イタリア旅行記ブログ イタリア旅行は楽し

イタリア旅行大好きの管理人が、実際にイタリアに足を運んだ経験・情報に基づいて、イタリア旅行情報を発信してます。
旅行記や個人でのイタリア旅行のコツ、サッカー観戦情報もございます。

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イタリア旅行記2012もくじ

 2012年2/23~3/15に行った4度目のイタリア旅行の旅行記のもくじです。訪問先はアルベロベッロ、ロコロトンド、マルティーナ・フランカ、チステルニーノ、マテーラ、フィレンツェ、アレッツォ、ルッカ、ミラノ、ベルガモ、コモです。

●2/23プロローグ スイスにラジオ体操母娘現る
スイスのチューリッヒ空港経由で、バーリ空港へ。
●2/24ロコロトンド1 プーリア野菜の衝撃
アルベロベッロの隣町・ロコロトンドの朝市に突撃!
●2/25アルベロベッロ1 とんがり屋根は猫天国
モンティ地区と、アイア・ピッコラ地区をお散歩
●2/25アルベロベッロ2 線路は続くよオリーブ畑
サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノの聖所記念堂、トゥルッロ・ソヴラーノ。その後、旧市街を出てオリーブ畑をお散歩。
●2/26マルティーナ・フランカ バロック、満腹、イケメンイエス
アルベロベッロから、2つ隣りの町・マルティーナ・フランカへと遠足。
●2/27チステルニーノ 白い迷路とおばあちゃん
アルベロベッロから、小さな白い迷宮の町・チステルニーノへと遠足
●2/27ロコロトンド2 ただ白く、何よりもマルく
チステルニーノからの帰りに、ロコロトンドに立ち寄りました。
●2/28アルベロベッロからマテーラへ おやじの車でGO!
アルベロベッロの朝焼けを楽しんだ後、マテーラへと移動。
●2/28マテーラ1 下を向いて歩こう!
マテーラ初日の散歩。渓谷沿いのメインストリートを歩きました。
●2/29マテーラ2 洞窟の中の静かな祈り
サンタ・マリア・ディ・イドリス教会を始め、旧市街の洞窟教会を観光。
●2/29マテーラ3 渓谷に映る町の影
カーサ・グロッタと、チヴィタ地区のお散歩。
●3/1マテーラ4 絶景は強い風に吹かれて
ティモーネの展望台から、マテーラ旧市街のパノラマを見たっ!
●3/1マテーラ5 洞窟の奥の遠い記憶
サッシ・カヴェオーソ地区のお散歩。
●3/2マテーラからフィレンツェへ アドリア海の青の青さに
マテーラからフィレンツェへ長距離移動。エウロスターの一等席からアドリア海を見た幸せっ!
●3/3フィレンツェ1 憂いの少年ジュリアーノ
フィレンツェ初日。市場への買い出しと、ヴェッキオ橋方面の散歩、メディチ・リッカルディ宮。
●3/4フィレンツェ2 まるこは見返り美人
サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会、旧サンタ・マリア・デリ・アンジェリ礼拝堂、サン・ジョヴァンニ洗礼堂
●3/4フィレンツェ3 朝から晩までフォルツァ・ヴィオラ!
セリエAのフィオレンティーナVsチェゼーナを観戦。
●3/5アレッツォ1 危機一髪!聖十字架の伝説!!!
アレッツォへ遠足前編。「聖十字架の伝説」を危うく見逃すところであった。
●3/5アレッツォ2 ヴァザーリさん、お邪魔します
アレッツォ遠足後編。アレッツォは坂道が多くて素敵な町でした。
●3/6フィレンツェ4 通ったよ!ヴァザーリの回廊!
ウッフィツィ美術館鑑賞と、予約訪問でしか観光できないヴァザーリの回廊を通りました!
●3/6フィレンツェ5 太った小人とハイポーズ!
ボーボリ庭園の散歩、パラティーナ美術館の鑑賞。
●3/7フィレンツェ6 眠るヨハネは思わず主役
カスターニョの「最後の晩餐」を鑑賞しました。
●3/7フィレンツェ7 本日ミケランジェロ広場日和
ミケランジェロ広場からフィレンツェのパノラマを見ました。お天気最高っ!
●3/8フィレンツェ8 祝!ダヴィデ像一番乗り!
女性無料デーの日!アカデミア美術館を皮切りに、あっちこっち行くよっ!
●3/8フィレンツェ9 ウッフィツィ美術館を逆走せよ!
女性無料デーの日、後半戦は、バルジェッロ国立博物館から!
●3/9ルッカ1 青地に映える白きロマネスク
ルッカ遠足前編。サン・ミケーレ・イン・フォロ教会、サン・フレディアーノ教会など。
●3/9ルッカ2 塔のてっぺんで木々は歌う
ルッカ遠足後半。グイニージの塔、ドゥオーモなど。
●3/10フィレンツェ10 今も昔も子供のための
捨て子養育院美術館、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会。
●3/10ミラノ1 おにいさんの厄日
ミラノへ移動。夕焼けに照らされたドゥオーモへ。
●3/11ベルガモ 丘の上にジュリアーノは不在
ベルガモへ遠足。「ジュリアーノの肖像」は見れませんでした…。
●3/12ミラノ2 嬉しそうだね、軍人さん
ドゥオーモの屋上に上りました。
●3/12ミラノ3 干上がっていても、私は運河。
サン・ロレンツォ・マッジョーレ教会と、ナヴィリオ運河。
●3/12ミラノ4 ロマネスク教会の真骨頂!
ミラノのロマネスク教会、サンタンブロージョ聖堂へ。
●3/13コモ カエルの肢を探せ!
コモ湖のあるコモへ、半日遠足。
●3/13ミラノ5 修復中でもファンサービス!
ブレラ美術館鑑賞。
●3/13ミラノ6 気になるあのコの名前はルシオ!
チャンピオンズリーグのインテルVsマルセイユを観戦。
●3/14ミラノ7 楽隊は見た!昼下がりの落椅子
アンブロジアーナ絵画館鑑賞。
●3/14ミラノ8 ディナーは視線を釘づけにして
ポルディ・ペッツォーリ美術館鑑賞。
●3/15エピローグ ミヤトビッチさんって誰?
チューリッヒ経由で帰国。

