イタリア旅行記ブログ イタリア旅行は楽し

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3/9ヴィツェンツァ~清く、正しく、パッラーディオ

<本日のイタリア旅行記メニュー>
~ヴェローナからヴィツェンツァへ日帰り遠足~
●バジリカ
●オリンピコ劇場
●キエリカーティ宮
●サンタ・コローナ教会
●Museo Diocesano(ディオツェサーノ美術館?)
●ロトンダ



 ちなみに、昨日動かなくなったカメラ君は、充電しても、チップを換えても、念力を送っても動かなかった。カメラの取扱説明書の、「困ったときは」という部分だけコピーして持ってきたのだが、無力だった。母に「カメラが動かなくなったので、ちょっとだけ症状をカシオに説明して、もし簡単に直す方法があったら聞いてもらえないか?」というメールを送ったら、何と、携帯で国際電話をかけてきた!母よ…、気持ちは嬉しいのだが、落ち着いてくれ…。しかもその時も答えたのに、その後「充電はしてるの?」という、同じことを何度も何度もメールで聞いてきた。母…。充電はね、してるよ…。何度聞いても答えは同じっすよ…。

 というわけで、今日は、カメラなしでヴィツェンツァに繰り出すぞ!いえい!おのれの目に焼きつけろ!(←今年のイタリア旅行の、やむにやまれず生まれたスローガン)。でも、姉の携帯電話、というなかなかスグレモノの機種が、カメラ代行をしてくれるぞ!

 ヴィツェンツァへは、ヴェローナから鉄道移動である。各駅停車(Regionale=略称R)で50分弱だが、Regionale Veloce(略称RV)という、各停の値段で乗れる快速電車のようなものを使うと30分強で着く。そのため、数時間に1本しかないRVの時間に合わせて、ヴェローナ=ヴィツェンツァ間を往復することにした。ちなみに、各停と快速がどうしてこんなに所要時間が違うかと言うと、イタリアの電車は、駅に停車する前に、かなり前から減速しないと止まれないので、停車駅が少し増えるだけで、かなり所要時間が変わってくるのである。

 RVは、当然のように、ヴェローナ着が5分遅れた。イタリアの電車は、遅れることが日常茶飯事なので、何と電光掲示板には、その電車の到着ホームや発着時刻の横に、「rit」とか略される、「何分遅れ」を表示する場所さえ設けてある。数分の遅れで、「この電車は2分遅れで到着します。お急ぎのところ大変申し訳ございません」と謝罪する日本の電車は、輝きすぎである。

 ヴィツェンツァ駅はヴェローナ駅ほどは大きくないが、非常に清潔でこぎれいな街であった。さすが北イタリア。そして、駅を出ると、清潔でこぎれいな大通りが、まっすぐまじめに続いていた。ほ~!歩道も広くて歩きやすく、気持ちのよい道である。右斜め後方に続いている道も、街路樹が立ち並び、大きな公園に続いていて、さわやかである。イタリアの鉄道の駅前はごみごみしていることが多いのだが、ヴィツェンツァ駅前は、今まで訪問した街の中で、一番こぎれいであった。「Zushi」と書いてある、黄緑色の日本料理屋さんの看板もあった。

 駅前の大通りをまっすぐ歩き、右に少し曲がると、すぐヴィツェンツァの中心、アンドレア・パッラーディオ大通りに出た。ヴィツェンツァは、ルネサンス期の天才建築家パッラーディオの作品を中心に、歴史的な建造物が数多く残り、世界遺産に登録されている街である。お店も「パッラーディオ喫茶」「パッラーディオ香水店」などと、何でもかんでも「パッラーディオ」という名前にしとけばいいや、という安易なネーミングのお店が多数見られる。ただし、私はこの街の訪問には、一つ不安があった。私は建築のことはちんぷんかんぷんなのである。そんな私が、建築物を見たところで、何にもわからないのではなかろうか。

 その不安の通り、アンドレア・パッラーディオ大通りは美しい通りであるのだけれど、建築の何たるかがわからない私にとっては、何が世界的に重要なのかはわからない通りであった。ただし、ヴィツェンツァを擁護しておくと、アンドレア・パッラーディオ大通りという名前は、その通り沿いにパッラーディオ建築が立ち並んでいるイメージがあるが、実はパッラーディオ設計の建築物は、ほとんどこの通りに面していなくて、この通りから少し入った小さな通りなどに点在しているのである。街がパッラーディオを全面に出したい気持ちはわかるが、このネーミングは失敗だと思う。

