った。タクシーの運転手さんは、「どこまで帰るの?」と聞くので、「ヴェローナまでです」と答えると、「ああ、11時35分の電車だね」とすぐにわかった。道路は全く混んでなくて、10時50分過ぎには駅についた。はあー…。

 それにしても、早く着きすぎたね、これ。駅にはぽつぽつしか人がいなくて、ちょっと不安になったが、駅員室が灯りがついていて、しかもドアが開いて、中の駅員さんたちがしっかり見えたので、駅員室の近くの椅子に座って、11時35分をひたすら待った。あまりにヒマだったので、ヴェローナに到着した後、B&Bまで無事に帰りつくための予行演習をした。B&Bのオーナーに、「夜遅く帰る時は、フードをかぶって、マフラーを頭にぐるぐる巻いて、女性だと分からないようにした方がよい」と言われたので、言われた通りにフードをかぶり、マフラーにぐるぐる巻かれてみたが、ちょっと歩きづらい。そこで、その状態で歩く練習をしてみたのだ。深夜のブレシア駅で、いったい我々は何をやっているのだろうか…。

 電車は無事にやってきて、ガラガラの車内ではあったが、それなりに乗客もいて、女の子集団や年配の夫婦などもいたためちょっと安心した。そして、予定通り、1時間弱で、深夜のヴェローナ駅に到着。みんなわらわらと電車を降り、安全のため、皆と離れないように駅を出ようと思ったのだが…。

 まず、ホームから下に降りる階段にロープが張ってある。この電車から、ヴェローナで降車したみんなで、ウロウロ、ウロウロしたあげく、仕方がないのでロープをまたいで下に降りるのだが、あちこちの入り口が閉鎖されていて、ようやく開いている入り口へ行き、階段を上ると、他のホームに出る、の繰り返し…。どこにも駅員さんはいないし、駅から出るために、ぐるぐる、ぐるぐると迷路からの脱出を目指す私たち。うふふ。これは、巨大迷路を楽しんでもらおうと言う、ヴェローナ駅の演出ですか?深夜にそんなもの、いりませんよっ(怒)!

201103120021000_convert_20110416155931.jpg
 ちなみに、深夜のヴェローナ駅は、こんな雰囲気。意外と明るくて、危険は感じませんでした。

 よいのこっさで、乗客一団は脱出口を見つけ、ヴェローナ駅から出た。さて、ここからは最後のステージ、深夜のヴェローナを、B&Bまで無事にたどりつけ!駅周辺や通りは、街灯がしっかりついていて、東京と同じように明るく、車通りも結構あったため、あまり危険は感じなかった。それでも、駅周辺は変な人がうろついていることもある、と言われたので、早足で通り過ぎた。そして、無事に、B&Bに到着。あー…疲れた。

 それにしても、やはり女二人で、他の街で夜開催のサッカーの試合を見て、帰ってくる、という計画は、じ・つ・に、無謀だった!ブレシアのスタジアムが、あまりにカオスなスタジアムだったせいはあるが、まずは計画そのものが無謀だったことを反省する我々。そんな我々に、お仕置きとして待っていたのは、実は、後半30分で後にしたスタジアムだったが、試合が大きく動いたのは、後半30分以降で、我々がスタジアムを出た後、インテルのコルドバが退場し、ブレシアがPK獲得するも失敗し、万事休すと思われた終了直前に、ブレシアがカラッチョロのゴールで追いつく、という、実にドラマチックな展開が繰り広げられていたのだ…。

 おまけに、シャワーを浴びようとしたら、またB&Bのお湯が出なかった。…もう、いいよ、今日は、帰りついただけでよしとしよう…。とにもかくにも、日付すらとうに変わってしまっている時刻だったため、我々はまた明日から立ち上がるため、さっさとベッドもぐり込んだのであった。

3/12ヴェローナ4 ロミオの苦悩と私の腹痛へ続く

イタリア旅行記2011もくじ

イタリア旅行は楽し♪トップページへ

スポンサーリンク

Home

プロフィール

辺獄

Author:辺獄
貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
ついでにイタリア語も楽し♪
好きなイタリアの画家はボッティチェリ!

(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

サイト修復中のお知らせ

当ブログは、記事が増えすぎたため、旅行記と本の感想以外の、イタリア旅行の実用的な情報記事を、新サイトにお引越しする作業を行っています。

引っ越し作業中は、お見苦しい箇所も出てきてしまうと思いますが、何とぞご容赦くださいませ。

新サイトはこちらです
辺獄のイタリア旅行おすすめ情報
辺獄のイタリア旅行おすすめ情報

新サイト完成後も、こちらのブログは、旅行記ブログとして存続しますので、よろしくお願い致します!

最新記事

イタリア旅行記

イタリア個人旅行の作り方

イタリアを個人で旅行する場合の、旅程の立て方や、航空券やホテルの予約の仕方についてまとめてみました♪
● イタリア個人旅行の作り方



イタリアの各町まとめガイド

今まで行ったことのあるイタリアの町ごとに、観光情報をまとめてあります。情報は、訪問当時のものなので、変わっている可能性もございます。ご注意下さいませ。
● 各町まとめガイド

各町まとめガイドは、10月以降、一時的に記事が見れなくなる可能性があります。詳しくはこちら

イタリア旅行お役立ち情報

イタリアツアー情報

当サイトはイタリアを個人旅行するための情報が多いので、パックツアーを考えている方のための別館を作ってみました。イタリアツアーの選び方や、おすすめイタリアツアーを紹介しています。
別館→イタリアツアー情報

旅行会話をマスターする!

せっかくイタリアに行くなら、イタリア語にチャレンジしてみましょう!イタリア語旅行会話の学習法や、おすすめのイタリア語学習教材、また、イタリア旅行で実際に使った旅行フレーズの紹介などをしています。

イタリア旅行おすすめ本

イタリア旅行に関するおすすめの本を紹介しています。おすすめガイドブックや、イタリア旅行前にぜひ読んでおきたい読み物、ちょっと小難しい文芸作品まで♪一覧にまとめてありますので、こちらからどうぞ↓

おすすめ旅行グッズ

イタリア旅行に役立つおすすめ旅行グッズをご紹介しています。ご参考までに、私がイタリア旅行の際に準備する持ち物リストの一覧も公開しています☆

イタリア旅行おすすめリンク

イタリア旅行に役立つサイトのリンク集を目的別に集めてみました。

カテゴリ

ブログランキング

参加中のブログランキングです。当ブログがお気に召していただけましたら、ぽちっとお願い致します☆

サイトについて

当ブログはリンクフリーです。サイトポリシーやお問い合わせ先についてはこちらからどうぞ。

検索フォーム

RSSリンクの表示

FC2カウンター