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3/15エピローグ ミヤトビッチさんって誰?

<本日のイタリア旅行記メニュー>
●チューリッヒ空港経由で帰国

 さて、21泊の今年のイタリア旅行も、ついに帰国の日となった。この日は、頭の中で、朝起きた時から、ずっと「蛍の光」が流れている。完全にお別れ気分である。日本人は、なぜ「蛍の光」を、閉店の時や、会の終わりなどに流す風習があるのだろうか。とにもかくにも、脳内BGM「蛍の光」で、ズルズル、ズルズル、と重い足取りで、スーツケースを引いて、ミラノ中央駅へと向かう私。別に日本が嫌いなわけじゃないんだよ。日本の超絶ハイテクビューティフルトイレは最高だよ。ただ、旅が終わるのがカナシイんだよ。

 ミラノ中央駅から、マルペンサ空港に向かうのだが、中央駅からマルペンサ空港行きの鉄道が、新しく開通したらしい。その新しい鉄道くんにぜひ乗ってみたかったのだが、宿泊しているレジデンスが、空港への高速バス乗り場に近かったので、高速バスを使うことにした。一人7.5ユーロ。イタリアのバスでは珍しく、乗る前にドライバーから切符を買うことができる。イタリアでバスに乗るときは、タバッキなどでバス切符を購入しておかないと、車内では購入できない場合が多いのだ。

 バスはとことこ、とことこと、空港へ向かって進む。私の脳内では、「蛍の光」が鳴りっぱなし。マルペンサ空港は、市街地から遠く、バスだと混雑具合にもよるが、1時間~1時間半くらいかかる。ただ、成田空港と比べると、それでも市街地から行きやすい距離である。

 バスは1時間ほど走って、空港らしき建物の前で停まった。だが、2、3人が降りるだけで、ほとんどの乗客は降りない。おそらく、このまま乗っていればいいんだろうと、頭の中で「蛍の光」が流れている私は、旅行に対する真剣味が足りなくなっていた。姉が、運転手さんに聞きに行ってくれて、このまま乗っていればよいことがわかった。

 姉はエライ。たとえ、最終日だろうが、頭の中で「蛍の光」が流れていようが、イタリア旅行では、あれ?と思った時には、ちゃんと聞かないと、後で大変なことになる場合もあるのだ。家に帰りつくまでが遠足…じゃなかった、イタリア旅行。私はどうも、この心構えに問題がある。早急に克服せねばならない。自らの課題を見つめる感心な私(課題って、見つめるだけでは何にも意味がないのだけれどもね!)