 というわけで、アンドレア・パッラーディオ大通りの一つ隣の、街のモニュメント的建築物・バジリカ(パッラーディオ作)のある広場へと出て、インフォメーションで、郊外にある「ロトンダ」への行き方や、開いている時間を確かめておこうということになった。アンドレア・パッラーディオ通りから、ちらっとバジリカが見えたので、そちらの道の方へと出た。

 こんにちは、バジリカっ!
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 いや~、真っ白!まっちろけ!砂糖がけしているお菓子のようだ。大きな建物に圧倒されることを想像していたのだが、思っていた程は大きくなくて、スケールの大きな建物と言うより、むしろかわいらしい印象である。柱の上の方にあるマルがかわいらしい。

 なのに、どうして、こんなにかわいくない、不気味な顔が、半円のアーチの上部にいっぱい並べてあるのか…。
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 んぶわ~!この不気味な顔は、ヴィツェンツァのあらゆる建物で見かけたのだが、パッラーディオのこだわり?

 インフォメーションでロトンダを見学できる時間を確認して、ロトンダはお昼ごはんを食べた後に行こう、ということになった。その前にパッラーディオ設計のオリンピコ劇場を見に行くことにして、バジリカの面している広場にある、「ヴィツェンツァで一番のジェラート屋」として調べてある「Alle Colonne」というジェラート屋さんでジェラートを買い、食べながら歩いた。

 オリンピコ劇場にたどりつく前に、パッラーディオ設計のキエリカーティ宮前に、ベンチがあったので座り、キエリカーティ宮を見ながらジェラートを食べた。キエリカーティ宮は、バジリカと同じように、砂糖がけしたように真っ白な建築物であった。バジリカが丸みがあるいのに対し、キエリカーティ宮はタテタテ・ヨコヨコである。…この、あまりにもシロウトな建築批評からわかるように、私は建築のことは一切わからないため、キエリカーティ宮も、きれいだと思うのだけれども、どこらへんに天才建築家の片鱗が見られるのかはわからなかった。無知ってかなしい。無知の知。

 で、キエリカーティ宮の良さがわからないということより、遥かに問題なのは、食べている「ヴィツェンツァナンバーワン」のジェラートが、全く美味しくないということである!何だこれはっ!日本で、普通に、最寄りのスーパーで88円均一で買える市販のアイスと変わらんではないかっ!昨日食べた「ヴェローナナンバーワン」のジェラートもイマイチであったが、ヴェネト州のジェラートの問題点は、ジェラートのくせに、「練り」が皆無であることである。ジェラートが、「アイスクリーム」ではなくジェラートたるゆえんは、しっかり練られていて、口どけが良いところにあるのだ。「練り」なくして美味しいジェラートなし!我「練る」ゆえにジェラートありっ!(←よく考えると意味不明)…とにもかくにも、ヴェネト州のジェラートは、しっかり自己分析をし、おのれを見つめ直してほしいぜ…。

 気を取り直して、オリンピコ劇場に入場した。オリンピコ劇場は、古代ローマ劇場を模してパッラーディオが設計し、お弟子さんが完成させた、小劇場である。現在でも劇場として使われているので、建物内の劇場までへの通路は、じゅうたんがひいてあって、普通のホールのような雰囲気である。

 劇場内部に行くと…おお~、これは美しい…。非常に幻想的な雰囲気で、天井は薄い色で空が描いてある。舞台はだまし絵が駆使されていて、奥行きがずいぶんあるように感じる。
オリンピコ劇場
 こちらは舞台部分。どこからがだまし絵なのかが分からない私は、見事にだまされている…。

 観客席は階段状になっているので、上の方に上ろうとすると、係員さんに、上り下りするための小さな階段があるので、そこを使って上るように言われた。しかし、この階段は、席と色が同じで非常に見にくいため、我々の後から来る観光客も、皆気付かずに観客席を直接上り下りし、そのたびに注意する係員。中には、何を注意されているのかすぐにはわからない観光客もいるくらい、わかりにくい階段である。…ねえ、日本の皆様なら、みんなこう思いますよね。「張り紙すればいちいち注意する手間が省けるじゃん」。…だが、この係員さんにとって、「階段の上り下り」を注意するのは、彼の唯一の仕事であり、生きがいなのである。イタリアでは、日本では想像もつかないようことが、仕事として成り立っているのである…。