 で、3年ぶりのマルペンサ空港。マルちゃん、元気だったかい?マルペンサ空港のチェックインカウンターは3階だった。ちなみに、イタリアの3階は、「2階」と表示されるので注意が必要である。日本での1階にあたる部分はイタリアでは、「Pianoterra(訳すと地上階?)」と呼ばれ、日本での2階に当たる部分から1階、2階、とカウントする。

イタリアと日本の階の呼び方の違い

 往路と同じで、帰国もスイス航空を使い、チューリッヒ経由となる。チューリッヒ航空のカウンターで、eチケットを渡し、航空券を受け取った。経由便なので、航空券はミラノ→チューリッヒのもの、チューリッヒ→成田のもの、と、一人につき2枚になるので、3人分を一度に受け取ると、結構かさばった。荷物を預けてから、椅子に座って、ゆっくり、「ハイ、これがお母さんの。これがお姉ちゃんの」と分けていると、航空券が一枚余った。…えっ!?何でっ!?

 よくよく見ると、ベオグラード(セルビアの首都)行きの航空券がある!えっ!?私たち今からバルカン半島に行くのっ!?…と、さらにその航空券をよくよく見ると、搭乗する人の名前がミヤトビッチさんだった。もう一度、スイス航空のカウンターに戻り、「あのー、コレ、私たちの航空券じゃないと思われますよ」とスタッフさんに返した。いやー、違う人の航空券を渡されるなんて、今まで心配したこともなかったけど、こんなことが起きるのも、イ・タ・リ・ア!スイス航空と言えども、マルペンサ空港のスタッフはイタリア人ですからね!皆さん、航空券を受け取ったら、自分の航空券かどうか、しっかり確認しましょうね!(いや、マジで。)

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 この発着案内の画面で、自分たちが乗る飛行機の、出発ゲートを確認。遅れなどが出ていないかも、確認しましょうっ!

 とりあえず荷物チェックのゲートを早めに通って、出国検査も済ませた。飛行機の時間にはまだ余裕があったので、免税店などをぶらぶらした。母は最後の最後までしぶとくおみやげを買っていた。

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 明るい雰囲気の、マルペンサ空港の免税店エリア。

 めざとく「Venchi(北イタリアで有名なベンキという名前のチョコレート兼ジェラート屋さん。おいしいよ。店名に漢字を当てるようなことはしてはいけないよ。大人になるよ)」を発見した我々は、「最後にベンキ!」と言い合って、ベンキのジェラートを買った。

 待合室の椅子に座って、ベンキのジェラートを食べた。美味しかった。何気なくレシートを見ると、…あいやー、3ユーロほど多く取られてるよ。買ってすぐだったので、我々の会計をした店員の女性に、「コレ、計算おかしくないすか?」と持っていくと、「あら、ごめんなさい」と、すぐ3ユーロ返してくれた。イタリア…最後の最後まで、他人の航空券を渡したり、ジェラートの計算を間違ったり…。
 
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 こちら、マルペンサ空港の待合室。

 今回は、チューリッヒでの乗り換え時間が50分と短い。少しでも飛行機が遅れたりしたら、乗り換えができなくなりそうだなと、ちょっとだけ不安ではあったのだが、飛行機は無事に定刻通り出発した。ちなみに、チューリッヒ空港が定めている、最短乗り換え時間は45分で、これより多い乗り換え時間の航空券を買っておけば、万が一乗り換えに失敗した際は、航空券は無効にならず、航空会社が他の便に振り替えてくれるそうだ。

 バイバイ、イタリア。また、来年っ!来年こそは、ここ2年間スルーしてしまったローマに行くのが、ローマに対する義理ってもんだろう(そんな義理、世界中から観光客が集結してくるローマには、全く不要)。

 ミラノからチューリッヒまでは、わずか1時間。本当に「あっ」と言う間に着いた。50分という短い乗り換え時間だったが、チューリッヒでは荷物検査も出国検査もなく、ただターミナルを、表示に従って移動するだけだった。途中で、地下鉄のような乗り物でターミナル間を移動するが、これも迷うことなく、サクサク進んだ。結局、10分くらいで成田行きの搭乗ゲートにたどり着き、余裕であった。余裕ってカッコイイ。

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 明るくて清潔なチューリッヒ空港。マルペンサ空港と比べちゃいけませんよ(マルちゃんはイタリアの空港ではがんばってる方だ)!人はそれぞれだ。空港もそれぞれだ。

 ココはもうイタリアじゃないんだなあ…と感じたのが、チューリッヒ空港は、エスカレーターが故障で止まってしまっている所があったのだが、係員さんがスムーズに空港客を誘導し、また、修理や確認のために、テキパキと連携を取り合っていた。テキパキ。イタリアではほとんど見ることのできない光景である。いいんだよ。テキパキを見るためにイタリアに行ってるわけじゃあないのさ。

 というわけで、21日泊にわたる、with母のイタリア旅行も、これにて閉幕~。おつかれさんしたー!プーリア州からロンバルディア州までの、大旅行であった(日本で言えば、九州北部~東北までって感じだ)。来年はどこ行こうかね。義理でローマ、リベンジでシエナ、ニューフェイスでアマルフィ、ポンペイ、チンクェテッレ。パレルモにも行ってみたいんだけど、シチリア島はまだ私のレヴェルでは難しいかなあ。

 …また来年も行くのか?もっちろん、また来年も行きます、イタリアっ!次こそ、イタリアのサッカーチームがチャンピオンズリーグを勝ち抜く試合を見たいよー!

(イタリア旅行2012完)

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3/14ミラノ8 ディナーは視線を釘づけにして

<本日のイタリア旅行記メニュー>
●ポルディ・ペッツォーリ美術館
●ドゥオーモ

 アンブロジアーナ絵画館を堪能した後、絵画館の近くの、有名な「ペック」という食材店の2階にある、「ペックカフェ」で一休みすることにした。

 「ペック」と言えば、ミラノの旅行ガイド本には必ず載っている、世界的に有名な高級食材店。1階が食材売り場になっていて、ハムやチーズ、パンからお菓子など、人間が食べるものなら何でも売っている。質のいいものが揃っているし、「ペック」と言えばもうブランドのようなものなので、ここでおみやげを買う観光客も非常に多い。

 2階がカフェになっていて、高級食材店のカフェ、ということもあってか、客層のほとんどは有閑マダムと言う感じであった。つまり、「おほほほほ、そうざますね、奥様」みたいな雰囲気。姉と私が二人だったら、確実に入っていないカフェである。母は結構ファッションをお上品にまとめる人で、マダムに見えなくもないので、母が一緒にいたため、我々はこのカフェであんまり浮かずに済んだ。今回の旅行は、母がいたおかげで、普段であれば入らないようなお店に何度か入り、新鮮であった。

 日本人観光客もよくこのカフェを利用するらしく、注文を取りに来たおじさん…いや、おじさまだな…おじさまは、日本語で「コンニチハ。ナニニシマスカ」と言った。コンニチハ。すぷれむーたヲ、ミッツオネガイシマスヨ。スプレムータは7ユーロで、普通のバールなどでは3~5ユーロくらいであるのを考えると、やっぱり高級カフェの値段だった。味は美味しかったです!

 母はもう少し休憩させるために、このペックカフェに残して、姉と私は二人で、ポルディ・ペッツォーリ美術館へ向かった。ドゥオーモから北の方へ、歩いて5分くらいの所にある美術館である。

ポルディ・ペッツォーリ美術館
 こちらが入口。アンブロジアーナ絵画館と同じように、ポルディ・ペッツォーリ美術館も、邸宅美術館…つまり、建物そのものにも価値のある美術館なので、入館料がイタリアの美術館の中では高く、9ユーロである。

 切符を購入して、中に入ると、いきなり素敵な階段が!おおっ!確かに邸宅美術館っ!

ポルディ・ペッツォーリ美術館
 ねえ、自宅にこんな階段があったら、本当に素敵なお家ですよ!おほほほほと言いながら、降りたい階段である(意味不明)。どうでもいいんだが、どうして階段って、上ってる姿より、下ってる姿の方がエレガンスな雰囲気が出るのだろうか。シンデレラが、ガラスの靴を落とした後、急いでタタタタッと階段を下るから優美なのであって、もし急いで階段をゼーハー上るなら、雰囲気ぶち壊しである。

 で、この素敵な階段を上ると、すぐに絵の展示が始まった。まず目に飛び込んできたのは、高校時代、世界史の教科書で見たことのある、マルティン・ルターの肖像画!あの、ちょっとシモブクレの、目が開ききらない感じの、眠そうなルターさんである。