 オリンピコ劇場は幻想的で非常に素敵なのだが、劇場だけあって、声がよく響く。そのため、ガイド付きツアーの観光客が入ってくると、ガイドさんの張り切った解説が非常によく響いて、…う、うるさい。イタリア語やら英語やらドイツ語やらっ!たった二人の、近くにいる観光客に説明するのに、どうしてそんなボリュームが必要なのだっ!?しばらくすると、日本人の団体ツアーの人たちも入ってきた。ヴィツェンツァがツアーに含まれるとは、なかなかシブいツアーである。このツアーのガイドさんは男性だったが、周囲に気を使って非常にソフトで小さな声で説明していた。ツアー客数が一番多いこの日本人団体のガイドさんが、なぜ一番静かな声でしゃべってるんだね…。

 オリンピコ劇場を出る前に、劇場内のトイレに入った。現役の劇場だけあって、なかなか清潔なトイレであった。ハイテクでもあり、イタリアで初めて、手を洗う水道が自動で水が出たのだが、このシステムが、ハイテクなようでローテクだった。1つの流しに水道が2つあるのだが、流しに近づくと、ものすごい勢いで、2つともから水が流れ出すのである。どうして、二人同時に手を洗わないと水がもったいないシステムを作るのだ…。どこの誰が、2人で並んで、タイミングを合わせて手を洗うと言うのだね…?

 オリンピコ劇場は共通券のみの入場で、美術館にもなっているキエリカーティ宮も共通券に含まれているので、「もったいないからキエリカーティ宮にも入ろう」ということになった。キエリカーティ宮は内部見学できる数少ないパッラーディオ建築で、内部にもパッラーディオの精神がよく見られる、ということだったので、展示品にあまり興味がなくても、建築内部が楽しめるだろうと思ったのである。

 入り口では、私のリュックを預けるように、と言われた。キエリカーティ宮に入ると、美術館だった。…うん、美術館なのは初めからわかっている。何が言いたいかと言うと、パッラーディオの精神の見られる建物内部が見物なはずなのに、別に内部は普通に白いだけで、ごくフツーの美術館であった。ごくフツー。建築に詳しい人は、もしかしたら感動する部分があるのかもしれないが、私のような一般庶民にとってはごくフツーの建物だったので、共通券とは言っても、オリンピコ劇場に入ったからと言って、わざわざキエリカーティ宮に入る必要はないかな、というのが個人的な感想である。

 キエリカーティ宮を出て、少し駅方角に戻り、ベッリーニの傑作が残ると言うサンタ・コローナ教会に行くことにした。だが、サンタ・コローナ教会、盛大な工事を行っていて、とても観光客に開放しているようには見えないぜ…。壁にイタリア語の張り紙があり、私のしょぼいイタリア語力でかろうじて読解すると、サンタ・コローナ教会は工事のため閉鎖されているが、ベッリーニの作品は、ドゥオーモ近くのMuseo Diocesanoという美術館で鑑賞できるらしい。共通券にその美術館も含まれていたので、もちろん突撃することにした。

 ヴィツェンツァのドゥオーモは、この街のアイドル・パッラーディオが建築に携わっていないため、観光客には見向きもされないかわいそうなドゥオーモ君である。外観もなんだかもっさりしていてイマイチなので、我々も見向きもしないで(まっ、もっさりしてるのを確認はしたので、見向きくらいはしたのですけれども)、Museo Diocesanoへと向かった。入り口では係員の女性に荷物を預けるように言われ、番号札を渡されたのだが、…我々しか入場客はいなそうなのだけれど、番号札は必要かね?

 もう一人の係員のおじさんが、「イタリア語は話せる?」と聞いてきたので、「ほんの少しだけなら…」と答えると、我々を誘導する形で、美術品の解説を始めた。えっ?ガイドしてくれるの?まあ、客が我々しかいなくてヒマだからな…。係員二人に対して、客二人。

 おじさんは、まず1階の古代ローマ遺跡コーナーへと入って行き、「これは古代ローマ遺跡。これは柱。これは風呂タブ」と説明を始める。ひとつひとつ丁寧に解説し始めて膨大な時間がかかったらどうしよう…と思ったが、おじさんは部屋の中で、おじさんが気に入っているもの、おじさんが説明したいものだけを解説するので、わりとさくさく進んだ。遺跡にさわりながら、「さわってごらんよ」などと言う。ええっ!?明らかに、おじさんが触っているせいで警報ベルがピーピー鳴っているのだが、本当に古代ローマ遺跡に触っていいのか?でも、係員さんに勧められているのに、断る理由はあるまい。我々もさわった。わーい♪古代ローマ遺跡に触っちゃった!