 こんな有名な絵があるのに、どうしてこの絵のことが、「地球の歩き方」に載ってないんだろう?と思い、帰国してから調べると、このルターの絵の作者さんのクラナッハさんは、ルターの友達で、ルターの肖像画は何枚も何枚も描いているらしい。で、選挙ポスターみたいに、宗教改革を広めるための広告として使ったとか、何とかかんとか。写真のない時代だからねー。

 この美術館に来た一番の目的は、ボッティチェリ作品を2枚所蔵している、という情報をゲットしたからである。探してみると、残念ながら、一枚は修復中で展示されていなかった。だが、不幸中の幸いで、修復中の絵はサヴォナローラに心酔した後に画風が変わってしまってからの作品であり(この頃のボッティチェリ作品は、精彩を欠くと言われている)、ボッティチェリが最盛期である頃に描いた絵の方は、鑑賞することができた。「聖母子」を描いた作品である。
 
ポルディ・ペッツォーリ美術館 ボッティチェリ
 ボッティチェリ特有の、線の優しさ、人物の柔らかさがあり、素敵な作品!コレは数あるボッティチェリの絵の中でも、なかなかイイ!何て静かで温かみのある、聖母マリアの表情!でも、さすがボッティチェリで、同時に何だかさみしそうな雰囲気が、作品をさらに美しくしている。マリアを見上げる幼子イエスもかわいい!お母さんマリアの手の上に、ちょこんと乗せられた小さな手がかわいい!いやー、旅行最終日に、こんな素敵なボッティチェリ作品に出会えて幸せだよ!

 ちなみに、この写真は、本物を撮影した写真である。写真撮影禁止の立札がどこにもなかったので、係員のおじいさんに、「作品を撮影してもいいんですか?」と聞いてみると、なぜかおじいさんは、両の手で、それぞれ私と姉の頭をなぜながら、「もちろんいいですよ」と答えた。私はともかく、姉まで子供に見えたのだろうか?それにしても、この美術館の係員さんはみんな優しくて、何だか神父さんのように慈悲深い笑みを顔に浮かべていて、まるで教会を鑑賞しているみたいな気分だった。

 本物のボッティチェリ作品をバシバシ写真に撮れるなんてことは、めったにないことなので、姉も私も調子にのって、このボッティチェリと一緒にハイチーズした。ボッティチェリと記念撮影できる幸せよ!

 この他には、女性の横顔を描いた、ポッライウォーロの有名作「若い貴婦人の肖像」や、ピエロ・デッラ・フランチェスカの「トレンティーノの聖ニコラ」などがあった。「地球の歩き方」にも写真が載っていた、ポッライウォーロ作品はなかなか美しい作品だったが、ピエロの作品は、もともとクールな感じの絵を描くピエロが、聖人…つまり中年男性…ぶっちゃけおっさんを描いた作品だったため、ちょっと私にはクールすぎた。いや、ピエロの絵、結構好きなんですけどね!

 姉が好きだと言ったのは、ベッリーニの「ピエタ」。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 ベッリーニ
 こちらの作品。「ピエタ」とは、キリストの十字架上での死と、それを嘆き悲しむ人々の場面である。

 姉は、ブレラ美術館でも、ベッリーニの「ピエタ」(この絵とは構図がだいぶ違う作品)を、大絶賛していた。私は、ベッリーニは、聖母マリアとか天使とか、美人を描いてなんぼだと思っている画家さんなので、あんまり「ピエタ」には心惹かれなかったのだが、姉はずいぶん気に入っていた。私がおこちゃまで、まだ、こういったシブい絵を味わえないのだろうか。ま、姉は、「何だかサネッティを思わせる」と何度も言っていたので、そのせいでベッリーニの「ピエタ」に惹かれた可能性は大だが。(姉はインテルの主将サネッティのファン)

 他には、「メメント・モリ」と題された、一風変わった作品が目についた。「メメント・モリ」とは、「死を想え」というラテン語で、人生の最後に待っている死から目を背けるな、とでもいうか、ちょっと日本の諸行無常とも似たところのある思想である。この「メメント・モリ」を題材にした芸術作品は、西洋美術によく見られる。

 このポルディ・ペッツォーリ美術館で見た作品は、一見若い男性の肖像画なのだが、この絵の裏側が鏡を使って見られるようになっている。その鏡にさかさまに映っているのは、ドクロなのである。若さと死は背中合わせ、とでもいうメッセージであろうか。鏡で絵の裏側を見せる、というのは、この美術館の演出だが、鏡にさかさまに映ったドクロが、実に怖かった。あんまり怖くて、写真撮影OKなのだが、撮影がためらわれたので写真は撮らなかった。おそらく、こういう絵は実際に見てなんぼだと思うので、皆さま、ミラノに行った際には、ぜひこの作品と向き合って来て下さい!

 さて、ボッティチェリやベッリーニの絵が展示している横の部屋には、フィレンツェのサンタ・マリア・マッダレーナ・デ・パッツィ修道院で見た、ペルジーノのキリスト像の絵にそっくりな、キリスト像が描かれた十字架があった。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 ラファエロ
 作者は誰かなあーと思って見てみると、ラファエロっ!?

 ラファエロは、ペルジーノのお弟子さんで、初期作品はずいぶんペルジーノの影響を受けているらしいので、おそらくこの作品は、ラファエロの初期作品なのではないだろうか。十字架の中に描かれた、小さな絵なので、あまり美術館側がアピールしていないのかもしれないが、「地球の歩き方」にもラファエロ作品があるなんて載っていなかったので、思わぬところでラファエロに会えてビックリ!

 で、この十字架の四隅に、聖母マリア、マグダラのマリア、使徒ペドロ、使徒ヨハネが描かれていた。使徒ヨハネ…そう、私が大好きなヨハネっちですよ!このラファエロ作のヨハネっちが、実に実にかわいらしい!
 
ポルディ・ペッツォーリ美術館 ラファエロ
 手を合わせて、目を閉じて、ほんわかしていてかわいいヨハネっち。今まで、いろいろな絵の中でヨハネを見てきたが、このラファエロの描いたヨハネが、一番好きかも!本当に小さな絵なのだが、実に心温まる絵である。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 ラファエロ
 こちらは、マグダラのマリア。美人の誉れ高いマグダラだが、この絵に限っては、マグダラよりヨハネの方がかわいいと思った。マグダラの髪型かわいいですけどね!

ポルディ・ペッツォーリ美術館 ラファエロ
 こちらは聖母マリア。キリストが十字架にかけられる頃のマリアなので、年齢相応の描き方になっている。聖母子像に描かれる若いマリアとは違うが、落ち着いた中にマリアの慈愛が滲み出ていて、素敵な絵だと思う。さすがラファエロ。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 ラファエロ
 上の三人の写真を撮ったところで終わりそうになったのだが、それではかわいそうなので、ペドロの写真も撮ったよ!トレンドマークのカギを持った、おじいさんペドロ!よくよく見ると、かわいいペドロ!

 というわけで、予期せぬところで、ラファエロ作のヨハネっち―しかも最高にかわいらしい―に出会えて、もう幸せいっぱいの私。

 おまけにこのポルディ・ペッツォーリ美術館は、邸宅美術館名だけあって、内装も美しいったらありゃしないよ!

ポルディ・ペッツォーリ美術館 
 美しいステンドグラス。こんなのが自宅にあったら、………うーん、想像もできないくらい、私の自宅とはかけ離れすぎている。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 
 美しい壁の装飾。こんなのが自宅に…(以下省略)。

ポルディ・ペッツォーリ美術館 
 変な動物の置物。うーん、これは自宅にいらないや。
 
ポルディ・ペッツォーリ美術館 
 時計や観葉植物の置かれたこの部屋もステキ。

 というわけで、館内そのものの美しさも、展示品のスバラシサも、想像以上であったポルディ・ペッツォーリ美術館。特に、ボッティチェリ作品とラファエロのヨハネは最高で、何度も何度もこの2つの絵の前に戻って、飽きるまで(って飽きなかったんだけど)堪能した私。最後に、入口にあったエレガンスな階段で、エレガンス記念に(意味不明)姉と交代で記念撮影をしていたら、その様子を、係員さんのお兄さんが、慈悲深い笑みを浮かべて見守っていた。係員さんたちもやさしい人ばっかりで、とても高感度の高い美術館であった。

 さて、ポルディ・ペッツォーリ美術館を出たら、ドゥオーモで母と待ち合わせ。ミラノ旅行の締めは、やっぱりドゥオーモである。母は無事にドゥオーモで待っていた。「お母さんが一人で歩いてたら、じろじろ見られるよ。日本人のおばさんが、一人でミラノを歩いてるのは珍しいのかも!」と母。確かに、日本人の中高年世代は、ツアー旅行でイタリアに行く人が多いからねえ。それでも、個人旅行でイタリアを旅している、あっぱれな日本人シニアに出会うこともある。私もいくつになっても、個人旅行ができるようなパワーを持ち続けたいものだ!