 その後絵画コーナーへと行き、おじさんは、「これは絵。これは花。これは鳥」などと、見ればわかる解説を始めた。途中にヴィツェンツァ出身の画家の絵があると、「これはヴィツェンツァ人の描いた絵なんだよ。えっへっへ~」と嬉しそう。おじさんは大変にご機嫌なのだが、そろそろベッリーニが見たいなあと思い、「サンタ・コローナ教会のベッリーニの絵って、ここで見られるのですか?」と聞いてみると、「もちろんだよ!こちらへおいで!」と2階に誘導された。

 2階の一番奥に、サンタ・コローナ教会コーナーが設けてあった。「教会が工事に入る前に、僕も参加して、絵を取り外してここに運んだんだよ」と言う。私が見たかった、ジョバンニ・ベッリーニの傑作「イエスの洗礼」を発見!実は、この絵の全体像を見たことはなかったのだが、イエスの右にいる3人の天使の一人が、ヴァザーリのルネサンス画人伝(ハードカバー版)に白黒写真で載せられていて、そのやさしげでやわらかな表情が気に入り、ちょっとベッリーニに興味があったのだ。

 ベッリーニは、フィレンツェ派とよく対比されるヴェネツィア派であるが、ヴェネツィア派の定説として言われる通り、実に色鮮やかである。解説のおじさんが、「赤い衣服を着ている天使の赤色が、イエスの腰布に映っているんだよ」と教えてくれる。なるほど~。3人の天使の背後に描かれているお城を指さし、「これはロミオとジュリエットの話と関係のある、ヴィツェンツァのお城なんだ。ロミオとジュリエットはヴェローナの話として知られているけど、もともとのオリジナルはヴィツェンツァなんだよ」と教えてくれる。なるほど~。それにしてもおじさんは、絵の解説をする時、絵に触りそうなくらい近づいていて、また警報ベルにピーピー言われていたが、お構いなしであった。いやね、ここの美術館の係員なんだから、むしろ、ピーピー言われてる人に注意するのが仕事なんだと思うんだがね、おじさんが幸せならそれでよいのだ。

 それにしても青い服の天使はかわいいなあ~とじっくり見ていると、おじさんがこっちにこい、というジェスチャーをする。この部屋の一角で、サンタ・コローナ教会から、作品をこの美術館に運んだ時の様子が、延々とパネルで流されているのだが、その番組が最初に戻ったので、我々に見せたいのだ。仕方ないなあ~と思いながら見に行ったのだが、意外とおもしろかった。祭壇画を取り外した後ろの壁は、大きくヒビが入っていて、今、それを盛大に修復しているのだそうだ。

 この美術館には、ベッリーニの作品だけ見るつもりで入ったのだが、おじさんに連れ回されたため、結構時間をかけてしまった。でも、あんなに嬉しそうにガイドするおじさんに、「こちとらベッリーニだけでいいんだよ!」と言うことなど、外ヅラの良い日本人の私にはできなかった。まあ、美術作品などを見るだけが旅行の楽しみではなく、こうやってイタリア人とうだうだ過ごすのも、イタリア旅行の醍醐味であろう。

 さて、まだお昼は食べていなかったが、「あんまり疲れてないし、このままロトンダに行こうか!」と言うことになった。徒歩で観光できるヴィツェンツァだが、ロトンダだけは、バスで少し郊外に出なければならない。インフォメーションのスタッフが「たぶん8番バス…」と自信なさげに言っていた。なぜ、観光案内所のスタッフが、ヴィツェンツァ観光の目玉の、ロトンダ行きのバスの番号をうろ覚えなのだろうか…。バスが、駅からまっすぐ伸びる大通りの、旧市街入り口の手前から出る。駅からみて右側の方がバス停である。