 夕暮れ時の、ドゥオーモのステンドグラス。もうおやすみなさいって感じだね。

ミラノ ドゥオーモ
 入口の方から西日が差しこんできている。ドゥオーモは、床装飾も、こんな風に素敵である。

 3年前に観光した時は、ミラノってこんなもんかーと言う感じだったが、今回5泊してみて、いろいろな教会や美術館に入ってみると、思っていたよりずっとミラノは見どころの多い町だと感じた。特に、美術館は素敵な作品が多かった。リピートしてみて、初めて良さがわかる町もあるってことを学んだよ。てなわけで、あんまり以前の訪問時は印象の良くなかったナポリ、ピサあたりも、もう一度行けば、もっといい所を見つけられるのかもしれない、と思った次第であった。

 さて、今日は最終日だし、残ったユーロを使って、パアーっと派手なディナーにしちゃおうぜ!(ちなみに私の言う「派手」とは、ほんの少しだけ価格の高いレストランで食べることをさしている。断っておくが、「ほんの少しだけ」ですからね。)

 というわけで、宿泊している中央駅から近い所に、「地球の歩き方」で紹介されている美味しそうなお店があったので、地下鉄で中央駅まで戻ることにした。ドゥオーモの駅から乗った電車は、何とACミラン仕様の電車であった。

ミラン電車
 インテルファンは、この電車が来たら、乗らないでスルーするのかなあ。とりあえずこの電車に向かって言いたいことはコレ。「ミランよ、モントリーヴォとメクセスを返しやがれっ!」(この電車に言っても意味ないよ)

 姉が調べておいてくれたのは、「GIANNINO(ジャンニーノ)」というお店。

TRATTORIA GIANNINO
 7時頃に行ったのだが、我々が一番乗りであった。イタリア人は夕食の時間が遅いので、夜7~8時頃は、レストランはどこでも結構すいている。NHKの「テレビでイタリア語」に出演できそうな、さわやかな新人さんって感じの若い男性が、席まで案内してくれた。メニューを見ると、結構高かった。手持ちのお金で足りるかなあ…と少し不安になったが、母が、「お母さんは、服の下のインナーセキュリティに、150ユーロ入ってるよ」と言ったので、足りなければ、母の持っているお金も使えばいいね、と、安心した。

 注文を取りに来たのは、ユヴェントスのマルキージオをスキンヘッドにしたみたいなお兄さんだった。さっきの若造より、ちょっとランクが上のウェイターさんのようで、プロフェッショナルな笑顔を浮かべて、いろいろお料理の説明もしてくれた。頭の形が何だか柿ピーに似ていたので、「ピーさん」と呼ぶことにした。せっかくミラノなので、ミラノ風カツレツと、このピーさんが勧めてくれたロンバルディア料理数点、また、イタリアのレストランで珍しく「Tofu(豆腐)」があったので、この「Tofu」も注文した。

 ちょっと柑橘系の香りがした「Tofu」は、日本の豆腐とは少し違う味だったが、美味しかった。それ以外の料理も、さすが値段が高いだけある味。そして、何より、この値段の高さは、ウェイターさんたちのサービスに表れていた。基本的に、我々のテーブルは、さっきのピーさんと、最初にテーブルに案内してくれた若造が担当したのだが、最初に出てきたパンを食べた後、テーブルに落ちたパンくずを、若造がスプーンをモップ替わり、ナフキンをちりとり替わりにして、丁寧に掃除した。へえ!スプーンで掃除するもんなんだ!ただ、若造は、まだこの「スプーンで掃除」の技は修行が足りないらしく、さいごの一粒のパンくずが拾えず、「へへッ」と照れ笑いしていた。

 また、エビを頼んだのだが、まるごと出てきたので、姉と私は上手に食べる自信がなく、コソクラー(手先が器用な人をこう呼ぶ)の母が食べた。少し手を使って食べたのだが、それをどこから見ていたのか、母がエビを食べ終わると、若造がサササササッと、母にお手拭を差し出した。…若造っ!すばやいっ!

 私は、若造のあまりに早い対応を不思議に思ったのだが、母と姉は言った。「…私たち、ここの全スタッフの注目を浴びてるよ」。ええっ?私はスタッフに背を向ける形で座り、母と姉は、スタッフに顔を向ける席に座っていたので、母と姉は、お店のスタッフたちの視線を、モロに浴びていることに気付いていたのだ。…それで、何となく二人とも、黙々と、緊張した面持ちで食べていたのね。まだ店内に、我々しか客がいないからなあ。私は背を向けてるため、全然プレッシャーを感じなかった。

 姉いわく、ピーさんと若造以外に、さらにその下の見習いっぽいスタッフが数名いて、彼らは、テニスの国際大会のボールボーイよろしく、腕を後ろに組んで、ビシッと直立不動しているらしい。このスタッフたちが私語をすると、厨房から、「シーッ!」と言う、お叱りの声が飛んできたらしい…。母と姉は、この直立不動軍団と、ピーさんと、若造の視線を一身に浴びてディナーをしているのだ。若造は、それはもう、何か若造の仕事がないかと、目を皿にして我々の食事を見ていたのだ。それで、母がエビを食べ終わった瞬間に、お手拭を持って飛んできたわけですよ。

 食事が始まって、30分ほどして、ようやく二組目の客が入ってきたため、店スタッフの視線独占状態は解除され、母と姉は安堵していた。それでも、若造のテーブルサービスの抜け目なさは代わりなかったし、食事の説明に来るピーさんの、プロフェショナルな笑顔も全く崩れなかった。ミラノ風カツレツは、運んできた後、食べやすいように、このピーさんが切り分けてくれた。

 そのうち、お店はどんどん混んでいった。アメリカ人っぽいビジネスマン集団などが入ってきて、ピーさんは一生懸命英語で説明をしていた。あまり観光客っぽい人たちはいなくて、ドレスアップしたお姉さん方などもいて、ちょっとびっくり。ただ、カジュアルな服装の人たちもいて、ドレスコードにうるさいお店ではなさそう。

 お勘定前に、母はトイレに行ったのだが、帰ってきた母は言った。「お母さん、インナーセキュリティに150ユーロあるって言ったけど、あれは間違いだった。お土産買うのに使ったんだった」。ええええーっ!?母の150ユーロがあると思って、あんまり値段を考えずに注文しちゃったよ!おっ、お金が足りなかったらどうしよう…?所持金が足りないと知った瞬間に、ピーさんのプロフェッショナルな笑顔が崩れたらどうしようっ!?無銭飲食の罪で、イタリア警察にとっつかまって、明日帰国できなかったりして…。

 …などと、ドキドキしながらお勘定をお願いすると、合計金額は、手持ちのお金で何とか足りた。3人で、200ユーロくらい使ってしまった。いやあー、ゼイタクしたね、コレ!姉と二人の旅行では、考えられないレヴェルのディナーだったよ!

 帰り際に、若造にはあいさつしたが、ピーさんは、アメリカ人のお世話で忙しそうだったので、声をかけずにお店を出ようかなあ、と思った。しかし、ピーさんは、目の端に我々が席を立つのを捉えていたらしく、我々がピーさんの背後あたりにさしかかると、ぐるんと振り返って、あのプロフェッショナルな笑顔で、「ありがとうございました!また来てください!」と挨拶した。うーむ、プロ。若造も、あのテニスのボールボーイみたいな集団も、ピーさんのような、プロのウェイターを目指しているのだろうな。

 そのままお店を出て、レジデンスの方角へ向けて帰った。ミラノ中央駅が正面から見えていた。3年前は工事中だったミラノ中央駅だが、なかなか綺麗になっていた。これで、ミラノともお別れ。っていうか、明日は帰国だから、イタリアとお別れである(涙)…。今回のミラノ滞在で、ミラノという町を、以前より好きになったよ。やっぱり、その町の良さってのは、その町に長く滞在しなければわからないものだ。次にミラノに来るときは、ぜひ、トラムを我が物顔で乗り回したいものだぜ!待ってろ、トラムっ!

3/15エピローグ ミヤトビッチさんって誰?へ続く

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貧乏なくせに、イタリア旅行というお金のかかる趣味を持ってしまった、「イタリア旅行貧乏」です。旅行は楽し♪びんぼーも楽し♪がモットーです!
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(limba→辺獄へ和訳改名しました!)

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