 しかし、どこでバスの切符を買えばよいのだね…?イタリアでは、バスの切符はバス内では買えず(買えても割高な値段になる)、タバッキやエディコラ(屋台っぽい新聞屋さん)などで購入する必要がある。普通はバス乗り場の近くにチケットを売るお店があるのだが、それらしきお店が見当たらない。近くのバールやレストランで売っていないか聞いてみたが、「バスチケットはここでは売ってないなあ…。割高になるけどバス内で買うといいよ」と言う。

 貧乏人の我々が、割高チケットを買うのは、本当に他に何の手だてもない時だけである。ちょっと旧市街の中に戻って、タバッキがないか探そう、ということになったが、旧市街に入っても、全然タバッキがそこらに見つからない!うぬ~。イタリアでは、タバッキとバールはどこにでもあるくせに、いざ探す時には見つからないというのがセオリーである。ようやく、かなりバス停から歩いた所で、エディコラを見つけ、バスチケットを往復でゲットした。我々が購入した後、エディコラはすぐ昼休みに入ってしまった。危ない~。

 バス停からかなり遠ざかってしまったので、早足でバス停に戻り、待機していた8番バスに乗り、ロトンダに行くことを運転手さんに確認して、「着いたら教えてください」とお願いした。切符を刻印して、席に座ってバスの出発を待っている時に、我々はふと顔を見合わせた。「今行っても、ロトンダはお昼休みなんじゃ…」。時計は1時過ぎで、ロトンダは2時半まではお昼休み…。ロトンダは郊外にぽつんとあるお屋敷なので、閉まっていたら郊外にぽつんと我々が取り残されてしまう…。てなわけで、「ごめんなさい、後のバスを利用します」と運転手さんに断ってバスを降りた。バスの切符の刻印は、90分間有効なので、たとえ刻印してしまっても、1時間後のバスなら利用できる。

 とりあえず、ロトンダがお昼休みしている間に、我々もお昼休みするのがよかろう、とお昼ご飯を食べるために旧市街に戻った。旧市街とバス停を行ったり来たり、本当にとんまな観光客である…。アンドレア・パッラーディオ通りの真ん中くらいに、「バールイタリア」という、何だか嘘くさい名前のバールがあり、最初は「観光客向けのアヤシイお店かも…」と思ったが、地元の人もどんどん入っていくので、思い切って入ってみた。

 イタリアのバールにしては珍しく、内装がファーストフード店のような近代的な感じで、2階もあり、若者が多かった。紙を敷いたプラスチック製のトレーを持たされ、やっぱりちょっとファーストフードっぽいのかな、と不安になったが、運ばれてきたパニーノとカフェラテは、…お、おいしいっ!ヴィツェンツァは、パッラーディオ建築人気が高いアメリカからの観光客が多いので、そのためにファーストフード店のような外装・内装にしているのかもしれないが、味は街のおいしいバールであった。

 お腹がいっぱいになったところで、ようやくロトンダ行きである。運転手さんに降りる場所で教えてくださいと頼んでおいたが、ロトンダが近くなると、周りの地元の乗客さんたちが、「次のバス停がロトンダだよ!」「あなたたち、降車ボタンを押さなきゃ!」と口々に教えてくれた。畑や住宅地が並ぶ郊外に、ぽつんと降りた我々。で、ロトンダはどこだい?近くの家の庭で洗濯物を取り入れていた主婦さんが、こんな所にくる観光客は皆ロトンダ目当てだとわかっているので、「あっちの坂を上るのよ~」と教えてくれた。ヴィツェンツァ人、みんないい人~♪

 ゆるやかな坂道をぽつぽつ5分くらい上ると、左手の方から急に猫が2匹飛び出してきた。猫~!(我々は猫一家)。飛び出してきた方を見ると、鉄の大きな扉があり、いかつい犬がいて、この犬にビックリして猫ちゃんたちは飛び出してきたらしい。で、よくよく見ると、「ここ、ロトンダじゃない…?」。でもどうして鉄の扉が、重々しく閉じられているのだね?鉄格子の向こうに犬の飼い主さんがいたので、「今日はロトンダ休みですか?」と聞いてみると、「NO~!もちろん開いてるよ!」とカギを開けてくれた。…中に観光客がゼロだったため閉めていたらしい…って、もしや貸し切りっ!?

 どうしてロトンダの切符売りに犬がいるんだろう…というツッコミは置いといて、緩い傾斜の道を進む。もう正面にはロトンダが見えている!
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 近くまで行くと、…いや~、これはかわいいっ!
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 まるで水彩画か色えんぴつで描いたような、絵のような建物である。静かな郊外の高台にぽつんとあるのが、何だかそこだけ違う世界のようで、大変清らかである。ほわー。これを見ると、建築のことは何もわからない私でも、パッラーディオすごいっ!とわかる。アメリカの大統領が、このロトンダを見て、「あんな家がいい!」と言ってホワイトハウスのモデルにした、というのもわかる。
ロトンダ
 こちらは左斜め前方から見たロトンダ。前後左右の玄関は、すべて同じ作りになっている。この調和した雰囲気が、ルネサンスなのだろうなあ、とわけもわからずに思う私。
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 ロトンダへと向かう正面の道。この道がゆるやかな傾斜になっているのが、心にくい演出である。ちょっとわかりづらいですが、正面にはアヒル君の像があり、道の脇の上の方にも像が並んでいる。ケイタイのカメラですからねっ!ちょっと画像がわかりにくいですけどっ!
 
 冬期はロトンダ内部は開放していないので、お庭だけの散策だったが、ゆっくり鑑賞して、出ようとすると、入り口に大量の修学旅行生みたいな集団が待機していた。先に入ってて良かった~と思ったが、集団は中に入ってこなくて、鉄格子の隙間から、ちらっと見えるロトンダを撮影だけしていた…。…ロトンダを見ないのなら、何のためにわざわざここに来ているのか、謎の修学旅行…。

 帰りも8番バスに乗ろうと思ったら、13番バスが止まり、中心街まで行く、と言うので乗り込んだ。バス停には8番しか止まらないって書いてあったのだが、人が待っていたので、せっかくだったら拾ってあげよう、と停まってくれたのかもしれない。ロトンダから中心に戻るバスは、駅に停まり、その後に終点の中心街入り口で停まるが、ヴェローナへ戻る電車に、少しだけ時間があったので、中心街であと少しだけ街歩きをすることにした。

 ロトンダを見て、パッラーディオ建築の秩序立った清らかさ(←実に詩的でない表現…)が分かった気がした私は、地図を見ながら、中心街に残るパッラーディオ建築を見て回ることにした。パッラーディオ建築は、フェイントなのだが、「パッラーディオ通り」ではない通りにたくさんあり、特に「Contra Porti」という通りに多い。白くて、古代ギリシャ・ローマを思わせる、整然とした建物が特徴であり、いくつか見ているうちに、「あっ、これがパッラーディオだ!」とわかるようになってきた。中心街で、一番気に行った建物はこちらのバルバラン宮。
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 奥の方の、柱が並んでいる建物。ケイタイのカメラ君ではイマイチ伝えきれませんが、エレガンスで美人なお屋敷~♪

 パッラーディオの建物には、地図でチェックを入れていた私だが、他に、R/Jとメモされている建物が一件あった。なんだこりゃ…。どう見ても私の字なのだが、いつ、何の意味で書いたと言うのだ…。RとJ………ダメだ、なにも思いつかない。何でこんな、自分でもわからなくなるような、暗号みたいなことを私は書いたのだろう…。

 電車の時間が近づいてきたので、R/Jのことは諦めて、中心街に別れを告げて、駅へ向けてとことこ戻った。パッラーディオの街と言われるヴィツェンツァは、パッラーディオの建築と同じように、清潔で、秩序立った街であった。ローマやフィレンツェのように、巨大な建築物に圧倒される、というような街ではないが、今まで行ったイタリアの街の中で、一番「清く、正しく、美しく」という感じ。

 そして、ヴェローナへと戻る電車の中で、R/Jについて思い出した!「ロミオとジュリエットの話のオリジナルは、ヴェローナじゃなくてヴィツェンツァで、そのゆかりのお屋敷にチェックしたんだった!」。…今思い出してももう遅いし、ベッリーニの絵を見ている時に係員さんにその話もされていたのに、思い出せないなんて…。まあ、私の「ロミオとジュリエット」への思いなど、そんなものなのだろう…。結局、途中から結末がミエミエだったので、旅行に持ってきた「ロミオとジュリエット」の本も最後まで読まなかったしな…。

3/9ヴェローナ2~いま夜が来て君はきれいになったへ続く

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貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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